分水嶺を抱える天栄村、羽鳥湖の雪解け水は太平洋側へ

アメダス湯本

アメダス那須高原から北に約17キロ、県境を越えた福島県天栄村田良尾(てんえいむら たらお)にアメダス湯本の観測所があります。天栄村の湯本地区からは5キロ以上離れた国道118号線沿いの公共施設の敷地内です。「花より男子」のロケで使われたブリティッシュヒルズはアメダス湯本と同じ田良尾地区です。

アメダス湯本

天栄村は1955年に牧本村・湯本村・大里村の3村と広戸村の一部が合併して発足しています。アメダス観測所の名称は旧村名から採られたものです。旧・湯本村は、1889年の町村制施行の際に羽鳥村・田良尾村・湯本村の3村が合併して発足していますので、現在の湯本地区は当時の湯本村に相当するのでしょう。

アメダス湯本の標高は640mで、4月まで雪が残るようです。天栄村の人口は5,167人(20/10/1現在)ですが、この村は太平洋に注ぐ阿武隈川水系と日本海に注ぐ阿賀野川水系の分水嶺を抱えています。一般的には分水嶺は市町村境になるはずですが、昭和の大合併で分水嶺を挟んだ3村が合併しています。

阿武隈川と阿賀野川の分水嶺と羽鳥湖

隈戸川と鶴沼川
隈戸川と鶴沼川(地理院タイルを加工)

大きい赤のマーカーは阿武隈川本流の源流、小さい赤のマーカーは阿武隈川水系の支流の源流、赤のラインは隈戸川(くまとがわ)→釈迦川、紫のマーカーが阿賀野川水系の源流、紫のラインは鶴沼川、屈曲部の青は羽鳥湖(ダム湖)、茶色の小さな三角は標高881mの天栄山です。

地理院地図を拡大すると、羽鳥湖の西側に青い点線が引かれています。ちょっと匂います。

羽鳥湖の導水路
羽鳥湖(地理院タイル)

画像中央に標高726mの測量点がありますが、水色点線の端は標高687mです。この点線は上の地図の赤▲印につながっています。隈戸川源流付近です。その標高は673mです。ということは、あれに違いありません。

羽鳥湖は、阿賀野川水系・鶴沼川に建設された羽鳥ダムによってできた人造湖です。羽鳥湖の湖底には羽鳥村57戸の集落が沈んでいるそうです。青い点線は導水路でした。日本海に注ぐはずの雪解け水は、この導水路を通って2000ha以上の田畑を潤す灌漑用水として阿武隈川に合流し、最終的には太平洋に注ぎます。1941年に計画された羽鳥ダムは1950年に着工、1956年に完成しています。

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