標高555mの山、新潟・山形県境の「日本国」

「日本国」という山がある

山の名前は「~山」と「~岳」が9割以上です。「八幡平」や「美ヶ原」のようなケースもありますが、新潟県村上市と山形県鶴岡市を隔てる分水嶺は「日本国」という名称です。

村上市側の県道52号線沿いには「日本国麓郵便局」があります。

日本国麓郵便局

「にほんこく ふもと」と読んでいいようです。

にほんこくふもとゆうびんきょく
日本郵政>日本国麓郵便局

日本海から水平距離5キロほどです。山開きは標高に合わせて5月5日ということです。

日本国
日本国(地理院タイルを加工)

気になる由来

気になるのはその由来です。

その昔、この山で捕まえた鷹を将軍に献上したところ、将軍はその鷹をえらく喜んで、その捕まえた山の名前を「日本国」にしたという説や、古代の柵に因むもの、崇峻天皇の皇子に因むものの説があります。

むらかみの観光情報>日本国登山

「日本国」という名前の由来には、大和朝廷の支配地域の最北端としてここまでを日本国とした説や、租税としてこの山で捕えた鷹を献上したところ将軍がとても喜び、鷹が捕らえられた山を「日本国」と名付けるよう命じたという説など、諸説あります。

やまがた山>日本国

将軍とはいつの時代の誰なのかという肝心な記載はありません。初代の征夷大将軍は桓武天皇時代の大伴弟麻呂(おおとものおとまろ)と言われており、その後任が坂上田村麻呂です。

村上市付近には磐舟柵(いわふねのき/~さく)が設けられたそうですが、その場所は特定されていません。磐舟柵よりあとの時代に設置された酒田市の城輪柵(きのわのき/~さく)は復元されています。

城輪柵

日本国山頂への登山ルート

登山口は3つあるようですが、駐車場がもっとも広いのは郵便局近くの小俣(おまた)口です。

日本国登山口
登山口(地理院タイルを加工)

江戸時代の出羽街道は小俣を通っていたらしく、奥の細道の松尾芭蕉は象潟から鼠ヶ関を経て小俣で南下、しだれ桜で有名な中継(なかつぎ)から村上城下に向かったそうです。

日本国登山道入口

道路の反対側には「日本国ふれあいパーク」という施設があります。プールっぽい構造物と体育館っぽい蒲鉾屋根が確認できますので廃校リユースと思われます。

小俣

トイレのない山頂には記念スタンプが置いてあるようです。押印したスタンプを提示して500円の証明用紙を購入し、必要事項を記入のうえ店内の専用ポストに投函すれば、シリアルナンバーが入ったラミネート加工の登頂証明書が郵送されるとのことです。オリジナル切手に日本国麓郵便局の風景印で消印されるそうですので、結構手が込んでいます。

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