世界で8番目に新型コロナ感染者数が20万人を突破したペルーがようやくピークアウトを迎えたようです。この1週間の新規感染者数は前週だけでなく前々週をも下回りました。
ペルーの南に接するチリはまだ頂上が見えませんが、チリは回復者比率が高く、アクティブの要隔離者数はコロンビアと同じ2万4000人台でペルーの4分の1以下です。ペルーに隣接する5か国を加えた感染状況は次のとおりです。
感染者 | 死亡者 | 回復者 | 致死率 | 人口比 | |
ペルー | 208,823 | 5,903 | 98,031 | 2.8% | 1.816 |
エクアドル | 44,440 | 3,720 | 21,862 | 8.4% | 2.141 |
コロンビア | 42,206 | 1,439 | 16,566 | 3.4% | 0.286 |
ブラジル | 772,416 | 39,680 | 413,916 | 5.1% | 1.880 |
ボリビア | 15,281 | 512 | 2,261 | 3.4% | 0.445 |
チリ | 148,456 | 2,475 | 121,780 | 1.7% | 1.306 |
ペルーの北はガラパゴス諸島を擁するエクアドルです。エクアドルは南米で唯一BCGワクチンの全員接種をしていない国です。エクアドルの致死率の高さが、「ファクターX=BCGワクチン」説を後押ししています。
5月23日付で集約したときの人口1万人当たりの死亡者数は、エクアドル1.692人に対して全員接種のペルーは0.968人でした。今回はエクアドル2.141人に対してペルーは1.816人と、その差がかなり接近しています。もしエクアドルの検査が追いついていないのだとすれば、BCGワクチンはあまり関係ないのかもしれません。
ペルーの感染者の6割近くは首都のリマに集中しています。死亡者数でも4割以上です。ペルーで最初の感染者が確認されたのは3月6日です。スペインやフランスから2月26日に帰国した渡航者で3月4日の発症です。ペルー政府は3月15日に国家緊急事態令を発令し、翌16日から陸海空の国境を閉じて国内の移動制限も始まりました。
突然の国境封鎖でしたので日本人も多く足止めされ、5月中旬の時点でも80人が残されているという報道もあります。一部の州ではデリバリーさえも禁止され、夜間外出禁止令が午後4時から適用される州もあったようです。陽性率は10%前後ということですので、それほど検査が少ないわけでもありません。
ペルーのICU病床数は500床程度だそうです。どうしても不思議でならないのが、医療が整っているはずのいわゆる先進国の致死率がなぜペルーより高いのか、ということです。民度の問題というアンサーに私は同意できません。
別にペルーの民度が低いと言いたいのではありません。リマ市当局は文化遺産であるアチョ闘牛場を市内の路上生活者のための避難施設として開放しているということです。
埋め込んだのは2013年6月撮影のストビューです。ペルーの国境付近には蚊取り線香のようなオブジェが設置されています。「Perú」はペルーの主たる公用語であるスペイン語です。
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