公立中学の「ナンバースクール」
公立中学校のナンバースクール全国最多は豊中市です。2020年時点のランキングは次のようになります(消滅校の漏れはあるかもしれません)。
- 豊中市立第十八中学校
- 足立区立第十四中学校(十六中と十五中は閉校)
- 目黒区立第十一中学校(1947年開校)
- 大田区立大森第十中学校(1947年開校)
- 文京区立第十中学校(1948年開校)
- 高槻市立第十中学校(1972年開校)
- 寝屋川市立第十中学校(1979年開校)
- 府中市立府中第十中学校(1980年開校)
- 山形市立第十中学校(1983年開校)
- 荒川区立第九中学校(1953年開校)
- 立川市立立川第九中学校(1978年開校)
- 中野区立第八中学校(九中から十一中まで閉校)
- 八代市立第八中学校(1955年の自治体合併で改称)
- 江東区立深川第八中学校(1961年開校)
- 静岡市立清水第八中学校(1961年開校)
- 市川市立第八中学校(1967年開校)
- 帯広市立帯広第八中学校(1974年開校)
- 調布市立第八中学校(1977年開校)
◆豊島区立第十中学校は2004年の統合で閉校しています(一中から九中は最初から存在しません)。布施市立第十中は1967年2月の自治体合併で東大阪私立小阪中に改称されています(九中以下も改称で、合併を控えた1966年に開校した布施市11番目の中学は最初から長瀬中です)。鹿児島市立第九中は1949年に改称、銚子市立第八中は2013年に閉校しています。
豊中は全18校がナンバースクール
他市区ではおおむね十中あたりで設立順ナンバリング路線から撤退していますが、豊中は18まで続けました。市立中学18校すべてがナンバースクールでした。2019年度限りで第六中と第十中が消滅し、統合後の中学校は「庄内さくら学園」という私立っぽい名称です。
豊中市の市町村コードは27203です。27202が岸和田市、27201は指定都市になる前の堺市です(大阪市は市町村コード導入前から政令指定都市)。豊中市の市制施行は大阪府内で4番目となります。
1936年に豊能郡豊中町・麻田村・桜井谷村・熊野田村の1町3村が合併して豊中市が成立しています。1947年には豊能郡中豊島村・南豊島村・小曽根村の3村を、1955年には豊能郡庄内町を編入して、現在の市域に落ち着いています。
統合新設校の名称は「庄内さくら学園」
今回統合された第六中は、もともとは庄内町立中学校です。合併した1955年に豊中市立庄内中学校に改称され、1959年に豊中市立第六中学校に再改称されています。コロナ禍の2020年4月7日に「庄内さくら学園中」の開校式と入学式が行われています(翌4/8の始業式から臨時休業)。18校の生徒数です。
市立中 | 創立 | 2009年 | 2015年 | 2020年 |
一中 | 1947年 | 647人 | 638人 | 563人 |
二中 | 1947年 | 484人 | 487人 | 533人 |
三中 | 1947年 | 892人 | 961人 | 929人 |
四中 | 1949年 | 606人 | 580人 | 597人 |
五中 | 1952年 | 389人 | 426人 | 371人 |
六中 | 1947年 | 382人 | 319人 | →十中 |
七中 | 1962年 | 426人 | 353人 | 305人 |
八中 | 1966年 | 217人 | 273人 | 259人 |
九中 | 1970年 | 798人 | 845人 | 914人 |
十中 | 1972年 | 257人 | 247人 | (444人) |
十一中 | 1973年 | 989人 | 1018人 | 1034人 |
十二中 | 1973年 | 502人 | 455人 | 392人 |
十三中 | 1977年 | 554人 | 663人 | 637人 |
十四中 | 1978年 | 636人 | 601人 | 492人 |
十五中 | 1979年 | 488人 | 581人 | 512人 |
十六中 | 1981年 | 412人 | 428人 | 429人 |
十七中 | 1982年 | 661人 | 718人 | 744人 |
十八中 | 1986年 | 265人 | 259人 | 262人 |
「庄内さくら学園中」は十中の校舎・校地が継承されていますので、上の表では十中の欄に生徒数を記載しましたが、形式的には六中も十中も閉校です。庄内は荘園由来の地名ですので全国にありますが(「*別」と「*内(ない)」の市町村MAP)、山形の庄内地方がもっとも有名でしょう。いろいろな意味で「さくらんぼ学園」でなくてよかったわけですが、本当に「さくら」が必要だったかどうかは異論がありそうです。
豊中市は1980年代には人口41万人台に達しましたが、一時は38万人台まで減少しています。その後北部を中心に回復しており、8月1日現在で401,554人です。ただし、南部の庄内地域は少子高齢化が進行しており、今回の統合になったようです。
なお、私立の箕面自由学園は箕面を名乗っていますが、幼稚園から高校まですべて豊中市内にあります(豊中市の北に隣接するのが箕面市、最寄りの桜井駅は箕面市所在)。また、徳島には市立八万(はちまん)中学校が実在しますが、「第」は付されておらず、もちろん七万九千九百九十九中以下はありません。Wikipediaによれば、現地では「はっちゅう」と略されるそうです。
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