箱根で1日の降水量900ミリ、歴代全国1位を更新

川崎市内にアメダス観測地点はありません。川崎市は政令指定都市20市のうち唯一アメダス観測点を持たない自治体です。ただし、日吉の観測地点は川崎・横浜の市境となる矢上川から約600mです。雨量のみの観測地点ですが、校舎の屋上には風向風速計も見えます。クラブ活動としては部員3人の地学研究会があるようです。

神奈川県内のアメダス観測ポイントは全部で11地点です。台風19号が上陸した10月12日の雨量が観測史上1位となったのはそのうち6地点で、各観測地点の歴代10位に入らなかったのは横浜と三浦の2地点のみでした。

順位降水量地点従来の1位観測開始
1位922.5mm箱根528mm(2005/8/25)1976~
1位595.0mm相模湖325mm(1998/8/30)1976~
1位518.0mm丹沢湖495.5mm(2010/9/8)1976~
1位361.5mm相模原中央350mm(1991/9/19)1976~
2位256.5mm海老名259mm(1976/9/9)1976~
1位240.0mm小田原238.5mm(2010/9/8)1976~
1位210.0mm平塚203mm(1991/9/19)1976~
9位187.5mm日吉248mm(1989/8/1)1976~
6位173.5mm辻堂202mm(2003/8/15)1992~
▲2019年10月12日の日降水量

とりわけ箱根は全国の歴代1位でした。箱根も日吉同様雨量のみの観測地点です。その区画は衛星写真でバッチリ写っていますが、残念ながらストリートビューで確認することはできません。箱根の温泉街のおそらく私有地です。

アメダスの観測地点・箱根
アメダス観測地点の箱根(Google Earthプロ)

気象庁所管の日降水量歴代TOP10は次のとおりです。8年ぶりの記録更新でした。

降水量アメダス観測地点年月日
922.5mm箱根(神奈川県)2019/10/12
851.5mm魚梁瀬(高知県)2011/7/19
844mm日出岳(奈良県)1982/8/1
806mm尾鷲(三重県)1968/9/26
790mm内海(香川県)1976/9/11
765mm与那国島(沖縄県)2008/9/13
764.0mm宮川(三重県)2011/7/19
757mm成就社(愛媛県)2005/9/6
735mm繁藤(高知県)1998/9/24
726mm剣山(徳島県)1976/9/11
▲日降水量の歴代TOP10

さすがにもともと雨の多い地域が並んでいますが、ひときわ目を引くのが5位の内海(うちのみ)です。むしろ少雨で有名な小豆島の観測ポイントです。

1976年台風17号は長崎に上陸して日本海に抜けています。前線の関係で台風の進路から離れた地域でも記録的な大雨をもたらし、人的被害は死者・行方不明者171名です。10位の剣山も700ミリ超です。

内海では9月10日が194mm、11日が790mm、12日が233mmと3日間で1217mmに達しています。内海の降水量の平年値は箱根の3分の1以下の1099mmです。小豆島ではこの台風1つで1年分以上の雨が降ったことになります。

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