無観客に流れを変えたのは宮内庁長官の会見?

韓国でも増加中

2019年以降の訪日外国人数は次のように推移しています(2021年は5月末の速報値)。今年は1月から5月で総計8.7万人ですが、五輪期間にはこれに匹敵する外国人を迎えることになるわけです。

感染率2019年 2020年 2021年
0.7中国9,594,3941,069,25621,000
31.1韓国5,584,597487,9397,500
6.3台湾4,890,602694,4762,300
16.1香港2,290,792346,020390
1024.4アメリカ1,723,861219,3073,700
39.8タイ1,318,977219,8301,400
12.2オーストラリア621,771143,508380
132.3フィリピン613,114109,1102,300
239.7マレーシア501,59276,573600
1.9ベトナム495,051152,55921,200
訪日外客数(日本政府観光局)

「感染率」は人口1万人当たりの新型コロナ累積感染者数です(7/3時点、日本は63.7人)。感染率と入国者数を掛け算すれば、(第3波までの)日本の新規感染者数のグラフがアメリカのそれをなぞったのは当然のことです。アメリカはすでにワクチンのカードを切って「安全な国」になりました。アメリカの第4波は低い山で終わりました。

今年の入国者数が3番目に多いのは韓国です。1位のベトナムと2位の中国は感染を抑制している国ですが、韓国はそこまでではありません。その韓国で新型コロナ新規感染者数に増加傾向が見え始めました。

韓国の新規感染者数の推移
韓国の新規感染者数(Johns Hopkins大 7/3)

第1波は韓国先行、第2波と第3波は日本先行ですが、日韓のグラフはほぼ同じ傾向を示してきました。韓国の第4波は措置が早かったため山は低かったものの、減らすには至らないまま第5波に突入することになりそうです。韓国で増えれば日本でも増えるはずです。もはや日本の第5波も避けられそうにありません。

Google予測

Googleの感染予測はかなり控えめな数値が続いていましたが、7月に入って顕著な変化が見えます。今日(7/3)公開された28日間の予測値を週・人口10万人当たりに換算した数値は次のとおりです。

公開日6/29 7/1 7/2 7/3 
予測期間627-724629-726630-727701-728
北海道3.13.93.64.8
埼玉4.18.59.29.2
千葉7.313.112.414.7
東京15.022.528.244.1
神奈川8.011.813.713.5
愛知3.12.63.75.0
大阪10.914.216.421.0
兵庫3.51.63.54.5
奈良5.17.79.76.3
福岡2.01.52.73.6
沖縄7.510.116.58.7
全国4.76.88.310.0
Google予測値の推移(7/3)

1都3県ばかりが取り沙汰されていますが、大阪の延長も必須と思われます。愛知と福岡も継続したほうがいいかもしれません(増えないなら早めに解除すればいいだけです)。今後の再発動は効果があまり期待できません。

大阪のGoogle予測値、7/3
Google感染予測(大阪 7/3)

東京の入院患者数

全国の重傷者数は減少傾向が続いていますが、東京に関してはすでに反転しています。重傷者よりむしろ中等者ベッドのほうが先に問題になるかもしれません。第4波後の入院患者数の底は6月20日でした。

東京の入院患者数の推移
都内の最新感染動向>入院患者数

東京では入院患者数のこれまでの最多は1月12日の3,427人です。確保病床数は5,594床とされています。この確保病床数というのが曲者であることは経験上わかっていることですが…。

オリンピックについては6月24日の宮内庁長官の会見以降、明らかに風向きが変わっています。21日に5者協議があり、翌22日には菅総理から天皇陛下への内奏がおこなわれています。もちろんその内容が明らかにされることはありませんが、タイミング的には内奏に対しての懸念を長官が代弁したと読み解くこともできそうです。つまり、政治介入という見方もできなくはありません。

いずれにしても、これで「無観客」のはずのスタンドに「貴族」が陣取る異様な光景が世界に生中継されることになりそうです。だとすれば、正体が見える歴史的なオリンピックになるわけです。

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