セルビア市民がロシアを支持するのは

コソボ紛争

セルビアの首都・ベオグラードでロシアのウクライナ侵攻を支持する数千人規模のデモが3月4日に行われたという報道がありました。コソボ紛争でNATO軍がセルビアを空爆したのは1999年です。

セルビアとコソボ

セルビアはNATOの加盟国ではありません。コソボ紛争はセルビアとコソボのいわば内戦であって、コソボが独立しようが自治州に収まろうが、NATO加盟国に直接の脅威をもたらすものとは言えません。にもかかわらずNATO軍はセルビアを空爆し、米軍機は駐セルビア中国大使館を「誤爆」しました。

「誤爆」の指示を出したCIA高官は10年後、公園を散歩中に何者かに殺害されるという事件も起きています。NATOがウクライナ上空を飛行禁止区域とすることに踏み切れないのは、コソボのトラウマもあるのだろうと思われます。

というわけで、23年前を経験しているセルビア市民が一部であってもロシア支持に走るのは当然といえば当然のことです。ただ、国連総会の非難決議に際してはセルビアは賛成票を投じています。

非難決議反対の5か国と棄権の35か国

ロシア軍の即時、完全、無条件撤退を求める国連総会緊急特別会合の決議に反対したのは次の5か国です。

ロシア ベラルーシ 北朝鮮シリアエリトリア
▲反対の5か国

シリアは対イスラエルの関係でロシア派です。韓国との国交はありません。エリトリアは紅海沿岸(アフリカ側)の共産主義国家です。

決議を棄権した35か国は次のとおりです。水色のはコソボの独立を承認している国、オレンジのは旧ソ連の15か国です。

アルジェリアアンゴラブルンジ 中央アフリカ
コンゴ共和国赤道ギニアマダガスカル マリ
モザンビークナミビアセネガル 南アフリカ
南スーダンウガンダタンザニア ジンバブエ
イランイラクアルメニア カザフスタン
キルギス タジキスタン バングラデシュ 中国
インドラオスモンゴルパキスタン
スリランカスーダンベトナムボリビア
キューバエルサルバドル ニカラグア
▲棄権した35か国

私はこれを見てトルクメニスタンやウズベキスタンは賛成したのかと思ってしまったわけですが、賛成141と反対5と棄権35を足しても181か国にしかなりません。

賛否を明らかにしなかった国

実はこれ以外に「賛否を明らかにしなかった国」が11か国あるようです。総会に出席したかどうかで「棄権」とは区別されているのかもしれません。北朝鮮とともにコロナ感染者0人のトルクメニスタンはこの組でした。

ブルキナファソエスワティニ エチオピアギニア
ギニア・ビサウ モロッコトーゴ アゼルバイジャン
トルクメニスタン ウズベキスタン ベネズエラ
▲欠席の11か国

結局、旧ソ連15か国のうち賛成したのは6か国ということになります。

エストニア ラトビア リトアニア
ジョージア モルドバ ウクライナ
▲旧ソ連のうち賛成した6か国

ロシア語名のグルジアを英語名に表記変更しているジョージアは、ロシアと直接国境を接していますが反ロ感情が強いのでしょう。

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