第5波が急に収束しつつある理由は何なのか

誰もが不思議に思っていることだろうと思われます。

日本の新規感染者数の推移
日本の感染者数の推移(Johns Hopkins大 9/13)

人流ではない

人流は違うようです。縮小しすぎたかもしれませんが、グラフ横軸の左端は2020年1月1日、右端が2021年9月12日です。真ん中やや右で落ち込んでいるのが年始、オレンジの幅が広いところがゴールデンウイークです。

夜の人流・歌舞伎町
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夜の人流・渋谷
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夜の人流・六本木
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少なくとも夜の人流はゴールデンウイークのほうが少なかったわけです。

羽田の人流
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羽田にしても顕著に減っているわけではありません。

ワクチン効果?

それではワクチン効果なのでしょうか。感染者に対する重症者数や死亡者数の割合が減少していることはワクチン効果によるものと考えて差し支えありませんが、今の感染者数の減少をワクチン効果に求めるのは違うように思われます。

第5波の日本のピークは8/22の週でした。このときワクチン接種率(2回終了)は41.0%です。本当に国民の4割がワクチンを打てば感染は収まるものなのでしょうか。

ドイツの新規感染者数の推移
ドイツの感染者数の推移(Johns Hopkins大 9/13)

ドイツのワクチン接種率が4割に達したのは7/6です。ドイツの7月初旬は第3波と第4波の谷間です。

イギリスの新規感染者数の推移
イギリスの感染者数の推移(Johns Hopkins大 9/13)

イギリスはドイツより1か月早く4割に達しましたが、その後は増加傾向にあります。

インドの新規感染者数の推移
インドの感染者数の推移(Johns Hopkins大 9/13)

デルタ株の本場・インドでは5/9の週がピークでした。当時のインドのワクチン接種率は2.5%に過ぎません。接種率にかかわらず下がるときは下がり、上がるときは上がると考えたほうがよさげです。

季節変動要因

意外に考えられるのが季節の移り変わりです。だとすると、緊急事態宣言とは何なのだということになってしまうわけですが、第1波と第3波の緊急事態宣言発出は今にして振り返ればピークアウトした後でした。緊急事態宣言に効果があったのではなく、下がりかけているタイミングで宣言が出ただけではないかという疑念がないわけでもないのです。

とりわけ今回の第5波に関しては季節遷移が影響しているように思えます。東京電力「でんき予報」のページから過去の電力使用実績データをダウンロードし、5/1以降の各日15時の電力使用量をグラフ化してみました。

東京電力の電力使用実績(5/1-9/11)
東京電力の電力使用実績

今年の8月は涼しかったわけですが、東電の電力使用量としては3回のピークがあります。赤の丸囲みで示した7/19-21、8/3-6、8/25-27です。これが東京の発症日別陽性者数に反映されていれば、「電力消費が増えると(多くの人が冷房を使うと)コロナ感染が広がる」という仮説に信憑性が付与されます。

東京の発症日別陽性者数の推移
東京都>発症日別による陽性者数の推移

感染から発症まで5日ということですので、3回のピークの5日後(7/24-26、8/8-11、8/30-9/1)を赤の矩形で示しました。最初の2つはともかく3回目が増えていません。ただ、人流が減った?からという理由や、ワクチン接種が進んだからという理由より見かけ上の説得力はありそうです。

気温との関係

7月と8月の東京、名古屋、大阪の日平均気温をグラフ化してみました。雨の要素もありますので、単に気温だけでは語れないのだろうと思われます。

7月と8月の東京、名古屋、大阪の平均気温
7月と8月の東京、名古屋、大阪の平均気温

東洋経済オンラインによる実効再生産数が1未満に転じた日を調べてみました。やはり気温とは直接は結びつかないようです。

8月20日福島
8月24日石川
8月25日東京、沖縄
8月26日埼玉、愛媛、長崎
8月27日千葉、山梨、山口、佐賀、熊本、鹿児島
8月28日北海道、宮城、山形、茨城、長野、富山、岡山
8月29日群馬、栃木、神奈川、和歌山、香川、福岡、大分、宮崎
8月30日秋田、静岡、滋賀、広島
8月31日新潟、兵庫
9月1日岐阜、三重、京都、高知
9月2日福井、鳥取
9月3日大阪、徳島
9月4日青森、愛知、奈良、島根
9月8日岩手
▲実効再生産数の直近転換日

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