この数日さっぱり聞かなくなったのが「ぎりぎり持ちこたえている」です。持ちこたえているうちに手を打てばいいものを、2週間も様子を見るという無策ぶりは滑稽でしかありません。そっちに期待できないなら、こっちはどうかというのが私の本来のテーマです。
那覇地方気象台の4月上旬の平均気温は平年値(1981~2010年の平均値)で20.5℃です。東京は6月上旬に20.7℃、大阪は5月下旬に20.9℃、福岡も5月下旬に20.5℃に達します。新型コロナが気温の影響を受けるのかどうか、本土より約2か月先行する沖縄の動向は注視する価値があります。
沖縄の感染者数は確認ベースで次のとおりです。「新型コロナウイルスに関する日報(4月15日)」から推定感染経路別にグラフ化しました。米軍症例は含んでいません。
沖縄では2月14日と19日にタクシー運転手の陽性が判明しています。ダイヤモンド・プリンセス号が那覇港に寄港した際、乗客を乗せた2人の運転手です。2月20日には、豊見城市の80代男性が県内3人目の感染者となりましたが、感染経路不明のまま3月6日に退院しています。
丸1か月の空白を経て、3月21日にスペインから帰国した10代女性が空港検疫の結果を待たずに沖縄に帰っています。この女性に関しては沖縄の感染者数にはカウントされていません。3月下旬にはヨーロッパを中心に「鎖国」が始まり、海外渡航者が続々帰国してきました。
ウイルスが風に乗って飛んでくるわけではない以上、人が運んでいることは間違いありません。だからこそ、3月30日(月)から4月3日(金)の週に緊急事態宣言発令の「デマ」情報が出回ったのです。
3月下旬に陽性が判明した沖縄4例目から11例目までの8名の推定感染経路は、海外が2人、県外が4人、県外患者の接触者が2人という内訳です。4月に入ってから県外渡航歴のない感染者が出現しています。
もともとの初期状態では沖縄の対策病床数は24床でした。沖縄では4月7日にこの数値をオーバーしたことになるはずです。今は一般病床を転用してしのいでいるのでしょうが、沖縄でも軽症者・無症状者用の宿泊所借り上げが急務です。沖縄がこの事態を収束できるかどうかで、2か月後の本土がある程度は想像できるわけです。
大阪、福岡、福井、石川と異なり、沖縄では市町村ごとの感染者数が公表されていません。「南部保健所管内」とか「中部保健所管内」という形で発表されているケースがあります。沖縄県には6つの保健所があり、沖縄本島は那覇市、北部、中部、南部の4か所、離島は石垣島の八重山保健所と宮古島の宮古保健所です。
ここがややこしいところですが、設置者は那覇が市、ほかの5つは県です。居住地の保健所管轄別感染者数は、那覇市38、南部19、中部22、北部1、八重山2、宮古0に東京4です。病床数3床の石垣島でも2人の感染者が出ています。
那覇市の保健所は那覇市全域を管轄しています。南風原町(はえばるちょう)にある南部保健所の管轄は浦添市と西原町(にしはらちょう)以南、沖縄市にある中部保健所は宜野湾市、中城村(なかぐすくそん)以北が管轄です(地図内の話)。
どうやら、この保健所が今後のキーワードの1つになりそうですので、誰かがやりそうな院内感染MAPではなく、保健所MAPを作成したいと考えています。2019年度で472か所ということですから、数的にはちょうどいい按配です。
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