都道府県別の新型コロナ感染者増加率と退院率(4/28)

厚労省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年4月28日版)」の末尾【別添1】の表には、都道府県別に陽性者数、治療中の患者数、退院者数、死亡者数が掲載されています。また、東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」にも、同じ項目が図示されています。最新の数値は次のとおりです。

  • 厚労省 陽性者3,961人、治療中3,883人、退院者59人、死亡者19人
  • 東京都 陽性者4,059人、治療中2,690人、退院者1,261人、死亡者108人

厚労省は1日遅れで全国集計しますので総数は合わないわけですが、東京の退院者は1日で1200人増えたわけでもありませんし、1日で90人近くが死んだわけでもありません。グラフ化してみます。

厚労省は東京都の報告を撥ねつけているわけです。あるいは東京都が満足な報告をしていないとも言えます。厚労省側の言い分はこうです。

※退院した者のうち1,267名、死亡者のうち109名は、個々の陽性者との突合作業中のため、本表には含めていない。
※東京都の「うち現在は入院等」の数値が多いのは、症状確認中の者が多く含まれているため。

新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年4月28日版)

ここに示された退院者1267名と死亡者109名は全国トータルの数値です。実体を反映しない厚労省の数値はできれば使いたくないと思っていますが、これまでの経緯とほかに代わるものがないため、今回も厚労省の数値で都道府県別の感染者数、5日前からの増加率、入院者数、死亡者数、退院率を表にしました。

陽性増加率入院退院死亡退院率
全国13,4221.1411,2521,90326787.7
東京3,9611.153,883591975.6
大阪1,5231.101,2312603289.0
神奈川9651.158161222781.9
埼玉8231.15765421672.4
千葉7931.09672982381.0
北海道6501.314222022688.6
兵庫6291.12527851783.3
福岡6151.104381611691.0
愛知4771.08381663068.8
京都3091.12161140894.6
石川2361.1921516576.2
富山1811.571699375.0
茨城1611.0712431683.8
コスタ1484.3514800
広島1461.0512215962.5
岐阜1461.028257789.1
群馬1451.1112816194.1
沖縄1371.0511023485.2
福井1211.025263691.3
滋賀941.077122195.7
宮城861.0254320100.0
奈良781.046314193.3
高知731.044328293.3
福島691.0650190100.0
新潟691.1337320100.0
山形661.0228380100.0
長野661.1849170100.0
静岡641.1251130100.0
大分601.003227196.4
和歌山591.203127196.4
栃木541.0441130100.0
山梨511.0029220100.0
愛媛471.002024388.9
三重451.052816194.1
熊本451.103212192.3
佐賀362.003060100.0
山口321.0314180100.0
香川281.082350100.0
青森231.059140100.0
島根221.382020100.0
岡山221.161750100.0
宮崎171.00890100.0
長崎161.0078188.9
秋田161.00970100.0
鹿児島101.00640100.0
徳島51.00230100.0
鳥取31.00210100.0
岩手0000

陽性者数では5日前の前回8位だった北海道が福岡と兵庫を抜いて6位に復活しています。気象庁予測の4月29日正午の紫外線量では札幌は東京や大阪の3分の2です。札幌の今月の平均気温は6.3℃ですが、東京は12.5℃で大阪は13.4℃です。コロナウイルスが紫外線や高温多湿に弱いのなら、やはり北海道は心配です。

5日前からの増加率では佐賀が2倍、富山が1.57倍、島根が1.38倍で、北海道の1.31倍は4位です。母数の大きい北海道は1.31倍でも約150人増えています(次回から増加率ではなく増加数を用います)。北海道は2棟目の軽症者用ホテルを30日から利用するようです。

入院者(隔離治療者)数は、大阪が5日前の前回から134人、神奈川が2人、千葉が42人、福岡が96人、北海道29人、愛知が2人、京都は100人減っていますが、埼玉は61人、石川が26人、富山が58人増えています(東京は上のような事情で厚労省の数値が使えません)。

死亡者数では前回5位タイの大阪が1位になりましたが、もちろん実際には東京が1位です。厚労省の数値は本当に使えないのです。

退院率は「退院者数/(退院者数+死亡者数)」の計算式で求めています。生還率が低いのは群馬62.5%、愛知68.8%、埼玉72.4%、富山75.0%です。なお、富山の死亡者数は厚労省が3人としているだけで、実際は7人です。

表には入れていませんが、致死率は愛媛6.4%、愛知と長崎が6.3%、群馬が6.2%です。また、人口1万人当たりの感染率は、東京2.8人台、石川2.0人台、大阪と富山が1.7人台です。

富山県の新型コロナ感染マップ
富山県の感染マップ(地理院タイルで作図)

富山県の感染者数は最新の数値で179人です。市町村別では富山市151人、高岡市6人、射水市6人、朝日町4人、滑川市3人、氷見市2人、立山町2人、上市町2人、南砺市1人、県外2人です。富山市の県人口比率は4割程度です。

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