宏池会の不記載額は3059万円なのに
岸田氏が会長だった「宏池政策研究会」は、2018年から2020年までの3年間で3059万円の不記載があり、元会計責任者は罰金100万円と公民権停止3年の略式命令が確定しています。2020年の収支報告書は1月18日付で次のように訂正されています。
訂正前の収入総額(A)と訂正後の収入総額(B)の差額は2501万円です。
訂正前A | 297,073,761 |
訂正後B | 322,083,761 |
B-A | 25,010,000 |
不記載額は3059万円だったはずです。その差額は558万円になります。この558万円はどこに消えたのかという話になります。岸田氏は「事務処理上の疎漏」で不記載が生じたと語っていたはずですが、金額が一致しないのはそれこそ「事務的疎漏」ではないかと言いたくなります。
古賀誠氏は森内閣で幹事長
1月24日付で訂正された「古賀誠筑後誠山会」の2022年収支報告書です。
繰越で増額訂正されており、その金額は558万円です。
訂正前A | 654,850,743 |
訂正後B | 660,430,743 |
B-A | 5,580,000 |
いったんは宏池会に入ったはずの558万円は、実際には古賀氏の分だったからそのように訂正したということなのでしょう。宏池会も古賀氏もずいぶんアバウトな資金管理をしていたことになります。
宏池会が訂正しなかった588万のナゾは解けたわけですが、古賀氏は2012年に政界引退しています。もう10年以上経過しているのに、いまだに政治団体を解散せず、しかも6億もの残高を抱えています。派閥会長とはそういうものなのかもしれません。
なお、「古賀誠筑後誠山会」の主たる事務所は「福岡県みやま市」です。会計責任者の連絡先電話番号の市外局番は「03」です。
福岡7区・藤丸敏代議士と共催パーティー
繰越額は6億ですが、収入と支出は6000万台です。主な収入は「至誠会 藤丸敏・古賀誠政経セミナー」のパーティー収入3334万円です。
このほか日本医師連盟からの寄付100万円、「藤丸至誠会」からの寄付約3100万円があります。「藤丸至誠会」とは古賀氏の後継者である福岡7区選出・藤丸敏(ふじまる さとし)代議士の資金管理団体です。2022年の「藤丸至誠会」収支報告書を覗いてみました。
パーティー(セミナー)は古賀氏側と藤丸氏側の共催という形で4月、7月、11月と3回開催されていたようです。藤丸氏側に記載された4月分と7月分は半分弱が古賀氏側に渡り、古賀氏側に記載された12月分も半分弱が藤丸氏側に渡っています。共催なら、こんな処理になるのでしょう。
記載 | 収入 | →古賀 | →藤丸 | 藤・残 | 古・残 | |
4月 | 藤丸 | 2716 | 1203 | 1513 | ||
7月 | 藤丸 | 4368 | 1785 | 2583 | ||
11月 | 古賀 | 3334 | 1564 | 1770 |
ストビュー画像は藤丸氏の柳川事務所です。
光熱水費がゼロ
では、引退して10年の古賀氏は政治資金を何に使っているのでしょうか。
人件費 | 12,438,809 |
光熱水費 | 0 |
備品・消耗品費 | 1,788,316 |
事務所費 | 10,580,659 |
組織活動費 | 15,751,868 |
パーティー開催事業費 | 4,040,741 |
寄付・交付金 | 15,649,630 |
支出計 | 60,250,023 |
人件費の支出がありますので、職員は常駐しているはずです。事務所費の支出も年1000万です。それなのに、光熱水費ゼロとはどういうことなのでしょうか。「古賀誠筑後誠山会」の主たる事務所の所在地は住宅街です。
政治資金は非課税です。
久留米家庭教会
さて、古賀氏は「勝共推進議員」ではなく、藤丸氏も旧・統一教会(統一協会)との関係をめぐる自民党点検では氏名公表されていません。具体的な接点が報じられたこともないはずです。ただ、久留米家庭教会の動画が流出したことがあります。
前回の衆議院選挙翌日の2021年11月1日、久留米家庭教会で開催された「南福岡教区孝情奉献礼式」で南福岡教区の南宏彦渉外部長が「藤丸先生もですね。大牟田の皆さん。桑原市議から、すでに昨日、藤丸さんを教会に連れていきますと約束して頂いている」と語っている動画です。
教団側は接点を持ちたいと考えているようです。久留米市は福岡6区で鳩山二郎氏の選挙区です。古賀氏→藤丸氏の福岡7区には大牟田家庭教会がありますが、教団的には久留米が南福岡教区の本部教会です。
2021年3月のストビューまでコカ・コーラ自販機が設置されていた教団施設です。去年以降、Googleマップを「久留米家庭教会」で検索してもヒットしません。
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