山形と新潟のアメダス小国に各地の小国、共通点は盆地

2021年1月1日と5日の日降水量全国1位は新潟県長岡市のアメダス小国でした。3日の1位もアメダス小国ですが、こちらは山形県小国町にある観測地点です。紛らわしいことこのうえない話です。2020年も長岡の小国は1勝(12/26)、山形の小国は2勝(1/9、11/11)しています。

雨量観測を伴うアメダス観測所は全国に1300ほどあります。同名の異なる観測地点が1日おきに1位になるのは迷惑な話です。まあ、嫌いな種類の「迷惑」というわけでもありません。

各地の小国町と小国村

基礎自治体としての小国町あるいは小国村で、現存するのは山形と熊本の小国町です。読みは例外なく「おぐにまち」と「おぐにむら」です。

山形県西置賜郡小国町(現存)
熊本県阿蘇郡小国町(現存)
熊本県阿蘇郡南小国町(現存)
新潟県刈羽郡小国町2005年に長岡市に編入
岩手県下閉伊郡小国村1955年の合併で川井村、現・宮古市
山形県最上郡西小国村
東小国村
1954年の合併で最上町
福島県伊達郡小国村1955年の合併で霊山町、現・伊達市
広島県世羅郡小国村1955年の合併で世羅西町、現・世羅町
▲小国町と小国村

合併で消滅した「小国町」なり「小国村」なりについては、字名として今も地名に残っています。これら以外の字名としての「小国」は東北と中国地方に偏在しています。関東や関西や北海道や四国では見つかりませんでした。

  • 青森県平川市 小国
  • 青森県外ヶ浜町 小国
  • 岩手県久慈市 山形町小国
  • 秋田県にかほ市 小国
  • 山形県鶴岡市 小国
  • 山形県真室川町 大沢小国
  • 広島県府中市 小国町
  • 島根県浜田市 金城町小国
  • 山口県柳井市 日積小国

盆地のアメダス小国

長岡市小国町の由来については、観光協会が次のように記載しています。合併前の小国町時代の観光協会が残っているものと思われます。

長岡市小国町は新潟県の中南部に位置し、東西を関田山地と八石山地に囲まれ、中央を信濃川水系の渋海川が貫流する、水と緑の豊かな地域です。周囲を山に囲まれた独特の地形が「小国」の名前の由来になったともいわれています。

小国観光協会よっていがんかい>小国とは?

「周囲を山に囲まれた」地形なら別に「独特」ではなく、あちこちにありそうです。川が流れていない盆地があるとも思えません。ざっくり調べてみただけですが、外ヶ浜町を含めて各地の「小国」地区は規模の大小はあっても例外なく山あいでした。

長岡市のアメダス小国は雨量のみの観測です。ストビューでは公共施設敷地内の7段櫓の上に雨量計が設置されています。標高は83mです。長岡市は平成の大合併で寺泊町や山古志村など周辺10自治体を編入しています。旧・小国町は長岡市の南西端に位置しています。Googleでルート検索してみると、長岡市役所からアメダス小国まで車で35分でした。

新潟と山形のアメダス小国
2つのアメダス小国(地理院タイルを加工)

山形県小国町は山形県の南西端です。米沢や山形市内に行くには分水嶺となる宇津峠を越える必要があります。小国町を流れる明沢川(みょうざわがわ)は荒川に合流し、米坂線に沿って新潟県で日本海に注ぎます。アメダスは市街地から外れた田畑の中にあります。雨量計はやはり7段櫓の上に設置されています。標高は140mです。

アメダス小国の月別降水量

2020年と平年値(1981-2010年)の月別降水量をグラフ化してみました。どちらも年間降水量は3000mmクラスです。冬季の降雪が雨量換算される日本海側のグラフになっています。山形のアメダス小国で観測された2020年7月の650mmは7月としては観測史上1位、通年の月間降水量としても4位でした。最深積雪は1986年2月26日の279センチです。

なお、熊本の南小国町にはアメダス南小国があります。

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