どうしてこうなった…
JR東北本線が宮城県から岩手県に入って2つ目の駅が花泉駅です。駅の750mほど北に天神橋があります。北上川の支流・金流川(きんりゅうがわ)に架かる橋です。天神橋の南詰には「天神前」の町域名があり、鳥居マークも見えます。
花泉天満社は鳥居の手前に狛犬が配置されています。この配置は江戸時代以降に限定されるようです。Google Mapに投稿されている花泉天満社の画像に「駅前町愛会」による説明板があります。
岩手県一関市花泉町 花泉鎮座
https://goo.gl/maps/NSHEzFvapipSuvrj8
天満社(通商 花泉天満宮)
一、御祭神 菅原道真公 木花咲耶姫命
一、由緒 應永34年(1416年)9月25日中村城主中村和泉守平信房の勧請
「通商」はやはり「通称」の誤りなのでしょうが、私が気になるのは最終行の「昭和55年10月25日」です。この画像が撮影されたのは2017年3月になっています。雨風にさらされる屋外設置の説明板と思われますが、30数年経っているとは思えないほど鮮やかです。
花泉町は2005年の合併で一関市になりました。「岩手県一関市花泉町」は2005年9月20日以降でなければ存在しません。1980年10月の段階では「岩手県西磐井郡花泉町」です。そうすると、所在地以外の文言はそのままで、合併以降に説明板が新調されたものと考えるのが妥当です。おそらく「通商」もその際に生じてしまったミスなのでしょう。
一関市藤沢町の天神橋
一関市には旧・藤沢町にも天神橋があります。藤沢町西口と藤沢町藤沢の町域境で大平川を渡る県道21号線の橋です。大平川は天神橋を過ぎてすぐに黄海川(きのみがわ)に合流します。黄海川もまた北上川の支流です。
もっとも近い鳥居マークは山中です。天神橋(左下の赤マーカー)からほぼ1キロ離れていますが、ここに本当に神社が現存するのかどうかはわかりませんでした。航空写真ではこんな感じです。
あったとしても無人の施設でしょうし、祠レベルだとすれば航空写真では判別不能です。ストビューで天神橋の周囲を探索した結果、青の▲印の場所に赤い鳥居が見えました。は2013年8月撮影のストビューを埋め込んでいます。
残念ながら神額は読み取れません。これが地理院地図の鳥居マークなのかもしれません。神社系のサイトも巡ってみましたが、確認することはできませんでした。ただし、気になる情報はあります(下記引用文中の太字を施したのは私です)
元禄十年(1697)松平陸奥守藩中地頭奥山隼人領地へ移転当藤沢本郷に転住の際、多年崇敬の氏神たるをもって陸奥国名取郡岩沼に鎮座する竹駒神社の分霊を奉じ、当藤沢天神山に勧請鎮座し奉り、以来各民神徳に感じ信仰積年に多く、嘉永三年(1850)三月中、社殿再興の際大平に遷宮鎮座奉れり。
岩手県内神社検索>竹駒神社
維新まで時の家老が御名代として年4回奉幣料として金二百疋ずつ供進せられたり。
昭和五十三年(1978)七月十三日付をもって現在地に社殿を新築移転せり。
竹駒神社は藤沢天神山(天神橋から直線5キロ東)から大平に移り、大平から早道に移っています。天神橋の架橋時期が竹駒神社の早道移転前なら大平に神社があったわけです。竹駒神社の祭神は稲倉魂命(うかのみたまのみこと)とされていますので稲荷系ですが、天神山から移ってきた天神様だったのかもしれません。
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