118年ぶりの最多を更新、2021年大阪の年降水量

東京も戦後2回目の2000ミリ台

2021年の大阪の年降水量は2014.5ミリでした。観測史上初めての2000ミリ突破です。これまでの記録は1903年の1879ミリでした。実に118年ぶりの更新となります。

大阪の年降水量

実は東京でも2052.5ミリで観測史上4位でした。30年ぶりの2000ミリ台です。東京の2000ミリ以上は戦前に4回あり、戦後は1991年に2042ミリが観測されただけでした。名古屋も1998.5ミリで観測史上8位(戦後3位)、横浜は2056.5ミリで観測史上10位(戦後4位)です。

2020年より2021年の降水量が多かったアメダス観測所は701地点、少なかったのは588地点です。2021年は全国的に雨が多かったわけではありません。偶然の産物だろうと思われますが、気になる現象です。

大阪管区気象台の不適な立地

大阪管区気象台は大阪城近くの官庁街にあります。17階建てぐらいの高層ビルです。合同庁舎ですが敷地に余裕はなく、気象観測に適した立地ではありません。風速計は2.6キロほど離れたそれほど高い建物がない地域に設置されています(標高1m、高さ24m)。

大阪管区気象台

日照計をビルの谷間に設けても何の役にも立たないはずです。建物の屋上に設置されているはずですが、そんなものを衛星写真で見分けられるはずがありません。雨量計も屋上設置ではないかと思われます。

気温計については設置高さが公表されていません。屋上は緑化されていませんし、まさか気温計の屋上設置はないでしょうから、地上のどこかです。ストビューでも確認することはできません。この付近は軍の施設があったところです。

大阪の気象台
大阪の気象台(地理院タイルを加工)

設立当初の気象台は堂島にあったようです。今の御勝山(おかちやま)南公園に移転したのが1933年、現在地への移転は1968年ということです。

気象庁「地域気象観測所一覧」(37ページ)には標高23mと記されていますが、たぶんそこまでありません。南側の道路は東に向かって登り坂になっています。

2つの水準点(地理院タイルを加工)

地理院地図には17.4mの水準点と23.2mの水準点が示されています。合同庁舎4号館の右に見える薄い茶色の線は20mの等高線です。17.4mの水準点のあたりには石垣が組まれていますので20mは超えていると思われますが、地盤面が23mということはないはずです。

2020年と2021年の観測値

大阪管区気象台の2020年と2021年の観測値は次のとおりです。

年降水量1521.5ミリ826位/1293地点
年平均気温17.7℃71位/922地点
年最高気温38.6℃61位/922地点
年最低気温-0.1℃77位/922地点
年較差38.7℃734位/922地点
年平均風速2.4m/s332位/921地点
年日照時間2149.6時間82位/841地点
▲大阪の2020年観測値
年降水量2014.5ミリ524位/1293地点
年平均気温17.5℃92位/921地点
年最高気温38.9℃12位/921地点
年最低気温-1.5℃70位/921地点
年較差40.4℃671位/921地点
年平均風速2.4m/s370位/920地点
▲大阪の2021年観測値

平均気温等をグラフにしてみました。残念ながら温暖化を否定することは難しいグラフです。

大阪の平均気温等の推移

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