台湾の地震、マグニチュードは7.7? 7.4? 7.2?

異なるマグニチュード

台湾西岸の花蓮省を震源とする地震について、日本の気象庁は当初マグニチュード7.5と発表しましたが、遅くとも10時半にはマグニチュード7.7に更新しています。

気象庁の発表値
気象庁>令和6年4月3日08時58分頃の台湾付近の地震について

台湾の中央気象署はマグニチュード7.2としています。日本と台湾の時差は1時間です。

台湾の中央気象署
中央気象署>地震速報中心

USGS(アメリカの地質調査所)ではマグニチュード7.4です。

USGSの地震情報
USGS

東日本大震災については気象庁がマグニチュード9.0で、USGSはマグニチュード9.1です。7.2だろうが7.7だろうが、あまり影響はないように思われますが、マグニチュードは対数ですから0.2大きくなると2倍になります。

というわけで、異なる機関のマグニチュードを混ぜて比較するのはよろしくないものと思われます。能登半島地震は気象庁的にはマグニチュード7.6です。

台湾
台湾(地理院タイルを加工)

なお、震度については台湾では2020年から日本と同じ10段階の震度としていますが、日本と完全一致するのかどうかは確認できていません(ほぼ同じではあるようです)。

傾いたマンション

花蓮のことを「日本で言えば沖縄のような」と語っていたレポーターがいました。温暖な観光地という点では沖縄でいいのかもしれません。私が例えるなら伊豆半島ですが、高知県のイメージもあります。

台湾を襲う台風は、フィリピン海(太平洋)から東海岸に上陸するのがやはり多数派です。台風をブロックしてくれる四国山地に相当するのが雪山山脈や中央山脈です。台湾最高峰は標高3,952mの玉山(日本統治時代の名称は新高山)です。北部の雪山も標高3,886mです。

今回の地震の象徴となった傾いたマンションのニュース映像で気になるものが2つありましたので、ストビューを開いてみました。噴水広場側に猿のようなオブジェが見えたのは、どうやら孫悟空のようです。

傾いたビル

ちらっと見えた日本語(上のストビュー画像では右下)は「全ての始まり」でした。「黒金通」さんは2階の飲食店のようです。

黒金通

驚嘆すべきはそのスピード感です。傾いたビルはもう解体作業に着手しています。輪島は3か月過ぎても瓦礫が片付いていないというのに…。

五島屋

平地が少ない台湾東海岸は人口も少なく、花蓮市が8万人、花蓮県で32万人ということです。とてもそのクラスとは思えないレベルで重機や緊急車両が集結している手際の良さに感心するばかりですが、必ずしも自然災害だけに備えていたわけでもなさそうです。

トンネル手前の橋も崩落

花蓮の北70キロほどの区間は、西から「山-崖-海」という地震がなくてもスリリングな地形です。

トンネルに続く橋が崩落したのは大清水隧道の手前(台北から見て)です。台湾は右通行です。

落ちた橋は下清水橋です。この箇所の迂回路があるのかどうか確認できませんでしたが、幸いにも鉄道は運行しているようです。

数百人が孤立したという太魯閣(たろこ)渓谷は、この少し先(花蓮寄り)に流れ込む立霧渓(たっきり-けい)という川の中流部です。現地時間では朝8時前ですので、宿泊した観光客の大半はそれほど遠くまで行けていないはずですが、早朝出発組がどこかで巻き込まれている可能性があります。

崩落した煙突は雲林県虎尾

煙突の上部が崩落した砂糖工場は花蓮ではなく、中央山脈を隔てた雲林県虎尾にある台湾糖業の虎尾製糖工場です。

1908年に供用開始された煙突は高さは45メートルで、2001年に運用停止されていたということです。町のランドマークとして復元の話も出ているようです。

砂糖工場にありがちなSLも展示されています。この車両は展示用のはずですが、製糖用鉄道(シュガートレイン)自体はまだ一部が現役のようです。収穫したサトウキビの運搬用です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました