白鳥型遊覧船は残り4隻(相模湖、諏訪湖、榛名湖、山中湖)

日本で見られる白鳥は3種類だそうです。オオハクチョウとコハクチョウの嘴は、先端が黒く鼻と目の間は黄色です。鼻孔まで黄色いのがオオハクチョウ、鼻孔は黒いのがコハクチョウということです。遠目にはまず区別できそうにありません。

渡り鳥ではなく飼育されているコブハクチョウの嘴はオレンジ色で、先端部がほんの少し黒くなっています。その名のとおり、鼻の上に黒いタンコブがあります。飼育といっても放し飼いですので飛び立ってしまえば半野生化することになります。

2.コハクチョウ
 ラムサール条約湿地中海・宍道湖のシンボルマークにもなっている水鳥です。ハクチョウの仲間には、オオハクチョウやコブハクチョウなどがいますが、山陰地方で見られるハクチョウの多くはコハクチョウです。
 ロシアの北極海沿岸部から10月中旬に宍道湖・中海周辺に飛来し、3月中旬にこの地を去っていきます。
 日中は、池で水草を食べたり、水田地帯で落ち穂を食べ、夕方になると宍道湖や能義平野のねぐらに帰っていきます。

島根県>宍道湖で見られる代表的な水鳥

宍道湖の白鳥はコハクチョウが多いようですが、島根県観光連盟のWebサイトに気になる記述があるのを見つけました。観光連盟は社団法人です。事務局は県庁観光振興課内にあります。

島根県を象徴する県花はボタン、県鳥はオオハクチョウ、県木はクロマツ、県魚はとびうおである。<略>
 オオハクチョウは古来飛来していたようで、『出雲国風土記』にも白鵠(くぐひ)という名で出ている。現在は中海に多いが、かつては宍道湖の北から西にかけての水域に姿を現していたようである。昭和39年(1964)に愛鳥意識の普及のため、古くから愛されていたオオハクチョウが県の鳥に指定された。

しまね観光ナビ>県の花・鳥・木・魚

たやすく区別できないと思われるのがオオハクチョウとコハクチョウです。島根では数の少ないオオハクチョウが県鳥で、数の多いコハクチョウはその栄誉に預かれないようです。不憫・不遇というものではないかという気もします。

島根県を代表する鳥は「ハクチョウ」です。
<略>昭和39年5月10日の愛鳥週間初日に、「県の鳥」として「オオハクチョウ」を指定しました。
以来、県の鳥「オオハクチョウ」は、県民の皆さんに親しまれてきましたが、県内にはオオハクチョウとコハクチョウの両方が飛来しているものの、近年オオハクチョウはほとんど見られないことから、県議会において県鳥の見直しが提案されました。
これにより自然環境保全審議会に諮問したところ、オオハクチョウ、コハクチョウの総称としての「ハクチョウ」を県鳥とすることが適当との答申を受け、平成12年1月1日から変更いたしました。

島根県>島根県のシンボル

平成12年と言えば西暦2000年です。観光連盟さんは20年に渡って誤った情報を発信し続けているわけです。ハクチョウは青森県の県鳥でもあります。青森県では最初(1964年)から「ハクチョウ」で指定しています。

さて、宍道湖には「はくちょう号」という遊覧船が運行されています。あいにく、名前が「はくちょう号」というだけで、白鳥の姿を模した船の形ではありません。ピーク時には全国に10隻以上あったはずの白鳥型遊覧船は、コロナ禍で猪苗代湖の磐梯観光船さんが廃業して残り4隻となりました。

白鳥型遊覧船が就航している湖

相模湖(勝頼観光/ニュースワン丸)

1966年の「スワン丸」が日本最初の白鳥型遊覧船です。現在の「ニュースワン丸」は1974年就航の二代目で、とりわけリニューアル後はえらくカラフルになっています。白鳥の姿をしているだけで、船体の色彩はやけに派手です。嘴は赤く、首には蝶ネクタイを施しています。初代の「スワン丸」に蝶ネクタイはありませんでした。

芦ノ湖の海賊船は「湖の海賊?」というツッコミが必ず入るはずですが、箱根観光のシンボル的存在です。メルヘンに理屈は必要ないのでしょう。

諏訪湖(諏訪湖観光汽船/すわん)

諏訪湖には2隻の白鳥型遊覧船がありましたが、現在は1隻のみです。興味深いことに、諏訪湖では1974年からコハクチョウの渡来が確認されています。白鳥型遊覧船の就航は1969年です。招き寄せ効果があるとはとても思えませんが、チャンス到来とばかりに餌付けしたに違いありません。なにしろ諏訪湖のスワンですから…。

現役の「すわん」はなぜかコブ付きです。嘴は黄色でまつ毛があり、赤い蝶ネクタイを締めています。別会社が運行していた「おやこはくちょう丸」は2017年に引退しています。嘴は赤く、頭上には王冠をかぶっていました。

榛名湖(榛名湖レストハウス/はくちょう丸2世号)

榛名湖の遊覧船は定時運行ではありません。数人集まれば運行するという気軽なスタイルです。嘴は黒く、根元がオレンジです。まつ毛はありますが、王冠も蝶ネクタイもつけていません。榛名湖は白鳥渡来地というわけではありません。

山中湖(富士汽船/白鳥の湖)

山中湖の白鳥型遊覧船「白鳥の湖」(←プリンセス・オデット号)はオレンジ色の嘴を軽く開いているところに特徴があります。嘴を開けている白鳥型遊覧船は山中湖以外にはないはずです。王冠はかぶっていますが、蝶ネクタイは締めていません。

山中湖もオオハクチョウやコハクチョウの飛来地ではありませんが、コブハクチョウはいるようです。

廃船?

猪苗代湖はハクチョウ渡来地です。その名もズバリ白鳥浜という砂浜もありますし、志田浜には白鳥の湖のブロンズ像があります。二代目の「はくちょう丸」はオレンジ色の嘴で王冠を戴いていました。廃業は6月15日に発表されましたが、すでに公式サイトは閉鎖されています。

私が確認している範囲では、鳥取の東条湖、長野の野尻湖と白樺湖、徳島の池田湖(2隻)に白鳥型遊覧船が就航していた時代があったようです。

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