誰もが不思議に思っていることだろうと思われます。
人流ではない
人流は違うようです。縮小しすぎたかもしれませんが、グラフ横軸の左端は2020年1月1日、右端が2021年9月12日です。真ん中やや右で落ち込んでいるのが年始、オレンジの幅が広いところがゴールデンウイークです。
少なくとも夜の人流はゴールデンウイークのほうが少なかったわけです。
羽田にしても顕著に減っているわけではありません。
ワクチン効果?
それではワクチン効果なのでしょうか。感染者に対する重症者数や死亡者数の割合が減少していることはワクチン効果によるものと考えて差し支えありませんが、今の感染者数の減少をワクチン効果に求めるのは違うように思われます。
第5波の日本のピークは8/22の週でした。このときワクチン接種率(2回終了)は41.0%です。本当に国民の4割がワクチンを打てば感染は収まるものなのでしょうか。
ドイツのワクチン接種率が4割に達したのは7/6です。ドイツの7月初旬は第3波と第4波の谷間です。
イギリスはドイツより1か月早く4割に達しましたが、その後は増加傾向にあります。
デルタ株の本場・インドでは5/9の週がピークでした。当時のインドのワクチン接種率は2.5%に過ぎません。接種率にかかわらず下がるときは下がり、上がるときは上がると考えたほうがよさげです。
季節変動要因
意外に考えられるのが季節の移り変わりです。だとすると、緊急事態宣言とは何なのだということになってしまうわけですが、第1波と第3波の緊急事態宣言発出は今にして振り返ればピークアウトした後でした。緊急事態宣言に効果があったのではなく、下がりかけているタイミングで宣言が出ただけではないかという疑念がないわけでもないのです。
とりわけ今回の第5波に関しては季節遷移が影響しているように思えます。東京電力「でんき予報」のページから過去の電力使用実績データをダウンロードし、5/1以降の各日15時の電力使用量をグラフ化してみました。
今年の8月は涼しかったわけですが、東電の電力使用量としては3回のピークがあります。赤の丸囲みで示した7/19-21、8/3-6、8/25-27です。これが東京の発症日別陽性者数に反映されていれば、「電力消費が増えると(多くの人が冷房を使うと)コロナ感染が広がる」という仮説に信憑性が付与されます。
感染から発症まで5日ということですので、3回のピークの5日後(7/24-26、8/8-11、8/30-9/1)を赤の矩形で示しました。最初の2つはともかく3回目が増えていません。ただ、人流が減った?からという理由や、ワクチン接種が進んだからという理由より見かけ上の説得力はありそうです。
気温との関係
7月と8月の東京、名古屋、大阪の日平均気温をグラフ化してみました。雨の要素もありますので、単に気温だけでは語れないのだろうと思われます。
東洋経済オンラインによる実効再生産数が1未満に転じた日を調べてみました。やはり気温とは直接は結びつかないようです。
8月20日 | 福島 |
8月24日 | 石川 |
8月25日 | 東京、沖縄 |
8月26日 | 埼玉、愛媛、長崎 |
8月27日 | 千葉、山梨、山口、佐賀、熊本、鹿児島 |
8月28日 | 北海道、宮城、山形、茨城、長野、富山、岡山 |
8月29日 | 群馬、栃木、神奈川、和歌山、香川、福岡、大分、宮崎 |
8月30日 | 秋田、静岡、滋賀、広島 |
8月31日 | 新潟、兵庫 |
9月1日 | 岐阜、三重、京都、高知 |
9月2日 | 福井、鳥取 |
9月3日 | 大阪、徳島 |
9月4日 | 青森、愛知、奈良、島根 |
9月8日 | 岩手 |
コメント