公営のモータープール

富士重工業株式会社さんは今年4月、「株式会社SUBARU」に商号変更しています。登記上の本店所在地は渋谷区恵比寿ですが、スバルの本拠地と言えるのは、やはり創業の地である群馬県太田市です。

太田市のWebサイトに「モータープール」の文言があります。「金山総合公園・モータープール」のページです。

昼間の金山とともに、夜の金山は恋人達のデートコースのひとつにもなっている。ドライブウェーを登りつめたモータープールの展望台からは、発展する「工業都市」が生み出した光の海が関東平野のかなたへと続いている。

新田金山(にったかなやま)の山頂部にある無料の駐車場のことで、Google Mapでも「金山総合公園・モータープール(展望台)」と表示されます。

あいにくストリートビューでは「モータープール」の看板は見当たらず、途中の分岐点の案内標識は「新田城跡」でした。実際にはどこかに表示されているのかもしれませんが、ストビューで確認できない以上はMAP掲載を見送ります。

公共機関がその有する施設を「モータープール」と称するのは、かなりレアなことだと思われます。単に「駐車場」で済む施設を、わざわざ「モータープール」と呼ぶのは企業城下町ならではなのかもしれません。

埋め込んだストビューは桐生市との境界付近にある太田市北部のジャパンスネークセンターの案内看板です。2012年8月撮影のものです。

館内の食堂ではヘビ料理も提供されています。私は蒲焼きや唐揚げが限界ですが、マムシの踊り食いもあります。

自動車メーカーやディーラーの一時保管場所

三菱自動車工業さんのプレスリリースです(1997/04/24)。

三菱自動車工業(株)では、近畿地区の乗用車新車物流の一層の効率化を目指して、兵庫県小野市に新車点検・納車整備工場を併設したモータープール「兵庫小野モータープール」を新設し、4月21日(月)に同モータープール内で竣工式を挙行した。<略>

今回新設した「兵庫小野モータープール」は同社としては、苫小牧、千葉、津田山、高槻に次ぐ全国で5か所目の乗用車集中新車点検・納車整備工場を併設したモータープールであり、大阪府及び兵庫県の販売会社向けの乗用車を一時保管し、納車前の点検・洗車・清掃並びにステレオ、エアコンなどのオプション用品装着を集約して行う。

「兵庫小野モータープール」はもう売却されているでしょうが、1997年のプレスリリースをWebで公開している企業はそう多くはないはずです。自動車業界では工場から出荷した自動車の一時集積所を「モータープール」と呼んでいます。

有価証券報告書にも「その他の設備」として「モータープール」の記載があります。三菱さんは子供向けの「自動車づくりのなぜなにボックス」でも次のように説明しています。(工場>Q16完成した車はどこに保管し、どのように販売店へ運ぶのですか?

たとえば、 岡山県の水島製作所の近くにあるモータープールは、おおよそ20,000 台保管でき、 水島港という港から 全国の大きな港へ専用の船で運びます。専用の船で一番大きい船は「きぬうら丸」という名前で、なんと乗用車を1,476台も積むことができます。
港に着いた車は、その港にあるモータープールに一度入れられます。ここできびしい新車点検を受け、 専用のキャリアカーで各販売会社に運ばれます。
なお、 車を工場近くのモータープールから全国の販売会社へ運ぶ途中の港などにも、一時保管するモータープールがあります

メーカーあるいはディーラーの一時保管場所がGoogle Mapに「モータープール」と記載されているのを見かけますが、ストリートビューで訪ねると看板が見当たらず、MAPに反映できないケースが多々あります。

苫小牧では、三菱さんではなくスバルさんのモータープールに看板がありました。2012年6月のストリートビューです。

求人関係でも「モータープール」はしばしば登場しますので、一定の範囲では定着している言葉だと理解してよさそうです。「みんなのお仕事体験談まとめ」さんの「モータープールのスタッフ」です。

—すいません、まずモータープールって何ですか?

新車、まずはディーラーにおろすまでの間、
置いておく場所のことをモータープールといいます。

車を沢山積むトレーラーがおろしてくれた車を
同じ車種と場所ごとに決まっているので、自分で運転して、
移動させる仕事をしていました。

日本最東端のモータープール?

