3059万で略式命令、収支報告書訂正は2501万の宏池会

宏池会

池田勇人像

宏池会はもともと池田勇人・元首相の後援会の名称だったようです。宏池会のWebサイトによれば、派閥としての宏池会は1957年結成ということです。

初代1957池田勇人
第2代1965前尾繁三郎
第3代1971大平正芳
第4代1980鈴木善幸
第5代1987宮澤喜一(河野洋平が党総裁)
第6代1998加藤紘一
第7代2001堀内光雄(谷垣禎一が党総裁)
第8代2006古賀誠
第9代2012岸田文雄
宏池会の歴代会長

総理大臣でカウントすると岸田氏で5人目ですが、宮沢会長時代には河野洋平氏が、堀内・古賀会長時代には同じ宏池会を名乗った谷垣禎一氏が、ともに野党時代の自民党総裁を務めています。

収支報告書の訂正は2501万

現在の宏池会は政治団体としては「宏池政策研究会」の名称です。二階派と同じ1月18日付で収支報告書が訂正されています。当時の会計責任者は2018年から2020年までの3年間で3059万円の不記載があったとして、罰金100万円と公民権停止3年の略式命令が確定しています。

収支報告書の公開期間は3年間です。閲覧できるのは2020年以降です。つまり、実質1年分しか閲覧できません。

2020(1/18付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額297,073,761322,083,76125,010,000
(前年からの繰越額)42,745,99258,795,99216,050,000
(本年の収入額)254,327,769263,587,7699,260,000
支出総額203,444,709203,444,7090
翌年への繰越額93,629,052118,639,05225,010,000
「宏池政策研究会」収支報告書(令和2年分)

2020年の収入額が926万円、繰越額が1605万円ですので、足し算すると2501万円です。3年間の不記載額は3059万円だったわけですから、金額が一致しません。558万円の差額が生じているということは、2018年か2019年にこれに相当する支出があったことになるはずです。

岸田氏は国会答弁で不記載分は口座に保管されていたと答えています(まるまる保管されていたとは言っていないようです)。岸田氏がわざわざ政倫審に出るのなら、ここは聞いてほしいところです。

関係書類廃棄による乖離
「宏池政策研究会」収支報告書(令和2年分)

収支報告書に添えられた宣誓書には上のような言い訳が手書きで記載されています。「不明」の場合もこれで通用しています。ここで言う「乖離」とは2019年収支報告書の繰越額との乖離と思われます。

萩生田氏は2728万の不記載です。2501万なら検察的にはセーフだったはずです。略式命令では3059万を受け入れながら、収支報告書の訂正が2501万なのはなぜなのか、検察側との見解の相違はあり得る話です。

【2024/04/05追記】558万円の行き先は宏池会の先代会長だった古賀誠氏のようです。→「宏池会の消えた558万、古賀誠氏の政治団体が同額を訂正」

広島1区の教団施設

岸田氏の選挙区は広島1区です。今回の区割り変更で、広島市中区・東区・南区に府中町・海田町・坂町が加わりました。広島市は西区と佐伯区が2区、安芸区・安佐南区・安佐北区が3区と3分割されています。

選挙区内となる広島市中区には広島家庭教会と広島中央家庭教会があります。どちらもGoogleマップで「広島家庭教会」や「広島中央家庭教会」を検索してもヒットしません。中区と言っても原爆ドームの西にある相生橋を渡らなければなりません。

広島市中区の教団施設
広島市の教団施設(地理院タイルを加工)

広島家庭教会は中国新聞社の裏手にある5階建てのビルです。ビル全体が教団施設と思われます。

広島家庭教会

広島中央家庭教会はママチェーンさんのビルの2Fです。最古2011年8月のストビューではベランダには教団旗が掲げられています。

広島中央家庭教会

岸田氏は「点検」では氏名公表されていません。されるようなら「関係遮断」を言い出さないだろうとも思われます。梶栗氏との面会は点検項目には入っていませんので、その意味ではセーフです。

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