破壊されたカホフカダム
ロシア側もウクライナ側も、互いに相手がカホフカダムを破壊したと主張しています。
ロシア側の占領地域ですから、ロシア側は単に爆薬を仕掛けるだけで済みます。一方、ウクライナが破壊したのだとすれば、ミサイルか水中ドローンかという話になります。ダムを破壊するほどの水中ドローンをウクライナが持っているとは思えません。ミサイルならロシア側が映像を公開するはずです。
洪水が起きているのは主としてドニエプル川の右岸(北岸)でありウクライナ側のようです。洪水で川幅が広がるのは現状の固定化ですから、この点ではロシア側の思惑には一致します。ウクライナがダムを破壊することに何のメリットもありません。
故意の爆破か事故かは別にして、ロシア側によって破壊されたと考えるほうが自然です。この水力発電所施設の道路は去年の秋にロシア側が左岸に撤退するときに破壊されています。
クリミア運河
サポリージャ原発に冷却水を送っていると言われていますが、結構な距離があることからすぐに深刻な影響はないものと思われます。
カホフカダムの貯水地から灌漑用水を供給しているのがクリミア運河です。
2014年にロシアがクリミア半島を併合してから、ウクライナはクリミア運河への水供給をストップしており、今回の侵攻の目的はダムの確保だという見立てもありました。
ダムの破壊で水位が下がれば運河への供給も厳しくなるわけですので、ロシア側にとっても好ましい事態ではないはずです。そこで、ロシア側が故意に破壊したのではなく、アクシデントが起きたのではないかという見方があるわけです。
破壊と荒廃だけが進行していくものかもしれません。
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