戦争である以上、虐殺も医療機関への攻撃も当たり前

戦争では日常

「人が歴史から学んだ唯一のことは、人は歴史から何も学ばないということだ」とはドイツの哲学者・ヘーゲルの言葉です。

去年の5月、赤十字国際委員会は次のようなプレスリリースを出しています。国連安保理の決議後も医療機関への攻撃が絶えないという声明です。

ジュネーブ(ICRC)―ちょうど5年前の2016年5月3日、紛争地における医療への攻撃が戦争犯罪であることを強調し、そのような看過できない攻撃に歯止めをかけるべく、国連安全保障理事会が決議第2286号を採択しました。しかしこの5年間、紛争など非常事態にある国々における医療への攻撃は数千件にのぼり、医療スタッフや患者がいまだ多大な犠牲を強いられている事実が、私たち赤十字国際委員会(ICRC)がまとめたデータで浮き彫りになりました。

赤十字国際委員会>5年経っても一向にやまない医療への攻撃(2021.05.03)

同日、国境なき医師団もほぼ同主旨の声明を掲げました。

国連安保理決議2286号は、当時、シリアやイエメンなどの紛争地で、病院が日常的に爆撃される事態を受けて策定された。2015年10月3日には、国境なき医師団(MSF)がアフガニスタンのクンドゥズで運営する病院が米軍による空爆を受け、幼い子どもを含む患者やスタッフ42人が犠牲になった。尊い人命が奪われるとともに、病院の破壊によって地域住民は医療へのアクセスが絶たれたのだ。

国境なき医師団>国連安保理決議2286号の採択から5年──止まない医療への攻撃(2021年05月03日)

病院や学校や民間人は攻撃対象にしない、そんな戦争などあるわけがないというのが私の理解です。それが守られるのなら、サッカーやアイスホッケーで戦えばいいだけのことです。守るつもりがないからこそ。武力に訴えるわけです。

米軍によるアフガン病院の空爆

クンドゥーズ

クンドゥーズ病院の爆撃事件は2015年10月3日に起きています。

アメリカ軍は当初、攻撃は地上のアメリカ軍部隊を防御するために行われたと述べていたが、後に、アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官のジョン・F・キャンベル大将は、ターリバーンの銃火にさらされたアフガニスタン軍の要請によって行われたと述べた。

キャンベルは、攻撃は「誤り」であり、「保護された医療施設を意図的に狙うことは決してしない」と述べた。しかし国境なき医師団側はアメリカ側の事実認定について疑問を呈しており、国境なき医師団ベルギーのクリストファー・ストークス事務局長は、この攻撃が「殺害と破壊」という目的を持って行われたものであったと主張している。

Wikipedia>クンドゥーズ病院爆撃事件

10月7日、当時のオバマ大統領が謝罪し「捜査」が始まりましたが、その「捜査」は次のような結末を迎えました。

10月14日、アメリカ・NATO・アフガニスタンの捜査チーム軍が事件現場に予告なく現われ、戦車で突入し、建物を破壊した。国境なき医師団は、これを戦争犯罪の潜在的な証拠を破壊するためだと非難した。

Wikipedia>クンドゥーズ病院爆撃事件

正義は常に星条旗とともにあるわけでもありません。

火葬車

さすがにアフガンでは火葬車は登場しなかったはずですが、あの移動式火葬施設はもともとはロシア軍兵士のためのものだったはずです。

報道によると、ミコライウのビタリ・キム州知事は最近住民たちに「ロシア軍の死体を回収して袋に入れてほしい」と要請した。死体を冷蔵庫に安置した後、ロシアに送りかえしてDNA検査で身元確認ができるようにしようという趣旨だという。

キム氏はCNNにロシア軍人の死体写真を見せながら「ロシア軍は後退して黒く焼けた仲間の死体を戦場に残して離れた。地域の至るところに死体数百具がある」と伝えた。

ウクライナ政府はロシア軍が戦死者数を隠す目的で戦場に移動式火葬場を送って死体を燃やしているとも主張している。

中央日報>謎の「V」マーク…夜な夜なベラルーシを走る「幽霊バス」、背筋が凍る秘密(2022.03.25 08:48)

ブチャの惨状は戦場なら当たり前のことで、そうなっていることがわかっているからこそゼレンスキー大統領は西側報道陣を引き連れて「公開」しただけです。その意味では「演出」だというロシア側の指摘はあながち間違いでもありません。

ミコライウ州知事はキム知事だそうです。名前からするとルーツは朝鮮半島なのかもしれません。ウクライナの韓国料理店を探していたら、ドニプロにこんな店がありました。2015年7月撮影のストビューです。

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