北信2市3村の災対本部設置時刻

台風19号による長野県の住戸被害は12月20日現在で8272棟、9218世帯、22457人と公表されています。自治体別で被害が大きかったのは次の4市です。末尾カッコ内は人口です。

長野市 4021棟 4454世帯 11259人(37.6万人)
千曲市 1340棟 1677世帯 *3936人(5.9万人)
佐久市 *984棟 1017世帯 *2451人(9.9万人)
飯山市 *628棟 *628世帯 *1256人(2.0万人)

新潟県境にある飯山市の人口は11月1日現在で19,789人です。被災率は6.3%となり、6.7%の千曲市には及ばないものの、割合としては16人に1人が被災しています。飯山市は氾濫した千曲川に沿った地形です。

飯山市付近(Google Earthプロ)

上流の中野市、対岸の木島平村と野沢温泉村、下流の栄村を含めた2市3村の災害警戒本部と災害対策本部の設置時刻、最初の避難勧告発令と避難所開設時刻は次のとおりです。

10/12 08:30 飯山市、災害警戒本部設置
10/12 09:00 木島平村、関係者会議を開き自主避難のための避難所開設
10/12 14:00 中野市、災害警戒本部設置
10/12 14:00 栄村、避難所2か所を開設
10/12 15:00 栄村、屋敷地区の一部と中条地区に避難勧告発令
10/12 16:30 中野市、災害対策本部に切り替えて避難所10か所開設
10/12 16:40 木島平村、災害警戒本部設置
10/12 18:10 栄村、災害対策本部設置
10/12 19:00 野沢温泉村、災害警戒本部設置
10/12 19:50 野沢温泉村、災害対策本部に切り替えて避難所開設
10/12 20:00 中野市、高岡地区など5地区に避難勧告発令
10/12 20:45 飯山市、木島地区と常盤地区に避難勧告発令
10/12 23:10 野沢温泉村、村内全域に避難勧告発令
10/13 00:30 飯山市、災害対策本部に切り替え
10/13 04:00 木島平村、災害対策本部に切り替え
10/13 05:30 木島平村、3地区の一部に避難勧告発令

木島平村は台風19号が伊豆半島に上陸した10時間前に避難所を開設しています。もともと千曲川にはほとんど接していませんので住戸被害は1棟1世帯5人でした。災対本部への切り替えも13日午前4時です。

野沢温泉村が動き出したのは夕方過ぎです。警戒本部→対策本部→避難所設置→避難勧告と手際よく対応しています。野沢温泉村の住戸被害は27棟27世帯107人でした。

下流の栄村では住戸被害が4棟4世帯11人ですが、昼間のうちに避難所を開いて避難勧告を出しています。上流の中野市の住戸被害は123棟129世帯396人でした。避難所は夕方に用意しています。中野市は21:30に避難指示を出しています。

飯山市は2市3村でもっとも早く警戒本部を設置していますが、災対本部への切り替えは日付が変わってからです。避難所の開設時刻は不明ですが、21:30の時点で城南町、城北町、木島平若者センターの3か所にそれぞれ数十名単位で避難しています。

常識的には20:45の最初の避難勧告の前に避難所を設置しているはずです。この時間帯までの対応に責められる要素はありません。

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