日本の人口当たりの医師数はイタリアやスペインの3分の2

少し古めのデータですが、人口1000人当たりの医師数は次のとおりだそうです。右からギリシャ、オーストリア、ポルトガル、ノルウェー、スイス、スウェーデン、ドイツ、スペイン、イタリア、アイスランド、チェコ…と並んでいます。日本はスペインやイタリアの3分の2です。

人口1000人当りの医師数
「日医総研ワーキングペーパー」より(17ページ)

病床数は増やせたとしても、治療に応じる医者の数を急に増やすことはできません。院内感染はより深刻な事態をもたらします。この国の医療はそれほど万全というわけではありません。専門家会議の危機感はここに起因するのかもしれません。

厚労省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年4月1日版)」から致死率と感染率を算出しました。8回目になります。今回の規定打席は死亡者20人以上の44か国と死亡者20人未満でも感染者2000人以上の3か国です。4日前の前回は死亡者10人以上(41か国)、死亡者10名未満でも感染者1000人以上(7か国)でした。

感染者死亡者致死率感染率
イタリア105,79212,42811.717.450
サンマリノ2362510.669.412
スペイン94,4178,1898.720.221
オランダ12,5951,0398.27.383
インドネシア1,5281228.00.057
イギリス25,1501,7897.13.746
フランス52,1283,5236.88.021
イラク694466.60.181
イラン44,6052,8986.55.453
アルジェリア716446.10.170
エジプト710415.80.072
ベルギー12,7757055.511.126
モロッコ617335.30.171
全世界849,87641,5064.91.114
ドミニカ共和国1,109514.61.044
フィリピン2,084884.20.195
中国81,5543,3124.10.571
スウェーデン4,4351804.14.447
ルーマニア2,245823.71.151
ブラジル5,7172013.50.273
ギリシャ1,314433.31.249
ペルー1,065302.80.333
アルゼンチン966262.70.218
エクアドル2,240602.71.311
日本2,178572.60.171
デンマーク3,039772.55.283
インド1,397352.50.010
スイス16,1083732.318.893
パナマ1,075242.22.574
ポルトガル7,4431602.17.257
アメリカ186,2653,8572.15.695
メキシコ1,094201.80.087
アイルランド3,235541.76.713
韓国9,8871651.71.932
トルコ11,5351681.51.401
ポーランド2,311311.30.609
マレーシア2,766371.30.877
パキスタン1,938251.30.091
オーストリア9,9741281.311.218
カナダ8,548961.12.306
ドイツ71,6907751.18.624
ルクセンブルク2,178221.036.060
チェコ3,257240.73.054
ロシア2,321170.70.159
ノルウェー4,447280.68.331
オーストラリア4,707200.41.891
イスラエル4,831170.45.764
チリ2,73880.31.462

感染者数では前回4位のスペインと前回3位の中国が入れ替わっています。次の集約時には5位のドイツが中国を抜きそうな勢いです。前回10位の韓国は14位に落ちました。TOP10に入ったのはオランダではなくベルギーでした。トルコが12位に浮上しています。

死亡者数では、前回4位のアメリカが3位に、前回5位のフランスが4位に上がっています。ドミニカ共和国は前回の10人から51人に増えています。日本は57人となっていますが、NHK等の報道とは10人もの差が生じています。

感染者数を死亡者数で割った致死率では、イタリア、スペイン、オランダ、イギリス、フランス、ベルギーの欧州勢の数値が相変わらず伸びています。スウェーデンも4%台、ドイツもとうとう1%台に突入しました。インドネシアは8%前後をキープしており、規定打席未満のバングラデシュは9.8%です。

致死率の低い国では、ロシア0.7%、ノルウェー0.6%、オーストラリア0.4%が目立ちます。規定打席未満ではフィンランドが0.9%、香港が0.6%、タイ0.5%、シンガポール0.3%、アイスランドとニュージーランドは0.2%です。

人口1万人当たりの感染率ではサンマリノが69人で首位を堅持していますが、まだ人口の1%に達していません。規定打席未満のアンドラは48人、アイスランドは33人です。アイスランドは感染率は高く致死率が低い特異な国です。

さて、防疫物資を積み込んだ50両編成の国際貨物列車「中欧班列」が中国・武漢を出発したという報道があります。3月28日に出発したこの貨物列車は、12日後にドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州の州都デュースブルクに到着するようです。

ドイツ

ドイツは感染者5位、死亡者9位、致死率は1.1%、感染率は1万人当たり8人台です。16州のうち1万人当たりの感染者が10人台に達しているのは、ハンブルク(州都ハンブルク)、バイエルン(州都ミュンヘン)、バーデンヴュルテンベルク(州都シュトゥットガルト)の3州ということです。

あいにくドイツ語にもイタリア語にも縁がありませんのでグーグル翻訳頼りになりますが、ドイツはイタリアの患者も受け入れているようです。


【2020/04/06追記】

日本のICUベッド数はイタリアの半分だと指摘されています。日本集中治療医学会が4月1日付で出した理事長声明です。

ICUのベッド数は、ドイツでは人口10万人あたり29~30床であるのに対し、イタリアは12床程度です。ドイツでは新型コロナウイルス感染症による死亡者のほとんどはICUで亡くなるのに対し、イタリアでは集中治療を受けることなく多くの人々が亡くなっているのが現状です。イタリアは高齢者が多いことも死亡者が多いことの原因と考えられますが、日本ではイタリアよりも高齢化が進んでいるにもかかわらず、人口10万人あたりのICUのベッド数は5床程度です。これはイタリアの半分以下であり、死者数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れることが予想されます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する理事長声明

【2020/05/07追記】

厚労省の統計に人口当たりの医師数が都道府県別で出ていました。総じて東日本は西日本より少なく、とりわけ埼玉、千葉、神奈川が少なくなっています。

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