面積が全国9位の別海町にアメダス観測所は1つだけ

全国9位の面積なのにアメダス1か所のみ

北海道の別海町(べつかいちょう)の面積は1,319.63km2です。北方領土を除く日本の市町村では9番目に大きい自治体です。平成の大合併以前は足寄町に次いで2位でした。同じ1300km2台の自治体は、釧路市、遠軽町、鶴岡市ですが、釧路は6か所、遠軽と鶴岡は4か所のアメダス観測所があります。別海町は1か所だけです。

アメダス観測地点のうち降水量観測については、おおむね17キロ間隔で設置されています。一辺が36kmの正方形は1296km2です。別海町の面積なら5か所程度の観測地点があっても不思議ではないわけです。

アメダス別海
アメダス別海とその周囲の観測地点(地理院タイルを加工)

実に微妙な形で、隣接観測地点は別海町の外に設置されています。別海町と根室市の市町境は海岸線(風蓮湖)部分がブランクですが、境界未確定部分の境界線は引かないのが地理院地図のスタンスです。ユーザーとしては暫定的でも境界線がほしいところですが、国の機関が市町村同士の揉めごとに巻き込まれたくないという事情は理解できます。

面積の大きい20市町のアメダス観測所

アメダス別海

アメダス別海は別海町役場のある別海地区の住宅地が途切れる付近です。

アメダス別海

アメダス別海の2020年の観測値は次のとおりです。年平均気温の6.3℃は全国922地点のうち低いほうから26位タイです。

年降水量854.0ミリ1214位/1293地点
年平均気温6.3℃893位/922地点
年平均風速2.0m/s495位/921地点
年日照時間1792.1時間389位/841地点
▲2020年のアメダス別海

年平均気温の推移です。2020年の6.3℃はアメダス別海では3位タイの観測値でした。

別海の年平均気温の推移
アメダス別海の平均気温の推移(気象庁

最深積雪は2015年3月4日の111センチです。雪深いという土地柄ではありません。

摩周湖の伏流水がウネウネ

別海町Webサイトには町名の由来について次のように記載されています。

町最大の河川である西別川の河口が大きく曲がっていることから、アイヌ語の「川の折れ曲がっている」を意味する「ペッ・カイエ」から転化したもの。

別海町>町の概要

人間の手があまり加わっていない川なら蛇行して当たり前だろうという気もしなくはありません。西別川に限ったわけではなく道東の川はウネウネしているものです。

西別川
西別川(地理院タイルを加工)

波線のような曲がり具合を指しているものと私は理解していますが、町のWebサイトが言いたいのは9mの三角点付近のシケインかその上流のL字型のカーブのようです。西別川の源流は弟子屈町(てしかがちょう)に属する摩周湖の伏流水です。カルデラ湖の摩周湖には注ぎ込む川も流れ出る川もありません。

生乳生産量と乳牛飼育数が日本一

別海町は乳牛飼育数と生乳生産量が日本一です。人口より牛の数が多い代表的な自治体です。

別海町の牛の飼育戸数・頭数
別海町>牛の飼養戸数・頭数

722戸で116,077頭なら1戸当たり160頭ですから、結構な大規模経営です。なお、十勝の士幌町は人口約6000人に対して肉牛中心に約7万頭です。別海町の人口は1万5000人弱ですので、人口比率の飼育頭数では士幌町に及びません。

2020年12月現在で全国の小学校の総数は19,525校、中学は10,142校(+中等教育学校56校)です。別海町の町立小学校は8校、中学も同数の8校です。別海町では小学校の校区と中学校の校区が完全一致するのかもしれません。小学生の数は900人台ですが、面積の広さからしてこれ以上の統合は難しいのでしょう。

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