「統一教会信者は神社の鳥居をくぐれない」はガセ

2013年の茂原女子高生行方不明事件

2013年7月11日午後3時過ぎ、JR外房線本納駅(ほんのう-えき)で下車した高校3年生が行方不明になり、9月26日に近所の日枝神社で発見されたという事件がありました。発見された神社は駅から直線距離で1キロほどです。

茂原市本納の日枝神社
茂原の日枝神社(地理院タイルを加工)

45キロだった体重は31キロにやせ細っていたそうです。行方不明になった女子高生はいわゆる「祝福2世」だとされています。父親が日本人で母親は韓国人、母親が熱心な信者だったとか、子連れ再婚との報道もあります。「6500双」なら合同結婚式は1988年ですので連れ子にはなりません。

発見現場となった日枝神社は公園の奥にある小さな神社です。地理院地図には鳥居マークがありません。社の内部は3畳ほどで、発見時は体育座りしていたということです。公園に水道はあるそうですので、人目を忍んで水分補給はしていたのでしょう。

(双子の?)兄は就職で悩んでいたと語っていたそうですが、家出の理由としては一般的には考えにくい話です。警察が公開捜査に踏み切ったのは8月7日です。行方不明になったときは高校で収穫したトマトを持っていたということです。

78日間の気温と降水量

帰宅途中に行方不明になった7月11日から発見の9月26日までのアメダス茂原の気温と降水量を調べてみました。

気象庁>茂原 2013年7月(日ごとの値)主な要素

最高気温は39.9℃です。台風13号が温帯低気圧に変わった9月4日には49ミリの雨が降っています。日中は裏山で過ごし、夜や雨の日は社の中だったのでしょう。茂原ならイノシシはいても、熊や鹿はいないはずです。

制服は泥だらけだったということですから、社と裏山を往復していたものと思われます。期間中の最低気温は14.4℃ですので、上着が欲しい気温です。夏服で過ごすにはもうギリギリのラインです。決断が必要なタイミングで保護されたわけです。

裏山にはミカンの皮が捨てられていたという話もありますが、7~9月は普通のミカンも夏ミカンも収穫の時期ではありません。食用には適さないものだったはずです。所持金は残っていたということですので、45キロ→31キロなら食べ物はほとんど摂っていなかったものと思われます。

誰とも会いたくない心境だった、少なくとも当時の彼女にとって家が帰るべきところではなかった、ということだけは言えそうです。

「統一教会信者は神道を毛嫌いしている」説

彼女が神社で発見されたことから、統一教会信者は鳥居をくぐれないという話がまことしやかに語られています。親が探しに来るはずがない神社を選んで隠れていたのだという理屈のようですが、そんなことはありません。

【外部リンク】
■日刊サイゾー>統一教会系団体が靖国神社で慰霊祭 2013/04/01
■松山家庭教会>日招八幡神社の清掃ボランティア 2022.07.24

銃撃事件後の昨年7月24日、松山家庭教会では近所の神社の清掃ボランティアに励んでいます。清掃ボランティアの対象になるのは、公園や河川、海岸、歩道とともに神社仏閣です。新潟の「郷土を元気にする会」でも地元の宮司を招いて講演会を開いています。

文鮮明氏ら歴代の韓国人幹部は普通に日光東照宮などを訪れています。案内役の日本人信者とともにわざわざ鳥居の脇から入ったとは思えません。少なくとも旧・統一教会(統一協会)が神社本庁を忌避しているということはありません。

統一教会と神社界との関係について述べておく。愛知県神社庁に統一教会の信者が出入りしているのを発見したのは、随分以前だ。事務局に注意を促し、しばらくすると姿が見えなくなった。当時、日本を守る国民会議の愛知県支部事務局が神社庁に置かれていた関係ではなかったか。神社界はこれを統一教会とは知らず、まして宗教関係とは知らず、ただただ勝共連合という反共組織として提携していた。

清洲山王宮日吉神社>宮司のブログ 統一教会について 2022年8月15日

「◯◯教信者は神社の鳥居をくぐれない」は、どの宗派にもそう思い込んでいる末端信者がいるというだけのことだと思われます。

Google Mapで旧・統一教会(統一協会)の施設に星5つをつけている信者と見られる「ローカルガイド」さんは、観光地化されていない神社にも結構な割合で出かけています。それに、明治神宮や北海道神宮が日本の聖地だったりします。

【2023/09/15追記】30年以上前の話と思われますが、創価学会信者は神社の鳥居をくぐれないという話があったようです。全国規模だったのかどうかはわかりかねます。

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