怪物江川とバッテリー、亀岡偉民代議士の虚偽記載

三塁悪送球

1972年高校野球選手権大会栃木予選、作新学院2年生だった怪物江川は38イニング目の1失点で予選敗退しました。

2回戦大田原ノーヒットノーラン(奪三振13、被安打0)
3回戦石橋完全試合(奪三振17、被安打0)
準々決勝栃木工ノーヒットノーラン(奪三振16、被安打0)
準決勝小山11回1失点サヨナラ負け(奪三振15、被安打4)
▲1972年高校野球選手権大会栃木予選

37イニング目になる準決勝の10回二死で初安打を浴び、38イニング目の11回サヨナラスクイズが初失点でした。36イニング連続無安打は、50年以上たった今でも破られていないアンタッチャブル・レコードです。

江川は秋の関東大会3試合に24イニング登板し、奪三振49の被安打6で無失点でした。関東大会を制した作新学院は翌1973年春の選抜大会に出場します。

1回戦北陽完封(奪三振19、被安打4)
2回戦小倉南先発7回無失点(奪三振10、被安打1)
準々決勝今治西完封(奪三振20、被安打1)
準決勝広島商8回完投2失点(奪三振11、被安打2)
▲1973年選抜

同点の8回裏、広島商は四球と内野安打で二死一・二塁とし、普通ならあり得ない(対江川なら十分に考えられる)ダブルスチールを敢行します。キャッチャーの三塁悪送球を誘って二塁走者の金光が生還し、これが決勝点になりました。

悪送球の捕手は早大に進学します。同学年には南海ホークスのドラフト2位指名を蹴った山倉がいました。4年後、山倉は江川の外れ1位でジャイアンツに入団します。

1986年、高校時代に江川とバッテリーを組んだ元捕手は縁戚の亀岡高夫・元建設大臣と養子縁組を結びます。1989年2月、高夫氏は「大喪の礼」が始まる直前に倒れて翌3月に亡くなります。ちょうどリクルート事件の頃です。

衆院選5勝5敗

1990年の総選挙で高夫氏の地盤を引き継いだのは、作新の捕手だった亀岡偉民(よしたみ)氏です。初当選は自民党公認となった2005年です。当選5回ですがそのうち2回は比例復活です。選挙区の福島1区は中通り北部です。郡山市は含まれません。

19904.26%●無所属、定数4で10位
19936.99%●無所属、定数4で7位
200023.31%●無所属
200334.24%●無所属の会
200556.84%〇自民、初当選
200943.76%●自民、比例復活できず
201250.97%〇自民、2選(以降は公明推薦)
201447.36%〇自民、3選
201747.26%△自民、比例復活で4選
202148.85%△自民、比例復活で5選
▲亀岡偉民氏の国政選挙

義父は田中派でしたが、偉民氏は森派に入ります。党文部科学部会長、衆議院文部科学委員長、文部科学副大臣という経歴ですので、いわゆる文教族の1人という理解でいいものと思われます。

亀岡事務所

自民党アンケでは5年間の不記載額が348万円です。総選挙の2021年が多くなっています。

201838万
201918万
202040万
2021200万
202252万
5年計348万
▲亀岡氏の不記載額

自分の寄付を減殺

資金管理団体「達山会(たつざんかい)」の収支報告書が訂正されたのは2月9日付です。亀岡氏の主張は不記載ではなく自分からの借入金として記載していたというものです。

2020(2/9付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額16,645,18616,645,1860
(前年からの繰越額)255,184255,1840
(本年の収入額)16,390,00216,390,0020
支出総額16,266,44815,366,448-900,000
翌年への繰越額378,7381,278,738900,000
「達山会」収支報告書(令和2年分)

収入総額の増減がなく、自分からの借入を減殺する橋本聖子氏パターンです。自分からの借入額を減らして、清和研からの寄付を記載する枠を確保しています。40万円は2020年単年の不記載額です。

2020年の不記載訂正
「達山会」収支報告書(令和2年分)

さらに、自分に対する90万の返済を取り消しています。この90万は減った支出額であり翌年への繰越の増加額です。

2020返済額を縮減
「達山会」収支報告書(令和2年分)

2021年は次のような訂正です。先の90万は再度繰り越されています。

2021(2/9付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額11,798,74412,698,744900,000
(前年からの繰越額)378,7381,278,738900,000
(本年の収入額)11,420,00611,420,0060
支出総額11,413,48711,413,4870
翌年への繰越額385,2571,285,257900,000
「達山会」収支報告書(令和3年分)

清和研の寄付200万を計上するために自分の寄付を減殺するのは2020年と同じです。

2021年も自分の寄付を減殺
「達山会」収支報告書(令和3年分)

同時に、借入金残高が206万円減殺されています。ここは私が理解できなかった訂正です。

「達山会」収支報告書(令和3年分)

292万を追加記載して248万の繰越?

2022年も単年収入額の増減はありませんが、支出額が減って繰越額がさらに増えています。

2022(2/8付で訂正)訂正前訂正後増減
収入総額21,975,26922,875,269900,000
(前年からの繰越額)385,2571,285,257900,000
(本年の収入額)21,590,01221,590,0120
支出総額21,512,59419,932,594-1,580,000
翌年への繰越額462,6752,942,6752,480,000
「達山会」収支報告書(令和4年分)

清和研からの52万円の枠を確保するために、自分の借入金を減殺しているのはこれまでと同じです。

2022年の不記載額
「達山会」収支報告書(令和4年分)

その一方で、310万の返済を152万に縮減していますので、158万円の支出が繰越に回っています。そのうえ返済日の訂正もあります。

2022年の返済額縮減
「達山会」収支報告書(令和4年分)

不記載分を全額プールしていたら全額繰越になるはずです。これは純粋に裏金です。借入金として記載していたと言うなら虚偽記載です。3年で292万の「入」に関する虚偽記載を訂正して、「出」の繰越が半端に248万増えると、相当ややこしい話になるはずです。

福島家庭教会の駐車場

旧・統一教会(統一協会)との自民党「点検」で亀岡氏は氏名公表されていませんが、2021年の選挙時に「先導車の交代場所だったためトイレを借りた」ことを認めています。福島市内にある施設は福島家庭教会です。

福島家庭教会

3階建ての教団施設に隣接する手前の駐車場との間(白の軽と赤い三角コーンの間)にはフェンスが設置されています。ストビューをコマ送りすると、ストリートビューカーは画面左奥に向かって進んでいます。対向車は介護タクシーです。

介護タクシーはストビューカーとすれ違い、次に女性とすれ違います。その後、女性の姿が消えてしまいます。ということは、手前の駐車場も教団用と考えていいのかもしれません。上空から見ると、こんな感じです。

「先導車の交代」なら、少なくとも2台で立ち寄り別の1台が待機していたことになりそうです。選挙支援を受けていた事実はないのだとしても、教団関係者が深く入り込んでいたことを窺わせてしまう不用意で正直な発言かと思われます。ちなみに、事務所とはこんな位置関係です…。

福島家庭教会
福島家庭教会(地理院タイルを加工)

渋滞でトイレを我慢できなかったのかもしれません。これ以外に亀岡氏と教団との関係が報じられたことはないようです。また、義父の高夫氏も勝共推進議員ではありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました