アフリカの南・南極昭和基地の年平均気温

2021年9月14日付で公開した「富士山頂と昭和基地の気温の推移」のページから昭和基地関係の項目を移動のうえ加筆しました。

マダガスカル島の南

昭和基地はアフリカ大陸の南です。

最短距離で飛んで行けるなら、方位的にはボルネオ島(カリマンタン島)方面ということになります。

南極の福島ケルン

Google Earthプロで南極の昭和基地を検索したところ、一緒に「福島ケルン」にピンが刺さっています。Google先生は私を挑発しているに違いありません。「ほ~ら、気になるだろう。調べてみるがよい」と言われているようです。

昭和基地

ケルン(ケアン)とは積み石のことだそうです。山岳の積み石は頂上を示したり、道標代わりに積み上げたりすることもありますが、福島ケルンは墓標としての積み石です。遭難した福島紳(しん)・第4次越冬隊員の慰霊碑ということです。

 1960年10月10日、激しい吹雪の中、犬の餌やりと、遠征用のカブース(そり付の移動小屋)の点検に出かけ、基地からわずか数十mの所で行方不明になりました。
 折悪しく、その時、昭和基地に滞在していたベルギー南極観測隊の隊員にも行方不明者が出ており、その捜索のため昭和基地が手薄になっていた時でした。
 結果、ベルギー隊の隊員は救助に成功しましたが、福島隊員は発見できず、懸命の捜索もむなしく、10月17日に死亡と認定されました。
 8年後、第9次観測隊によって、遺体が昭和基地のある東オングル島の隣の西オングル島で発見され、その地で荼毘に付され、遺骨の一部がこの福島ケルンに納められています。

国立極地研究所>昭和基地NOW!!>越冬成立式・福島ケルン慰霊祭2009年2月3日

遺体は1968年2月に4キロ先で見つかっています。昭和基地の2月は白夜の終わりかけです。福島ケルンは高さ2.5mということですので、もちろん重機を用いて積み上げられたものでしょう。

昭和基地の気温の推移

南緯69度の昭和基地に設けられた観測所の観測値は、気象庁Webサイトには1957年2月以降が掲載されていますが、欠測の多い初期を除いて1967年以降をグラフにしました。

昭和基地の気温の推移
▲昭和基地の気温の推移

2023年の昭和基地の年平均気温はマイナス9.4℃で観測史上3位でした。改めてグラフ化してみました。

昭和基地の年平均気温の推移
気象庁>昭和(南極) 年ごとの値 主な要素

気温上昇はとりわけ北極圏が顕著で、南半球は北半球より緩やかです。南極では45年スパンでマイナスの地点もありますが、昭和基地はそっち側ではないようです。

月平均気温の平年値

平年値(1991~2020)は次のとおりです。

昭和富士山陸別東京
1月-0.8-18.2-11.15.4
2月-2.9-17.4-9.66.1
3月-6.8-14.1-3.19.4
4月-10.4-8.84.014.3
5月-13.5-3.210.118.8
6月-15.21.414.421.9
7月-17.65.318.325.7
8月-18.86.419.126.9
9月-18.33.514.923.3
10月-13.3-2.07.918.0
11月-6.3-8.70.712.5
12月-1.5-15.1-7.77.7
-10.5-5.94.815.8
▲気象庁>昭和(南極)平年値(年・月ごとの値)主な要素 ほか

2023年の昭和基地では、冬日が312日、真冬日が364日でした。氷点下を観測しなかった唯一の日は12月6日で、最高気温が15:50の2.6℃、最低気温は22:19の0.0℃です。

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