アメダス野母崎は閉鎖、アメダス脇岬が新設

野母崎から脇岬へ

アメダス野母崎は2020年の最大瞬間風速1位でした。2021年1月19日の朝9時過ぎに観測がストップして、翌20日15時台からアメダス脇岬が稼働しています。

長崎半島
長崎半島(地理院タイルを加工)

長崎半島の南端です。東に3.3キロほど移動したわけですが、標高190mの野母崎に対して新しい観測地点の脇岬は標高4mとされています。ディフェンディング・チャンピオンがリタイアして、2021年の風速戦線に異常が生じたわけです。

アメダス脇岬
アメダス脇岬(地理院タイルを加工)

あいにく脇岬町は私にとってはなじみのある町です。付近のストビューを2周したはずですので、もうお腹いっぱいです。脇岬の南にある樺島(かばしま)に着目してみます。

偏在する樺島

「樺島」姓は圧倒的に福岡に多く、「姓名分布&姓名ランキング 写録宝夢巣」の電話帳データによれば全国で292件のうち半数以上の154件が福岡に集中しています。「華」を「花」に置き換えた「椛島」姓も757件中499件が福岡です。

地名の樺島は福岡には見当たりませんが、その周囲で見つかります。islandとしての樺島は長崎半島の樺島のほかに山口県周南市の無人島があります。

樺島
樺島(地理院タイルを加工)

長崎半島突端の樺島は1889年の町村制施行時は樺島村でした。1955年に野母村、脇岬村、高浜村と合併して野母崎町が発足します。野母崎町が長崎市に編入されたのは2005年です。長崎市中心部の官庁街近くには樺島町があります。2015年1月撮影のストビューを埋め込みました

このため、樺島の住所は旧町名を頭につけた長崎市野母崎樺島町ということになっています。広域合併ではしばしば見られるパターンです。

1889年の町村制施行時には、五島列島にも樺島村がありました。この樺島村は1957年に福江市に編入され、福江市は2004年から五島市になっています。五島の樺島村だった島は、区別のために字を変えて「椛島」とされています(地図では青の丸囲み)。

樺島大橋と樺島灯台と地下ダム

樺島の人口は2020年1月現在で272世帯462人です。島内の小学校は2010年に廃校になっています。九州本土と樺島大橋で結ばれたのは1986年です。それ以前は渡船が180mの海峡を往復していたそうです。第七管区海上保安本部のWebサイトには次のような記述があります。

樺島大橋の開通前、恋人の出来た職員が冬のボーナスをはたいて、ダイヤの指輪を買いプロポーズしたところ、灯台で生活する自信がないと断られ、失望した職員は、船上よりダイヤの指輪を狭い海峡に投げたそうです。今でも海底に眠っていることでしょう。潜って探してみてはいかがですか?

海の道しるべ>樺島灯台

身を投げたわけではなく指輪を捨てただけだったようです。樺島灯台は1971年に無人化され、有人灯台は2006年限りで日本から姿を消しています。樺島灯台が設置されたのは1932年ですが、もともとは野母崎に設置する計画だったらしく、野母崎灯台と呼ばれることもあります。

樺島

樺島はオオウナギ生息地としても有名なようですが、私が気になったのは地下ダムです。地中に擁壁を設置し、地下水を堰き止めてポンプで汲み出す水道用の地下ダムが設けられています。衛星写真を拡大すると浄水場らしき施設を確認することもできます。

日本最初の地下ダムは1934年に春日井市神屋町(かぎやちょう)の内津川(うつつがわ)で伏流水を堰き止めた灌漑用の地下ダムのようですが、水道用としては樺島が初めてということです。

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