無人島の空港、アメダス慶良間(けらま)は観測休止

空港のある外地島は無人島

波照間空港の「志多阿原」(したあばる)とともに、慶良間空港の「慶良間」航空気象観測所も2020年1月1日限りで観測休止になっています。慶良間空港に定期便は就航しておらず、空港がある外地島(ふかじじま)は無人島です。

外地島は空港施設以外には島の北西部に展望台がある程度です。もともと民間企業がリゾート開発で1982年に建設したのが慶良間空港です。その民間企業とは豊田商事の関連企業でした。

1985年の会長刺殺事件を受けて、翌年に空港はJAL系の琉球エアーコミューターに引き継がれます。1989年には外地島の北の有人島・慶留間島(げるまじま)と橋で結ばれ、1998年にはさらにその北の阿嘉島(あかじま)まで道路橋で接続されます。

座間味村と渡嘉敷村
座間味村と渡嘉敷村(地理院タイルを加工)

この間に空港管理は県に移行しますが、琉球エアーコミューターの定期便は2006年に撤退しました。現在は片道料金99,000円で5人まで搭乗可のタクシーヘリが運行されていますが、もちろん接続のバスはありません。

無人島の空港ですからレンタカー店もないはずです。空港ターミナル?から1キロ歩いて橋を渡れば、人口100人足らずの慶留間島の集落に到着しますが、慶留間にもレンタサイクルさえありません。タクシーは阿嘉島に1台だけあるそうです。

アメダス慶良間

ヘリならわざわざ不便な場所にある空港でなくてもいいのではないかという気もしなくもありません。阿嘉島(あかじま)と座間味島(ざまみじま)の間の船舶が欠航しているときに限り、タクシーヘリは座間味ヘリポート離着陸になるようです。

2014年5月撮影のストビューを埋め込みました。奥に小さく見える紅白の塔が風向風速計だと思われます。座間味村では空路・海路を問わず、また村民・観光客を問わず、入村に際して100円の「美ら島税」が徴収されています。

ところで、アメダス慶良間に一番近い観測地点はアメダス渡嘉敷(地図の赤マーカー)です。渡嘉敷島は隣村になりますが、直線距離では8キロほどです。慶良間と渡嘉敷の気温を比較すると意外な差がついています。

たとえば、2019年の平均気温は慶良間が23.7℃で渡嘉敷は21.9℃です。年最高気温は32.9℃に対して30.9℃、年最低気温も12.7℃に対して11.4℃です。どうやら、これは標高の差(慶良間48メートル、渡嘉敷220メートル)に起因するものと思われます。

なお、同じように定期便のない佐渡空港の秋津と福井空港の春江を念のため調べてみましたが、観測は継続されていました。

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