アメダス宍喰の後継・アメダス海陽で日降水量483ミリ

1時間雨量は120ミリ

徳島県のアメダス海陽で9月8日に483.5ミリの日降水量が観測されています。8月14日に嬉野で観測された439.5ミリを上回り、今のところ2021年の最大値です。これまでの記録は2015年9月24日の395.5ミリでしたので、90ミリ近く更新したことになります。

アメダス海陽の10分降水量
▲アメダス海陽の10分降水量(9/8 6:00-14:00)

10分降水量は上のように推移しています。11時11分までの1時間降水量は120ミリ、12時ちょうどまでの3時間降水量は259.5ミリです。すべて観測史上1位ですが、アメダス海陽は2009年2月19日の観測開始ですので、「史上1位」と言ってもたかだか10年ちょっとの話です。

アメダス海陽
アメダス海陽(地理院タイルを加工)

アメダス宍喰(ししくい)の観測所が海陽に移転したようです。赤マーカーは隣接観測所です。たしかに宍喰のほうが海陽よりバランスのいい配置です。

2009年2月にアメダス宍喰が移転

アメダス海陽から7キロほど離れたアメダス宍喰は、宍喰川の河口付近です。1976年観測開始ですが、日降水量の最大値は2003年11月29日の357ミリです。さすがに1日400ミリはありませんでした。今回の「観測史上1位」は「過去50年近くの間になかったこと」という意味になりそうです。

宍喰時代は住宅地の中でしたが、アメダス海陽は道路脇ながら公有地と思われる緑地帯に設置されています。町役場から1キロ以上離れており、海からも川からも遠くなりました。

アメダス海陽

2020年の観測値は次のとおりです。平均気温のわりには最高気温も最低気温も低く、日照時間はかなり長めです。太平洋に面した南東斜面ですので、雨はもともと多い地域です。

年降水量2792.5ミリ190位/1293地点
年平均気温17.0℃144位/922地点
年最高気温35.9℃445位/922地点
年最低気温-4.1℃332位/922地点
年較差40.0℃657位/922地点
年平均風速1.3m/s782位/921地点
年日照時間2137.1時間90位/841地点
▲アメダス海陽の2020年観測値

過去3年の月別降水量をグラフにしてみました。9月は当たり外れが大きいのかもしれません。

アメダス海陽の月別降水量
▲アメダス海陽の月別降水量

下灘3町で海陽町

海陽町の発足は2006年です。海南町、海部町(かいふちょう)、宍喰町の3町が合併しています。人口は海南町>宍喰町>海部町でした。この3町は海部郡に属しており、合併協議会の名称は「海部下灘合併協議会」でした。

平成の大合併前の海部郡(パラパラ地図を加工)

当時の海部郡6町のうち阿南市寄りの北東側3町が「上灘」です。上灘3町も同時並行で合併協議が進みましたが、最終的には日和佐町と由岐町が合併して美波町が成立しています。

下灘3町の新町名の最終候補は「青海(あおみ)」、「あまべ」、「海光(かいこう)」、「海陽」、「きらら」でした。「下灘」は公募では上位に入っていましたが、最終候補には残っていません。採用された「海陽」は上灘でも候補にあがっていました。

海陽町から国道55号線で牟岐町(むぎちょう)に入って約1キロ地点には内妻トンネルがあります。このトンネルを抜けると、すぐに内妻大橋で内妻川を渡ります。その先は内妻海岸です。2014年1月撮影のストビューです。

地理院地図で「内妻」を検索しても、牟岐町以外はヒットしません。オンリーワンと言ってよさそうな地名です。

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