インフルエンザウイルスの生存率がもっとも高いのは温度が10~20℃で湿度が20%と言われています。高温多湿の条件下ではウイルスの活動が制約されます。今年1月の平均気温は多くの地点で過去最高を記録していますが、北海道はそこまでの暖冬というわけではありません。
道内各地と東京、名古屋、大阪、福岡の1月と2月の平均気温と湿度をまとめてみました。2月は23日までの観測値です。
観測地点 | 1月気温 | 2月気温 | 1月湿度 | 2月湿度 |
---|---|---|---|---|
旭川 | -6.9℃ | -5.8℃ | 84% | 80% |
網走 | -4.4℃ | -5.2℃ | 70% | 75% |
根室 | -2.9℃ | -3.5℃ | 72% | 76% |
釧路 | -4.0℃ | -4.0℃ | 74% | 73% |
岩見沢 | -4.6℃ | -4.0℃ | 83% | 81% |
札幌 | -2.3℃ | -2.3℃ | 71% | 74% |
苫小牧 | -2.9℃ | -2.5℃ | 72% | 73% |
室蘭 | -0.7℃ | -1.0℃ | 72% | 73% |
小樽 | -2.3℃ | -1.9℃ | 75% | 75% |
函館 | -0.9℃ | -0.9℃ | 72% | 74% |
東京 | 7.1℃ | 8.2℃ | 65% | 54% |
名古屋 | 7.6℃ | 6.8℃ | 67% | 64% |
大阪 | 8.6℃ | 7.9℃ | 64% | 61% |
福岡 | 9.5℃ | 9.4℃ | 71% | 64% |
北海道のほうが湿度は高く、平均気温はまだ氷点下です。新型コロナウイルスの感染者が関東に多いのは人口集中の度合いからして当然のことです。人口密度の低い和歌山でも2月22日に13人目の感染者が出ていますが、和歌山は感染ルートがほぼ辿れています。
北海道は2月24日現在の感染者が30人です。観光客によって持ち込まれたのだとしても、かなり広範囲に散らばっています。北海道が突出している以上、寒さには強いウイルスであるということだけは確かなようです。
中国と国境を接するのにいまだに感染者数ゼロなのが、北朝鮮、モンゴル、ラオス、ミヤンマーです。2/23現在の1万人当りの感染者数は、北朝鮮国境の遼寧省が0.028人、吉林省が0.034人、モンゴル国境の内モンゴル区が0.030人、ラオスやミャンマー国境の雲南省が0.036人です。
香港で0.094人、上海で0.138人、重慶と北京は0.185人、武漢の湖北省は10.830人ですので、これらの国の隣接地区にはさほど幹線は広がっていません。東南アジアで感染者ゼロの国にはインドネシアがあります。
この時期の気温がほぼ等しいシンガポールやタイには感染が広がっており、中国と疎遠なはずがないインドネシアがゼロを続けているのは興味深いところです。

武漢市人民政府は北緯30.59度です。緯度的に日本で武漢に相当するのは種子島であり、西之表市役所が北緯30.73度です。大邱駅は北緯35.87度、浦和の埼玉県庁が北緯35.85度です。ミラノ・スフォルツェスコ城は北緯45.47度、宗谷岬灯台が北緯45.52度です。テヘラン・ゴレスタン宮殿は北緯35.67度、東京駅が北緯35.68度になります。北京は秋田や盛岡とほぼ同緯度です。
新型コロナにも温度や湿度の最適条件があるはずですが、どう帰着するのかまだ見えません。東京の平均気温が20℃超となるのは6月上旬、大阪で5月下旬です。
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