パー券収入を購入者数で割ると…「疑惑の方程式」

ユートピア政治研究会の渡海氏

まだ新聞辞令の段階ですが、萩生田光一・自民党政調会長の後任は75歳の渡海紀三朗氏ということです。ずいぶんなオールドネームです。渡海氏はリクルート事件のとき自民党内で結成されたユートピア政治研究会の初期メンの1人です。

869093960003050912141721
武村正義無①自②さ③さ④無✕
三原朝彦自①自②さ③さ✕自✕自④自⑤自✕自⑥自⑦自⑧自✕
鳩山由紀夫自①自②さ③民④民⑤民⑥民⑦民⑧
杉浦正建自①自②自✕自③自④自⑤自⑥自✕
渡海紀三朗自①自②さ③さ✕自④自⑤自⑥自✕自⑦自⑧自⑨自⑩
鈴木恒夫ク①自②自✕自③自④自⑤自⑥
小川元自①自✕自②自③自✕
石破茂自①自②無③無④自⑤自⑥自⑦自⑧自⑨自⑩自⑪自⑫
井出正一自①自②さ③さ✕
金子一義自①自②自③自④自⑤自⑥自⑦自⑧自⑨自⑩
▲ユートピア政治研究会の初期メンバー

1988年9月にこの10人で結成された「ユートピア政治研究会」ですが、歴史的には「新党さきがけ」の母体となったという評価を受けています。新党さきがけが結成されたのは宮沢内閣への内閣不信任案が可決された1993年6月です。

新党さきがけの初期メンも10人ですが、杉浦、鈴木、小川(落選中)、石破、金子の5氏はさきがけには加わっていません。石破氏は不信任に賛成しましたが離党せず、公認なしの無所属で選挙を勝ち抜きます。新生党に加わるのは選挙後です。1996年総選挙の直前に新進党を離党して、翌年に自民党に復党しています。

一方、新党さきがけの政調会長だった渡海氏は1996年の総選挙では落選して、1998年に自民党に復党しています。渡海氏は2021年の総裁選で野田氏の20人目の推薦人になっています。高市氏の得票を削るためだったとも言われています。こういう状況でなければあり得ない三役人事です。

嘘で塗り固められた収支報告書

宏池政策研究会(岸田派)のパーティー収入とパー券購入者数は次のとおりです。岸田派の場合、1人(1社)平均6~7万円分買っているようです。

パーティー収入(A)購入者数(B)A/B
2020年15,532万円2,218人7.00
2021年14,966万円2,528人5.92
2022年18,328万円2,851人6.43
▲岸田派

どういうわけか、志帥会(二階派)ではA/Bが一定です。

パーティー収入(A)購入者数(B)A/B
2013年11,892万円4,760人2.50
2020年22,767万円9,106人2.50
2021年27,802万円11,121人2.50
2022年18,845万円7,538人2.50
▲二階派

清和政策研究会(安倍派)も毎年A/Bが一定です。こんな粗っぽいやり口では、疑われても仕方がありません。

パーティー収入(A)購入者数(B)A/B
2017年20,098万円6,784人2.96
2018年20,802万円7,021人2.96
2019年15,338万円5,177人2.96
2020年10,262万円3,464人2.96
2021年10,002万円3,376人2.96
2022年9,480万円3,200人2.96
▲安倍派

池田佳隆事務所

【2023/12/27追記】池田事務所には27日にガサが入っています。秘書も留守で捜査官は2時間待たされたそうですが…。

雲隠れ中の池田佳隆代議士「池田黎明会」では収支報告書が訂正され、清和会からの寄付が2020年に1378万円、2021年に1330万円、2022年に510万円加わっています。

同時に、2021年と2022年は「衆議院議員池田よしたか君を激励する会」のパーティー収入も訂正されていますので、これについてもA/Bを算出してみましたが、定数ではありませんでした(それが普通ですけど…)。

パーティー収入(A)購入者数(B)A/B
21当初1,518万円404人3.76
21訂正2,001万円404人4.95
22当初1,316万円388人3.39
22訂正1,420万円388人3.66
▲池田黎明会

ただ、池田黎明会で訂正されたのは収入額だけで、支出については訂正されていません。このため、累積の繰越額が9000万に達しています。

池田黎明会の収支報告書
総務省>池田黎明会収支報告書(2022年)

ということは、9000万が預金または現金で残っていることになるはずです。本当にそれでいいのだろうかと心配したくなります。

池田氏のキックバック不記載分は5年間で4000万超とされていますが、個人パーティーで600万の過少記載だったわけですから、これを足し算するとボーダーラインの5000万に届きそうな勢いです。不起訴になっても検察審査会送りは避けられません。

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