葵区梅ヶ島の梅ケ島小中学校
1976年9月に観測を始めた静岡市葵区の梅ケ島観測所が廃止され、2020年1月28日から同じ葵区内の有東木(うとうぎ)に移転しています。雨量のみの観測地点です。
ピンクのマーカーが梅ケ島(標高430m)、赤が移転先の有東木(標高585m)です。ちょうど山梨県が垂れている部分(南部町)と隣接しており、梅ケ島から山梨県境まで4キロ弱、有東木から県境まで2キロ強です。青マーカーは大井川鉄道終点の井川駅になります。
気象庁的には「梅ケ島」ですが、どうやら「ケ」と「ヶ」が混在しているようです。1969年に静岡市に編入された村は「梅ヶ島」村が正解です。簡易郵便局や駐在所も「梅ヶ島」です。小中学校のWebサイトには次のように記載されていました。
学校名としては「梅ケ島」、住所的には「梅ヶ島」ということのようです。静岡市教育委員会のWebページでも「梅ケ島小中学校」と記されています。
アメダス梅ケ島
アメダス梅ケ島では1998年に年降水量5026ミリを観測しています。5000ミリ超はこの年だけですが、1度でも年5000ミリ超を観測したのは2021年現在で35地点しかありません。
観測地点 | 1998年 | 2018年 | 2019年 |
天城山 | 6141ミリ | 4831.5ミリ | 5552.0ミリ |
魚梁瀬 | 5750ミリ | 7194.5ミリ | 4923.0ミリ |
尾鷲 | 5699ミリ | 4377.0ミリ | 4662.0ミリ |
屋久島 | 5210ミリ | 4544.0ミリ | 4434.5ミリ |
梅ケ島 | 5026ミリ | 3314.0ミリ | 3542.5ミリ |
船戸 | 4483ミリ | 4703.0ミリ | 4977.5ミリ |
えびの | 4129ミリ | 5333.5ミリ | 4201.0ミリ |
アメダス梅ケ島の2019年降水量3542.5ミリは私が集約した1294地点のうち32位でした。静岡地方気象台、アメダス南部と年降水量を比較してみました。梅ケ島が静岡や南部より年降水量が少なかった年は1回もありません。
梅ケ島の雨量計は5段の櫓の上に設置されていました。公共施設の隣ですが、ストビューは2012年6月撮影のものしかなく、雨量計が映っているのは1コマだけです。裏の民家が真正面に入り、あまりよろしくなさそうですので埋め込むのは自重します。
アメダス有東木
梅ケ島の観測地点から4キロほど離れた移転先の「有東木」は、わさび栽培発祥の地だそうです。今では伊豆半島のほうが有名ですが、伊豆に伝播したのは18世紀中頃で、畳石栽培は19世紀末ということです。2012年6月撮影のストビューを埋め込みました。
有東木村は町村制が施行された1889年に大河内村となり、梅ヶ島村と同じ1969年に静岡市に編入されています。
アメダスの観測露場は、静岡らしく茶畑を登ったところにあるようです。上の看板から250mほど離れたところです。取り壊された公共施設の用地だったようです。初めての通年観測となった2021年の年降水量は3707ミリで全国23位です。
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