驚愕、3月の平均気温は「歴史的暖春」以上か?

見てはいけないもの?

3月9日時点で東京の月平均気温は11.8℃でした。これは立派に異常値レベルです。東京の半旬ごとの平年値(1991-2020)は次のとおりです。

3月第1半旬1~5日7.7℃
3月第2半旬6~10日8.2℃
3月第3半旬11~15日9.0℃
3月第4半旬16~20日9.7℃
3月第5半旬21~25日10.3℃
3月第6半旬26~31日11.1℃
4月第1半旬1~5日12.0℃
▲気象庁>東京 平年値(半旬ごとの値)

平年より1か月近く早い展開です。2年前の2021年3月は、全47都道府県の県庁所在地観測所(さいたまと大津はアメダス、千葉と山口は旧・測候所)で3月の月平均気温1位を更新しました。

今年の3月は実感的にも2021年の「歴史的暖春」を上回りそうな気配があります。そんなわけで、56気象台のうち稚内、旭川、網走、釧路、室蘭、函館、南大東、宮古島、石垣島を除いた47気象台(つまり1県1代表)について、3月18日時点の月平均気温をおそるおそるチェックしてみました。

北陸3県は史上初の10℃台にリーチ

観測所18日まで21年3月
札幌3.33.83位相当
青森4.85.43位相当
秋田6.66.51位相当
盛岡5.55.72位相当
仙台8.48.62位相当
山形6.26.52位相当
福島8.49.12位相当
水戸10.110.72位相当
宇都宮10.310.62位相当
前橋11.310.81位相当
熊谷11.511.62位相当
東京12.512.82位相当
銚子12.813.22位相当
横浜12.713.22位相当
長野7.17.42位相当
甲府11.111.53位相当
静岡13.013.62位相当
名古屋11.912.02位相当
岐阜11.711.82位相当
11.011.52位相当
新潟8.28.52位相当
富山9.89.61位相当
金沢9.89.71位相当
福井9.99.81位相当
彦根9.49.82位相当
京都11.511.62位相当
大阪12.312.21位相当
神戸12.212.32位相当
奈良10.811.02位相当
和歌山12.112.42位相当
岡山10.811.32位相当
広島11.612.12位相当
松江10.110.42位相当
鳥取10.310.42位相当
徳島11.712.22位相当
高松11.212.13位相当
松山12.212.72位相当
高知12.713.94位相当
下関11.912.62位相当
福岡12.713.52位相当
大分11.412.66位相当
長崎12.713.93位相当
佐賀12.213.43位相当
熊本12.413.93位相当
宮崎13.114.712位相当
鹿児島13.915.610位相当
那覇19.120.8
▲47気象台の18日までの月平均気温

今年の3月は、九州南部と沖縄を除いて2021年3月の観測値を上回りそうな勢いです。現時点で2位相当の気象台の大半は「歴史的暖春」が上塗りされるはずです。47地点の平均は今年が10.8℃で、2021年は11.3℃でした。0.5℃差は完全に射程内です。

秋田、前橋、富山、金沢、福井、大阪の6地点では、18日までの数値がすでに2021年3月を超えて暫定1位です。北陸3県では史上初の10℃台に届きそうです。

温暖化の影響を鋭く受ける3月と10月

仙台管区気象台は1927年開設です。25年ごとの月平均気温の算術平均を算出してみました。集約対象は1927年10月~2023年2月です。最終行の「差」は、2001~2023年の数値から1927~1950年の数値を引いたものです。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
1927-1950-0.20.13.18.713.717.722.223.919.813.68.02.4
1951-19750.91.44.110.114.918.222.224.120.014.28.63.6
1976-20001.41.74.610.014.918.422.024.020.514.99.24.5
2001-20231.92.56.010.815.919.623.224.721.315.810.04.4
2.12.42.92.22.21.91.00.81.62.22.02.0
▲気象庁>仙台 日平均気温の月平均値(℃)から算出

大阪管区気象台は次のようになります。1901年1月から2023年2月を集約しました。「差」は仙台に合わせて、2001~2023年の数値から1926~1950年の数値を引いています。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
1901-19254.44.67.513.317.521.726.027.223.417.411.56.7
1926-19504.14.27.413.118.222.226.827.623.617.211.76.8
1951-19754.95.48.314.418.922.526.828.123.917.812.37.5
1976-20005.96.09.214.919.523.327.228.524.618.813.48.5
2001-20236.16.910.115.320.223.827.829.125.319.513.98.5
2.02.62.72.22.01.61.01.51.62.32.21.7
▲気象庁>大阪 日平均気温の月平均値(℃)から算出

福岡管区気象台は次のとおりです。大阪と同じ扱いにしました。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
1901-19255.15.08.113.117.021.325.526.322.416.411.46.8
1926-19504.85.28.413.217.621.726.326.722.616.511.87.4
1951-19755.66.49.314.218.421.926.827.523.417.712.78.0
1976-20006.46.910.014.819.122.826.927.724.018.813.58.8
2001-20236.98.011.415.720.223.627.728.625.019.914.48.9
2.12.83.02.52.61.91.42.02.43.32.61.4
▲気象庁>福岡 日平均気温の月平均値(℃)から算出

3気象台の「差」をグラフ化してみました。

温暖化は3月と10月が顕著

一口に温暖化と言っても、年間を通じて均一に気温が上がっているのではなく、3月と10月にその影響が顕著にあらわれるもののようです。夏が長引いて秋が短くなり、夏が前倒しされて春も早く来るという構造のようです。

4月の国内最高気温は2005年4月28日に米子で観測された33.7℃です。去年は6月に40℃台が観測されました。弾みがつけば4月の猛暑日も現実味を帯びてしまいますが、4月と5月はそれほど暑くならないようです。

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