アメダス浜田を探せ
Google Mapで「アメダス浜田」、「浜田測候所」、「浜田特別地域気象観測所」を検索しても、まったくヒットしません。最近ではなかなか珍しいケースです。航空写真で適当にあたりをつけてそれらしいところを探すのも私は嫌いではありませんが、今日は少し時間がありません。
原点に帰って緯度経度換算用のExcelシートを開きました。「北緯34度40.6分 東経131度50.6分」をGoogle Mapで検索するには「34.89666667 132.07」に換算する必要があります。いつものパターンなら、観測所はピンが刺さった地点から北東に向かって百数十メートル付近にあるはずです。
ちょうど合同庁舎の南側に緑地帯があります。ストビュ―で覗いてみると、怪しい匂いが漂います。観測露場だと思った緑地帯には観測機器らしきものが見当たりません。
風速計は15mとされていますが、合同庁舎は6階建てです。緑地には15mサイズの柱がありません。屋上設置だとすれば地上からの高さは15mを超えるはずです。
合同庁舎前の国道9号線に設けられた歩道橋の支柱には「海抜1.5m」の表示があります。アメダス浜田の標高は19mとされています。これは決定的です。合同庁舎の南側の緑地帯はアメダス浜田ではありませんでした。話は「振り出しに戻る」ことになります。
ウィンドプロファイラ
範囲は絞られていますので、慌てふためくことでもありません。標高19mに高さ15mの風速計があればいいわけです。最初の画像「132」の文字の下に鉄塔が見えます。標高的にはいい感じです。ただ、高台の鉄塔はストビューで確認できません。鉄塔から400m離れた亀山橋からのストビューです。
先日も見たばかりの寿都の測風塔と形状的には似ています。これは携帯基地局の電波塔ではありません。アメダス浜田は大元神社北側の山に設置されているものと思われます。Google Mapを拡大すると、「浜田ウィンドプロファイラ観測局」が表示されます。
Google Mapでは微妙に位置ズレが生じていますが、水色矢印の先の白い球体が並んでいるところが「ウインドプロファイラ」の観測施設と思われます。高度300mごとに上空の風向風速を測定する装置だそうです。全国33か所、中四国では浜田のほかに鳥取、高松、高知、清水に設置されているようです。
下の区画内の中央は太陽光パネルでしょう。その右にあるのが雨量計ではなかろうかと思われます。浜田測候所が無人化されたのは2007年です。露場がここで事務所は合同庁舎だったのかもしれません。
【2024/07/04追記】気象庁的には「ウィンドプロファイラ」ですが、Wikiは「ウインドプロファイラ」です。このサイトでは「ウィンドプロファイラ」で統一します。
1月の日平均気温平年値
日本海側のアメダス須佐、益田、浜田、大田(おおだ)、出雲と愛媛・松山の6地点について、1月の日平均気温の平年値を比較してみました。
須佐と大田と出雲はほぼ同じですが、この3地点より益田は0.5℃ほど高く、浜田はさらに0.5℃ほど高くなっています。浜田の日平均気温は1月中旬に松山と並びますが、それまでは日本海側の浜田のほうが瀬戸内海の松山より暖かいわけです。
影響を与えるほどの標高差はありません。どうして浜田だけが暖かいのかわかりません。
2020年は氷点下なし
浜田の2020年観測値は次のとおりです。年最低気温が0.0℃でした。この年の最低気温が同じ0.0℃だったのは横浜、下関、八幡(北九州)で、マイナス0.1℃組は羽田、大阪、枕崎です。日本海側にしては日照も確保されています。
年降水量 | 1867.5ミリ | 615位 | /1293地点 |
年平均気温 | 16.3℃ | 227位 | /922地点 |
年最高気温 | 37.3℃ | 215位 | /922地点 |
年最低気温 | 0.0℃ | 73位 | /922地点 |
年較差 | 37.3℃ | 798位 | /922地点 |
年平均風速 | 3.6m/s | 123位 | /921地点 |
年日照時間 | 1871.2時間 | 322位 | /841地点 |
2021年の最低気温はさすがにマイナス4℃台でしたが、年最高気温は35℃に達していません。
年降水量 | 1914.0ミリ | 593位 | /1293地点 |
年平均気温 | 16.4℃ | 220位 | /921地点 |
年最高気温 | 34.2℃ | 636位 | /921地点 |
年最低気温 | -4.1℃ | 203位 | /921地点 |
年較差 | 38.3℃ | 786位 | /921地点 |
年平均風速 | 3.7m/s | 119位 | /920地点 |
あまり寒くもなく、あまり暑くもならないようですが、観測地点の風は強めです。
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