自宅療養者の推移と自宅療養配食セットの自治体格差

自宅療養者数の推移

今年に入ってからの自宅療養者数といわゆる「調整中」の陽性者数の推移をグラフ化してみました。数値は厚労省「療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査について」から拾いました。

自宅療養者には施設療養者を含みます。調整中には自宅・宿泊・入院の調整中だけでなく入院先の調整中も含みます。いずれにせよ自宅に居ることに変わりはなく、なかには調整中が続く間に発症日からの期間が経過して療養解除になってしまうケースもあるわけです。

9月1日時点では自宅プラス調整中が163,549人です。8月1日現在の鳥取県の人口は549,683人ですので、鳥取県の人口の約3割に相当します(29.75%)。自宅療養者は次のような位置づけになっています(3行目は原文が太字です)。

感染拡大防止のため、ご本人は自宅から外出せず、自宅で療養していただきます。
自宅内でも必要最低限の行動にとどめてください。
自宅療養は、感染症法に基づく協力要請であるため、以下の点にご注意ください。
・自宅療養中に外出を行った場合は、保健所より入院の勧告が行われ、この入院勧告に従わない場合は、入院措置(即時入院)をとることができること。
・また、上記の勧告または措置によって入院した場合の入院費用は保険適用分を除き自己負担となり得ること。
・さらに上記の入院措置に反して逃げ出した場合や入院しなかった場合については、罰則(50万円以下の過料)が設けられていること。

高松市>自宅での療養について

陽性者に自宅療養を求めているわけですから、買い物に外出しなくてもいいように自治体が食料品(や日用品)を提供しています。「自宅療養セット」でGoogle検索して、各自治体が自宅療養者にどのような食料品セットを届けているのか調べてみました。

千葉県の自宅療養セット

千葉県の配食サービスは「常温保存が可能な食料品(1人あたり約7日分)をセット」ですが、「8月27日現在、配食の申込から配達までの期間は、数日程度」ということです。内容は次のようなものです。

千葉県>配食のご案内|ご自宅で療養される方へ>配給品一覧

カレー4ヶ入り4個、牛丼3ヶ入り4個、中華丼2個ですから、(4*4)+(3*4)+2を計算すると30個になります。1日4食以上です。缶詰やビタミンゼリーは偶数の8個です。常温保存できるのなら多い分には不都合はないかもしれません。一方、「味噌汁、スープ」は13個という素数です。カレーを1個削って味噌汁を1個足せばいいのにと思わなくもありません。

北海道は10日分

北海道は10日分で、日用品もセットです。もちろん置き配になります。

北海道の自宅療養セット
北海道>自宅療養される方へ(4ページ)

献立例も掲載されているのが親切です。

献立例
北海道>自宅療養される方へ(5ページ)

大阪市、埼玉県、滋賀県

大阪市は「食料品7日分のセット(無菌米飯、レトルト食品、即席スープ、牛乳、缶詰、海草サラダ、シリアル食品等)」ですが、金額が掲載されていました。あとに掲載しますが、条文上では実費徴収できることになっています。今のところは国の負担のようです。

大阪市
大阪市>新型コロナウイルス感染症に係る自宅療養者への配食サービスを実施します

埼玉県はやや短めの「3日~5日分」ですので、自治体格差は存在するようです。

埼玉県
埼玉県>自宅療養の手引き

滋賀県の場合は「配達日から自宅療養期間の終了日まで」食料品支援に関するご案内)という変動性です。保健所が自宅療養を決めたときに配食サービスの要・不要を尋ねられるようです。

感染者の多い都市部では対応が遅れてしまうため、市町村がカバーするケースもあります。小さな市町村では買い物代行するところもありますし、レトルトではなく1日2回弁当を配送している自治体もあります(翌朝食は夕食時の配達)。

ただ、感染者情報は個人情報であり、保健所を持たない市町村は誰が陽性者か把握していません。保健所の指示がなく調整中のまま放置される場合には、市区町村窓口に連絡するという打開策がないわけではありませんので、自分の居住地のサービスは把握しておいたほうがよさそうです。

改正感染症法の規定

感染症法の根拠条項は44条の3です。

第四十四条の三 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し、当該感染症の潜伏期間を考慮して定めた期間内において、当該者の体温その他の健康状態について報告を求め、又は当該者の居宅若しくはこれに相当する場所から外出しないことその他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
2 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症(病状の程度を勘案して厚生労働省令で定めるものに限る。第七項において同じ。)のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症の患者に対し、当該感染症の病原体を保有していないことが確認されるまでの間、当該者の体温その他の健康状態について報告を求め、又は宿泊施設(当該感染症のまん延を防止するため適当なものとして厚生労働省令で定める基準を満たすものに限る。同項において同じ。)若しくは当該者の居宅若しくはこれに相当する場所から外出しないことその他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
3 前二項の規定により報告を求められた者は、正当な理由がある場合を除き、これに応じなければならず、前二項の規定により協力を求められた者は、これに応ずるよう努めなければならない。
4 都道府県知事は、第一項又は第二項の規定により協力を求めるときは、必要に応じ、食事の提供、日用品の支給その他日常生活を営むために必要なサービスの提供又は物品の支給(次項において「食事の提供等」という。)に努めなければならない。
5 都道府県知事は、前項の規定により、必要な食事の提供等を行った場合は、当該食事の提供等を受けた者又はその保護者から、当該食事の提供等に要した実費を徴収することができる

e-GOV法令検索>感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

2類相当ということで、無症状でも自宅療養という名の隔離対象になってしまうわけです、外出するなと言う以上、少なくとも単身者には自治体が食料品や日用品を届けるしかありません。5類にしてしまうと隔離はありませんので、自治体は大助かりです。

ただ、隔離がないなら無症状感染者は何の制限もなく勝手に街を出歩き、感染を広げることになります。2類はふさわしくないのではないかという議論は頷けますが、5類にしろという主張は飛躍しすぎです。5類では治療費も自己負担になります。

大塚製薬では自社商品の配布を始めています。もちろん期間・数量限定ですが、必要としている人に届くようにと願うばかりです。

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