3月の東京はインフルエンザによる死亡者が多かった

大阪モデル

3期目の女性知事ではなく露出度の高い吉村知事が示した3つの数値目標のうち、ひょっとすると危険かもしれないのは「重症者向けの病床の使用率」です。分母となる病床は固定された数値ではなく、増やせないわけではありません(増やした数字です)。

イタリアやスペインより人口に対する医師数が少ない日本ですが、国内では西日本が総じて多くなっています。この数値は短期間にそう簡単に増やせません。ちなみに、大阪府は人口3位ですが、65歳以上の人口では全国2位です。

都道府県別人口10万人当たりの医師数
厚労省「H30統計の概要」医師(PDFの11ページ)

また、人がいても防護具がなければ話にならないわけですが、すでに大阪は30万着の雨合羽を集めていたのでした。これが「先手」であり、口には出さない「躊躇なく」です。ということは、重傷者向け病床数も数だけではないのでしょう。

東京のインフルエンザ死亡者が5週連続で閾値オーバー

東京のインフルエンザによる死亡者が閾値を超えており、「隠れコロナ」ではないかとの疑惑?が報じられたのは4月半ばでした。当時は第9週(2/24-3/1)で「実際の死亡数」のグラフが途切れていましたが、今確認してみたら第14週(3/30-4/5)まで追加されていました。

インフルエンザ死亡者数
感染研「インフルエンザ関連死迅速把握システム」

強引であることは承知のうえで、グラフから数値を読み取ってみました。

第09週(2/24-3/01)閾値93、実数117
第10週(3/02-3/08)閾値92、実数119
第11週(3/09-3/15)閾値86、実数115
第12週(3/16-3/22)閾値88、実数113
第13週(3/23-3/29)閾値79、実数102
第14週(3/30-4/03)閾値70、実数38

多少の誤差はあるでしょうが、第9週から第13週まで毎週20人から30人の閾値を超えた死亡者が発生しています。5週間で130人近くです。3月29日時点の東京の新型コロナによる死亡者は日テレのWebサイトによれば8名です。4月末時点では120名です。

取りこぼした結果としてインフルに混ざったケースは絶無ではないはずですが、4月の1か月間の東京における新型コロナ死亡者が約110名なのですから、閾値をオーバーした120数名の大半が「隠れコロナ」ということはないのだろうとも思われます。

ただ、100名の死亡者で致死率2%なら感染者数は5000人です。3月29日時点の東京の感染者数は430人でした。市中感染率をその10倍と考えれば、ちょうど計算が合うということになってしまいます。

専門家会議主要メンバーが理事長の病院

私は今「院内感染MAP」を作成中ですが、医療機関によって広報体制がずいぶん違うのを実感しています。痒いところに手が届くかのように、その都度、詳細な発表している病院もあります。一方で、できればなかったことにしたいのではないかと疑いたくなってしまうケースもあります。

専門家会議の主要メンバーが理事長を務めている都内の医療機関では、トータル30人の感染者が出ているという報道が複数ありますが、当事者のWebサイトでサイト内検索をかけても26人分しか確認できません。

私が見つけられないだけかもしれませんが、すくなくとも逐一公開されているわけではなく、まとめて発表されています。もし私の親族が入院していたら「特定の病棟」という表現はやはり気になります。

院内感染自体は恥ずべきことではありません。初回検査で陰性だったので大部屋に移して結果的に院内感染に至ったケースなど同情の余地が大いにあります。どんな形で公表しているか、その病院を評価するのにもっとも適しているかもしれません。

ロンバルディア州クレモナの病院で

ひるおびで見ました。ロンバルディア州はイタリアの震源地です。病院はあっさり見つかりました。ときおり背景に見える大聖堂まで2キロほどです。まだ新型コロナが存在しなかった2018年6月のストビューです。

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