カオスな兵庫県、但馬でも初めての新型コロナ陽性者

兵庫県は旧律令国のうち摂津国の西部、丹波国の南西部、但馬国、播磨国、淡路国で成立しています。摂津は畿内、丹波と但馬は山陰道、播磨は山陽道、淡路は南海道というカオスな構成です。

兵庫県(地理院タイル

地図の鉢伏山が摂津と播磨の国境とされています。須磨浦山上遊園のリフトは麓側が「せっつ駅」で頂上側が「はりま駅」です。

兵庫県には17の保健所があります。神戸、姫路、西宮、尼崎、明石は市の保健所です。残りの12は県の保健所ということになります。36市町が12の保健所に振り分けられていますが、隣接自治体が神戸と西宮だけの芦屋はペアが組めず、芦屋保健所の管轄は芦屋市のみです。41市町のWebサイトで居住地ベースの累積感染者数を調べてみました。

保健所市町が発表している居住者の累積陽性者数
(市)神戸神戸市(447)
(市)姫路姫路市(79)
(市)西宮西宮市(178)
(市)尼崎尼崎市(140)
(市)あかし明石市(32)
(県)芦屋芦屋市(57)
(県)伊丹伊丹市(73)、川西市(36)、猪名川町(1)
(県)宝塚宝塚市(71)、三田市(19)
(県)加古川加古川市(30)、高砂市(11)、
稲美町(16)、播磨町(1)
(県)加東加東市(1)、加西市(2)、三木市(2)、
西脇市(2)、小野市(-)、多可町(-)
(県)龍野たつの市(-)、宍粟市(-)、
太子町(-)、佐用町(-)
(県)赤穂赤穂市(6)、相生市(-)、上郡町(-)
(県)福崎福崎町(-)、神河町(-)、市川町(-)
(県)豊岡豊岡市(-)、香美町(-)、新温泉町(1)
(県)朝来朝来市(-)、養父市(-)
(県)丹波丹波市(1)、丹波篠山市(-)
(県)洲本洲本市(-)、淡路市(9)、南あわじ市(1)
▲市町が発表している累積陽性者数

神戸市の人口は151.9万人、姫路市は52.9万人、西宮市が48.7万人、尼崎市が45.1万人、明石市29.9万人です。人口1万人当たりの陽性者数は神戸2.94人、姫路1.49人、西宮3.66人、尼崎3.10人、明石1.07人です。人口9.4万人の芦屋市は1万人当たりでは6.06人という高い数値になります。

伊丹市の人口は19.8万人で、川西市は15.2万人です。1万人当たりでは伊丹3.69人、川西2.37人ですが、伊丹保健所は「管内」として陽性者の居住自治体を明らかにしていないケースが33例あります。伊丹と川西が15人増えれば、1万人当たりで伊丹4.44人、川西3.36人となります。第1波でクラスターが発生した地域ですので、必ずしも現状が感染拡大中というわけではないはずです。

宝塚市の人口は22.4万人、三田市は10.9万人です。人口1万人当たりの陽性者数は宝塚3.17人、三田1.74人となります。宝塚保健所にも「管内」発表が1例あります。

加古川市は人口1万人当たり1.15人、高砂市が1.26人、稲美町が5.33人、播磨町は0.30人です。稲美町が多いのは、ミナミのクラブを訪れた同僚5人の事業所でクラスターが発生したからのようです。阪神と近鉄は直通電車がありますので、難波発は西にも広がるわけです。加古川も「管内」が5例あります。

加東市、西脇市、三木市、加西市、小野市、多可町が管轄の加東保健所は「管内」発表が17例ありますので、自治体別の陽性者数は参考値にもなりません。たつの市、宍粟市、太子町、佐用町が管轄の龍野保健所も「管内」発表が3例です。

赤穂市、相生市、上郡町を管轄とする赤穂保健所では、6人の陽性者がすべて赤穂市です。赤穂の人口は4.5万人ですので、1万人当たりでは1.33人です。福崎町、神河町、市川町が管轄の福崎保健所(中播磨健康福祉事務所)では「管内」3例です。

豊岡保健所は豊岡市、香美町、 新温泉町が管轄で、旧但馬国です。これまで感染者ゼロでしたが、鳥取県に接する新温泉町に居住する地元紙記者の陽性が7月31日に判明し、濃厚接触者の町長は検査結果にかかわらず8月11日まで自宅待機するそうです。

朝来保健所は「管内」1例、丹波保健所は「管内」が6例あります。淡路島3市を管轄する洲本保健所も「管内」が4例あります。淡路市の9名は第1波時代の陽性者です。

兵庫県では自治体別の数値はブラックボックスです。「自衛」を求めたのは兵庫県知事ではありませんが、「自衛」を求めるのなら情報の開示は不可欠です。兵庫県の新型コロナ死亡者は45名ですが、このうち14名が居住地非公表です。

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