全大阪府民の1%感染が目前、第4波宣言解除は6月か?

第3波の宣言解除は早かったのか?

第3波の緊急事態宣言は1/7に首都圏1都3県に発出され、1/13には11都府県に拡大されました。栃木以外は3/7まで延長されましたが、首都圏を除く6府県は2/28で先行解除されています。首都圏は再延長され、3/21に解除されました。

前倒しの宣言解除が大阪・兵庫の第4波をもたらしたかのような言説も見受けられますが、先行解除はいたって妥当なものでした。NHKのコロナ特設サイトから、東京、愛知、大阪、兵庫の人口10万人当たりの新規感染者数と療養(隔離)対象者数を抜き出してみました。

10万人当たり新規感染者と療養継続者

▲1/10の数値がありませんでしたので、1/11を拾っています。

大阪が解除された2/28の数値は1週間の新規感染者が10万人当たり6人です。アクティブの陽性者も10万人当たり12人であり、どちらの指標も第2ステージです。これで解除しないのなら、いつまで待っても解除できません。

1都3県が解除されたのは3/21です。この時点で大阪と兵庫にはすでに危険な兆候が感じられました。Google感染予測が異常値を示したのは3/23です。

Google予測

Google予測は28日間の新規感染者の予測です。右側の数値で示されますので、比較しやすいように1週間10万人当たりに換算した数値を左側に掲げました。3月23日公開のGoogle予測は大阪で3/22から4/18の間に2.5万人の新規感染者が出るという予測でした(実際にはこの期間の感染者は1.9万人近くでした)。

タイミングと変異株の不幸

3/21に首都圏の緊急事態宣言は解除されました。3/18の会見で総理は次のように述べています。

感染拡大を二度と起こしてはいけない、その決意を今回の宣言解除に当たり、改めて私自身、自らにも言い聞かせております。お一人お一人が意識を持って行動していただく中で検査を拡大し、意識を持って行動していただく中で早期にリバウンドの端緒をつかみ、ワクチンの接種により発症と重症化を抑えながら医療体制を強化していく、命と健康を守っていく、そうした対策を徹底してまいります。

首相官邸>新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見(3/18)

Google予測が明らかな異常値を示した3/23に「端緒をつかむ」ことができたら、こうはならなかっただろうと思われます。3/28には大阪の療養者数はもう第4ステージに入っています。本来、第4ステージなら緊急事態宣言です。大阪、兵庫、宮城にマンボウが適用されたのは4/5です。

マンボウが適用されたときには大阪では第4ステージの基準となる25人をはるかに超えていました。結局、マンボウは変異ウイルスに勝てませんでした。新規感染者の増加は抑制されたものの、減少に転じるほどの効果をもたらすことはなかったのです。

従来株の感染スピードなら、政府の対応もそれほど遅くはなかったのです。マンボウ→緊急事態宣言という手順を踏んだために、大阪・兵庫への緊急事態宣言は4/25まで待たなければなりませんでした。その効果のほどが見えてくるのは今日(5/4)以降です。

大阪の市町村別感染率(人口1万人当たり)

市町村別の人口1万人当たりの感染者数を算出してみました。感染者数は5/3市町村別の人口は4月の数値です。前回の集約は11月前半でしたが、今でも近鉄沿線が多いようです。

市町村感染者人口感染率前回
大阪市36,5892,733,988133.827.1
堺市5,916833,55971.02.1
岸和田市1,332193,61568.82.6
豊中市3,037408,51874.32.9
池田市776103,60074.93.9
吹田市2,553373,97868.33.5
泉大津市56074,42175.23.2
高槻市2,063351,01958.81.4
貝塚市52485,90061.01.5
守口市1,436143,78599.92.3
枚方市2,760400,03869.02.1
茨木市1,891282,70566.91.7
八尾市2,433265,90891.53.8
泉佐野市548100,28754.61.4
富田林市791110,69871.50.6
寝屋川市1,960231,18984.81.7
河内長野市532104,03151.11.1
松原市1,103119,22592.57.5
大東市1,196120,13899.66.3
和泉市1,292185,79069.52.7
箕面市876138,37363.33.2
柏原市51268,64474.63.2
羽曳野市713110,74264.42.0
門真市1,140121,32194.03.2
摂津市61886,58471.42.6
高石市50457,61787.52.7
藤井寺市42764,38466.33.2
東大阪市5,352487,772109.73.6
泉南市37361,45760.70.5
四條畷市42055,63775.52.3
交野市49077,58863.21.6
大阪狭山市41258,69170.21.6
阪南市30353,60056.51.1
島本町13531,77442.50.0
豊能町9319,22748.42.0
能勢町519,81452.03.9
忠岡町10617,06662.10.0
熊取町23443,58953.72.3
田尻町498,47957.82.4
岬町5615,50636.10.6
太子町5913,27644.41.5
河南町7715,48449.70.6
千早赤阪村165,14031.10.0
府外1,888
調査中155
84,3518,844,15795.4
▲市町村別の人口1万人当たり感染者数

最新の数値(5/4)では大阪府の累積感染者は85,235人です。1万人当たり96.4人ですので、あと3日ほどで全大阪府民の1%が感染することになります。

大阪はいつ解除できるのか?

今日の焦点は大阪がいつ解除できるのか、です。第3波で東京が解除された3/21時点で、新規陽性者数は第2ステージ相当、療養者(アクティブの陽性者)数は第3ステージ相当でした。1万人当たりの療養者数は、1/24の131人が2週後に52人に減少しています。

224人から週40人ずつ減っていったとしても、第3ステージに入るのは5週間後です。月内解除は厳しいのではないかというのが私の見立てです。5/31の月曜日から下りマンボウに移れればラッキーなのかもしれません。

実際には、大阪はピークアウトしそうでなかなか下降線に入りません。最新のGoogle予測では向こう28日間の大阪の感染者数は3万人台です。6月末までかかるかもしれません。救いがあるとすれば、フィリピンや韓国が減少傾向に入っていることです。

第3ステージでマンボウ、第4ステージで緊急事態宣言と私は理解していますが、5/3現在で直近1週間の新規感染者数は第3ステージ以上が26都道府県あります。

人口10万人当たりの新規陽性者数(5/3)
▲人口10万人当たりの新規陽性者数(NHK 5/3)

時短では変異ウイルスに対抗できないのはもうわかっていることだと思われますが、福岡はマンボウを求めるようです。大阪・兵庫と同じように、政府は今度も手順を踏ませるのでしょうか。今の第4波は新・新型コロナの第1波として考えたほうがいいのかもしれません。

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