次はロックダウンか、夜間外出禁止なのか

英仏の人口

国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料によれば、2020年時点のイギリスの人口は6788.6万人、フランスは6527.4万人です。推計値と思われます。

英仏の人口

MEMORVAの世界人口ランキング(WHO版)では、イギリスが6714.2万人、フランスは6499.1万人です。2018年の数値とされています。Wikipediaの「国の人口順リスト」では、イギリスが67,530,200人、フランスは65,129,700人とされています。国連統計による2019年の推計人口です。当サイトではGLOBAL NOTE「世界の人口 国別ランキング・推移(国連)」の数値を用いています。四捨五入されていますが、Wikiと同じです。

ドーバー海峡を挟んで向かい合う両国の人口はほぼ等しいわけですが、新型コロナ感染者数でも激しいデッドヒートを繰り広げてきました。下のグラフは月単位(3月以降の月末)で集約したものです。

英仏の新型コロナ累積感染者数

先行したのはフランスでした。1月25日にボルドーとパリ近郊で計3人の感染者が確認されています。6人目の感染確認は1月31日でパリの医者です。同日、イギリスでも最初の感染者2人が確認されました。3月末時点ではフランスの累積感染者は5.1万人、イギリスは3.8万人でした。

5位争いを演じる英仏のデッドヒート

4月にイギリスが逆転しますが、9月にフランスが再逆転、今年1月3日にイギリスが再々逆転しています。フランスの新規感染者のグラフです。

フランスの新規感染者数
フランスの新規感染者数(Johns Hopkins大 1/17)

イギリスの新規感染者は次のとおりです。現状では累積感染者数でイギリスが世界5位、フランスは世界6位です。

イギリスの新規感染者数
イギリスの新規感染者数(Johns Hopkins大 1/17)

第1波も第2波も、常にフランスが先行してイギリスが逆転する形です。わかりやすいと言えばわかりやすい関係にあります。つまり、イギリスにはフランスを見て対策を講じるチャンスがあるはずなのです。

ところが、直近1週間の1日当たりの新規感染者数はイギリスは5万人弱、フランスは1.5万人弱です。変異種の関係かもしれませんが、2度目の逆転を実現してしまいました。両者の差は今後もしばらく拡大していくことになります。直近1週間の陽性率もイギリス9%、フランス6.5%です。イギリスの感染率は4.98%、フランスは4.5%です。

イギリスはロックダウン中

1月5日からのイギリスのロックダウンの内容です。夜間に限らず外出禁止であり、飲食店はデリバリーとテイクアウトのみ営業が認められています。

1.自宅を離れることができる場合
合理的な理由がある場合を除き、自宅から離れたり、外出したりしてはいけない。これは法定化される。合理的な理由なしに自宅を出る場合、警察は行動を取ることができ、罰金が課される。罰金は、初犯で200ポンド、更なる違反で最大6,400ポンドまで倍増する。合理的な理由には、次のようなものが含まれる。
(1)仕事
在宅で仕事をすることが不合理である場合に限り、自宅を離れて仕事をすることが可能。以下に限られるわけではないが、国の重要なインフラ、建設、製造業で、対面での出勤を必要とする仕事をしている人を含む。
(2)ボランティア
ボランティアや慈善活動のために自宅を出ることも可能。
(3)必須の活動
店舗で物を買ったり、サービスを受けたりするために自宅を出ることが可能。また、障害者や脆弱な人又は自己隔離を行っている人の代理としてこれらの活動を行うために自宅を出ることも可能。
(4)教育と保育
子どもたちの参加が認められている場合に限り、教育、登録保育、監督下での活動のために自宅を出ることができる。学齢期の児童生徒の教育へのアクセスは制限される(以下「9.学校」参照)。離れて暮らしている場合でも、親と子の間の面会については、既存の取決めを継続することができる。

在イギリス日本国大使館>イングランドにおける新たなロックダウンに関するガイダンスについて

小中学校と医学・歯学、ソーシャルワークのコースの大学は対面授業が認められています。文科省が昨年4月1日付で通知した「大学等における臨時休業の実施に係る考え方等について」には、このような例外はありませんでした。十分な医療体制は整っているという判断だったのかもしれません。

フランスは夜間外出禁止

フランスは12月15日から夜間(20:00-6:00)外出禁止でしたが、1月16日から全土で2時間前倒しされています。飲食店は日中も営業できません。

1月14日夜に行われたカステックス首相他の記者会見において、以下のとおり仏全国において夜間外出禁止の開始時刻が18時に繰り上げられる旨発表しています。
1 1月16日(土)より、18時からの夜間外出制限措置を全国的に導入。本措置は、少なくとも15日間継続される。
2 18時からの夜間外出制限措置は既に25の県で導入されており、感染拡大防止に効果が出ている。経済活動、学校生活、移動ができるよう、全国的に予防措置として導入する。
3 18時からの夜間外出制限においても、例外的に外出が認められる理由は従来と変わらず限定的。仕事からの帰宅や保育園への子供の迎え等は可能であるが、個人的理由による外出はできない。
4 商店や商業施設は18時には閉店となる。
5 本件措置によって商店等での営業時間が短縮されることで多くの人が密集しないよう、昼休憩時の開店を推奨する。また、県知事による地方関係者との協議を経て例外的に日曜日の営業も認められる。

在フランス日本国大使館>仏全土における夜間外出禁止の開始時刻の繰り上げ(1月16日以降)

18時からの外出禁止を先に始めた地域では新規感染者が2分の1から3分の1に減少する「効果」が出ているということです。

今回の日本の緊急事態宣言が飲食店にターゲットを絞ったのは、去年12月の状況を見ての判断だと思われます。次の段階は、イギリス型の全面的ロックダウンか、フランス型の夜間外出禁止のどちらかになります。イタリアは地域によって全日と夜間の外出禁止です。

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