気温とコロナの関係を検証してみると15℃の壁が…

新型コロナの伝播力が強いのは気温が11℃から5℃のときだとされています。10月以降の東京、札幌、広島の日平均気温をグラフにしてみました。各気象台の観測値は気象庁のWebサイトから拾いました。

東京、札幌、広島の日平均気温

札幌の平均気温が11℃を下回るようになったのは10月末であり、11月下旬以降は5℃未満に下がっています。東京も広島も大阪も名古屋も日平均気温に大差はありませんが、これらの地域で11℃を下回るようになったのは11月末です。

東京都、北海道、広島県の新規陽性者数は次のように推移しています。NHKの特設サイトから1週間単位の数値を拾いました。

北海道が増え始めたのは10月下旬です。感染から発症までのタイムラグを考慮すると、必ずしも11℃に連動しているわけではなさそうですが、気温の低下とともに陽性者は増えています。一方、北海道の新規陽性者数が下降局面に入ったのは11月下旬です。5℃未満の時期とタイムラグなしで一致しています。

東京では11月上旬から新規陽性者が増え始めています。私が第3波認定したのは11月3日でしたが、この時点で東京の平均気温はまだ15℃前後です。

広島は9月下旬にさざ波が立っており、評価が難しいところですが、第3波と言えるほどに増え始めたのは11月末です。日単位では11月18日に第2波以来の14人、11月28日に第1波以来の23人、12月3日に第1波を超える46人の新規陽性者が出ています。

外が寒ければ屋内に密集することになります。ヒト・ヒト感染ですから、距離が縮まれば感染は多くなる理屈です。暑くても雨が降っても同じ現象は起きがちです。上の2つのグラフからは、15℃を切ると(タイムラグなしに)感染拡大するという傾向があるように読み取ることもできそうです。

国内主要都市の平均気温の平年値(1981~2010年の平均)は次のとおりです。

札幌仙台東京名古屋大阪福岡
1月上旬-2.9℃2.1℃5.5℃4.8℃6.4℃7.2℃
1月中旬-3.7℃1.6℃5.1℃4.6℃6.1℃6.7℃
1月下旬-4.2℃1.3℃5.0℃4.1℃5.5℃6.0℃
2月上旬-3.8℃1.5℃5.2℃4.3℃5.7℃6.6℃
2月中旬-3.2℃2.1℃5.7℃5.4℃6.5℃7.7℃
2月下旬-2.0℃2.7℃6.3℃6.0℃7.0℃8.1℃
3月上旬-1.3℃3.5℃7.3℃7.1℃7.9℃8.8℃
3月中旬0.8℃5.0℃8.9℃8.7℃9.5℃10.5℃
3月下旬2.3℃6.1℃9.8℃10.1℃10.8℃11.6℃
4月上旬5.1℃8.6℃12.2℃12.5℃13.2℃13.6℃
4月中旬7.1℃10.2℃13.9℃14.5℃15.2℃15.1℃
4月下旬9.2℃12.2℃15.7℃16.2℃16.9℃16.8℃
5月上旬11.1℃14.0℃17.4℃18.0℃18.8℃18.6℃
▲6都市の平均気温の平年値

思えば、第1波は北海道から始まりました。緊急事態宣言が段階的に解除されたのは4月中旬から下旬でした。ちょうど15℃の壁の時期になります。ということは、この冬は確実に長くなるのではないかと思われます。なお、気温が低すぎると伝播力が弱まるかどうかは今後の北海道の数値で実証されるわけです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました