貯水率0%の早明浦ダムが1日で満杯、2005年台風14号

日降水量の全国TOP20

歴代の日降水量TOP20は次のとおりです。

順位観測所ミリ起年月日
1神奈川)箱根922.52019/10/12D
2高知)魚梁瀬851.52011/07/19C
3奈良)日出岳8441982/08/01
4三重)尾鷲806.01968/09/26
5香川)内海7901976/09/11A
6沖縄)与那国島765.02008/09/13
7三重)宮川764.02011/07/19C
8愛媛)成就社7572005/09/06B
9高知)繁藤7351998/09/24
10徳島)剣山726.01976/09/11A
11宮崎)えびの高原7151996/07/18
12高知)本川7132005/09/06B
13宮崎)神門694.52022/09/18
14静岡)湯ケ島689.52019/10/12D
15和歌山)色川6722001/08/21
16奈良)上北山661.02011/09/03
17高知)池川6442005/09/06B
18徳島)福原旭641.52011/07/19C
19埼玉)浦山635.02019/10/12D
20沖縄)多良間6291988/04/28
▲日降水量TOP20

Dは千曲川の堤防が決壊して北陸新幹線の車両基地が水没した台風です。

台風上陸地点人的被害
A昭和51年台風17号長崎市171人
B平成17年台風14号諫早市29人
C平成23年台風第6号徳島県南部3人
D令和元年台風19号伊豆半島108人
▲雨台風

Bが貯水率0%の早明浦ダムを1日にして100%まで満たした2005年台風14号です。

大川村の呪い

吉野川の源流碑は2つあります。俗にUFOラインと呼ばれている道の道路脇にあるのはこれです。木製階段を上がれば「吉野川源流」との碑石がありますが、この場所に水が湧いているわけではありません。標高は1600m台です。

吉野川源流の碑

見下ろせば絶景ですが、車同士ですれ違うのがやっとの道路ですので、長時間の滞在(駐車)は顰蹙です。水のある源流地点は見下ろした斜面の真南にあります。たどり着くにはせめて登山靴が必要で、「源流」との石碑があるようです。

高知と愛媛の県境付近に端を発する吉野川は四国を東に横断します。地図の青マーカーはアメダスです。

吉野川上流部
吉野川上流部(地理院タイルを加工)

早明浦(さめうら)ダムは1973年11月に本体工事の竣工式を行っています。当時は建設大臣だった金丸信氏の映像も確認できました。Wikiが1975年竣工としているのは関連施設を含めてのことだと思われます。

ダム湖に沈んだのは大川村と土佐町で、ダムそのものは土佐町と本山町の町境に建設されました。ダム工事のある土佐町と本山町は工事関係者の往来・宿泊・飲食で期間限定とはいえ潤いますが、沈むだけの大川村にメリットはありません。

大川村の国勢調査人口は1970年に1900人、ダム完成の1975年は933人です。昨年末時点の住民基本台帳人口は345人(210世帯)です。平成の大合併で大川村は土佐町や本山町との合併を企図しましたが、隣接する土佐町の住民投票が反対多数だったため法定協議会にも進めませんでした。

大川村は離島を除いて日本一人口の少ない村として有名です。旧・大川村役場はダム建設計画があるにもかかわらず、水没予定地に鉄筋コンクリート3階建てで建設されました。渇水のたびに姿を見せ、一部では「大川村の呪い」とも呼ばれることがあります。

吉野川と早明浦ダム

香川県は池田ダムから地下水路で引き込み、香川用水を通じて県内各地に分配しています。早明浦ダムの貯水率をもっとも気にしているのは香川県ですが、早明浦ダムは複雑な権利関係を有しています。当初は小歩危ダム計画もあったようです。

吉野川
吉野川(地理院タイルを加工)

愛媛県東予地方には吉野川支流の銅山川(どうざん-がわ、徳島では伊予川)が流れています。その名のとおり廃鉱となった銅山方面が源流ですが、4つのダム(地図の緑★)があり、新宮ダムから吉野川合流地点までは実質的に涸れ川の状態です。

愛媛県は香川県のように早明浦ダムからの分水を受けているわけではないはずですが、早明浦ダムの建設費を負担することで、銅山川から徳島県側への放水を絞る権利を手に入れました。Wikiに記載されている建設費の費用配分表をグラフ化すると次のようになります。

早明浦ダム建設費の負担割合

2005年との相違

給水制限最長記録は沖縄本島で1981年から翌83年にかけて続いた326日のようです。高松では早明浦ダム完成間近の1973年に「高松砂漠」と呼ばれる渇水を経験しています。早明浦ダム完成後の1994年には1日5時間給水を強いられました。

歴史的な一発逆転に救われた2005年は貯水率60%台で取水制限が始まっています。次表第3列と第4列は取水制限のカット率です。

貯水率徳島香川
6月15日61.2%14.1%20.0%
6月28日32.4%17.6%50.0%
7月08日36.8%19.0%50.0%
7月13日51.2%17.2%35.0%
8月01日32.9%19.0%50.0%
8月11日15.1%22.0%75.0%
8月18日0.0%
8月22日4.9%22.4%75.0%
9月01日0.0%
9月05日100.0%解除解除
▲2005年の早明浦ダム

今朝(2/16)7時の早明浦ダム貯水率は46.0%です。まだ稲作の時期ではありませんが、台風の時期でもありません。早明浦ダム上流のアメダス本川の降水量を調べてみました。

アメダス本川の月降水量
気象庁>本川(高知県) 2025年(月ごとの値)主な要素 など

前回2005年はその前年の年降水量が5000ミリを超えていました。地下水はあったはずです。今回は去年が少雨ですので、地下水の水位も下がっているものと思われます。しかもまだ2月です。

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