根室では「モータープール」を発見することができませんでした。日本最東端の「モータープール」は、Google Map上では野付郡別海町の山下運輸株式会社さんのようです。

ただし、ストリートビューでは「モータープール」の看板を見つけることはできませんでしたので、今回のルールに基づき「MAP」には反映させていません。ストビューでは「山下整備工場」の建物が確認できます。

山下運輸株式会社と同住所に山下建設株式会社の法人登記もあります。別海町の人口は約1.5万人です。引っ越しから車検まで手広く扱っているものと思われます。モータープールが重機関係に由来するのか、整備工場関係なのかは判別しかねます。

山下姓は西日本とりわけ九州に多い苗字です。「姓名分布&ランキング 写録宝夢巣」さんで検索してみると、全国順位は26位、東京では42位、北海道でも46位ですが、鹿児島では2位、香川で3位、熊本と長崎で7位、石川で9位、福岡と宮崎で10位でした。

さて、Google Map上で山下運輸さんの近くに「別海駅跡」を発見した私は、Google Mapを航空写真に切り替えて廃線跡を辿ってみました。根室本線厚床駅と標津線中標津駅を結ぶ標津線厚床支線が通っていたようです。

標津線は1989年に廃止されています。別にそちら関係のマニアではないつもりですが、どこか心が騒ぐのは素質を持っているからなのかもしれません。厚床支線で駅舎が残っているのは奥行臼(おくゆくうす)駅のみです。

Google Mapを航空写真に切り替えて、廃線跡を南の厚別駅方面に辿ってみました。で、気になったのがこの小さな建物です。2014年6月のストリートビューを埋め込みました。

サイズ感としては公衆トイレっぽい感じですが、ガラス張りのトイレは悪趣味です。路線バスの待合所チックでもありますが、バス停は40mほど離れています。待合所としては実用的ではないかもしれません。

この250mほど奥には、側線を復元敷設した奥行臼駅が廃線当時のたたずまいで保存されています。さらに50mほど南下すると、村営軌道のレールバスや機関車が展示保存されているというマニア向けスポットです。

ここを訪れた人の複数のブログを読んでみましたが、この謎の建物には触れられていませんでした。取るに足りないものではあるのでしょう。

もう1つ、私が気になったのは「パイロット国道」です。国道243号線には「パイロット国道」の通称があり、その名も「パイロットマラソン」というフルマラソンの大会も開かれているようです。

なぜ、パイロットなのでしょう? 一般的に考えられるのは、(1)直線道路が滑走路のようだから、(2)空港または航空関連施設がある(あった)から、といったあたりです。

ただし、北海道にはこのクラスの直線道路はいくらでもあります。それに243号線は空港のある中標津を微妙に迂回します。パイロット国道の「パイロット」とは、操縦者の意味ではなく、「パイロット版」=試作版のほうでした。

1956年の「根釧パイロットファーム構想」に由来するもののようです。約360戸が入植して、残ったのが110戸ということですが、結果としては酪農地帯の形成に成功しています。

重機置場としてのモータープール

MAPの並び順をどうしたらいいものか、しばし考えた末に無難に郵便番号順で行こうと決めました。手順の関係で、まずは最北のモータープールを探すことにしました。旭川に2か所のモータープールがあることは既知です。

旭川より高緯度のモータープールを探しているうちに、一般財団法人ダム技術センターの「ダムニュース」No.263(平成17年10月)がヒットしました。

 忠別ダムは,平成18年春から試験湛水を開始する予定となっており,今回は水をためる前の最後の親子見学会となりました。当日は,水源地域である東川町,東神楽町,美瑛町および利水者である旭川市から全部で236名の参加がありました。

今年は,忠別ダムインフォメーションセンター,取水塔・ダム堤頂部,モータープールおよび仮排水路の4箇所の見学を行いました。仮排水路は,今年度中には閉塞してしまう箇所であり,ダム下流面からダムの大きさや高さを実感できる場所ということもあり,参加者からは大きな歓声が上がっていました。

モータープールではダム建設現場で使用している大型重機を展示しており,普通ではなかなか見られない46tダンプトラックなどに搭乗したり,

建築・土木業界では工事現場や建設会社等の重機置場を「モータープール」と呼んでいるようです。あいにく忠別ダムは竣工から10年過ぎていて、重機が並んだモータープールはすでに存在しません。

その方面で調べてみたところ、見つかりました。重機関係のモータープールで看板まで掲げてあるケースは珍しいかもしれません。埋め込んだストリートビューは2012年7月撮影のものです。フェンスの奥にはクレーン車がそびえています。

複数の業界で「モータープール」という言葉は使われており、一部では修理工場のニュアンスが含まれているようですが、車両が集積しているところという点では共通しています。