結核と新型コロナの都道府県別死亡者数を比較すると

吉村大阪府知事が生出演していた12月5日朝放送の「ウェークアップ！ぷらす」を私はネットで見ましたが、辛坊キャスターが大阪の結核罹患率に言及する場面がありました。去年の時点で日本最大の感染症は結核でした。面白そうなので、都道府県別の結核患者数などを調べてみました。

「17患者」は2017年の結核患者数（疫学情報センター＞都道府県別結核病床利用状況および都道府県別保健師結核訪問実施状況）、「17死者」と「18死者」は2017年と2018年の結核による死亡者数（同センター＞都道府県別結核・肺がん死亡者数および率）、「18率」は2018年の人口10万人当たりの結核による死亡率（同）、「コロナ」は新型コロナによる死亡者数（時事通信＞データで見る「新型コロナウイルス」感染状況）から引っぱりました。

	17患者	17死者	18死者	18率	コロナ
北海道	738	61	70	1.3	241
青森	351	33	22	1.7	6
岩手	278	11	20	1.6	4
宮城	165	20	30	1.3	10
秋田	180	17	19	1.9	1
山形	166	12	9	0.8	1
福島	361	33	29	1.6	8
茨城	765	57	61	2.2	23
栃木	512	30	28	1.5	2
群馬	409	28	23	1.2	22
埼玉	1,997	113	97	1.4	153
千葉	1,642	89	94	1.5	91
東京	5,529	239	219	1.6	511
神奈川	902	145	126	1.4	213
新潟	276	23	29	1.3	0
富山	226	11	16	1.5	26
石川	263	13	15	1.3	50
福井	171	12	15	2.0	11
山梨	161	13	12	1.5	9
長野	361	25	37	1.8	6
岐阜	651	36	46	2.4	14
静岡	490	63	65	1.8	14
愛知	1,543	137	137	1.9	129
三重	495	37	36	2.1	9
滋賀	393	17	19	1.4	11
京都	343	53	58	2.3	39
大阪	2,146	290	250	2.9	352
兵庫	1,228	145	99	1.8	94
奈良	388	27	15	1.1	13
和歌山	263	16	24	2.6	7
鳥取	156	9	6	1.1	0
島根	173	9	10	1.5	0
岡山	330	36	30	1.6	11
広島	446	46	55	2.0	6
山口	409	31	34	2.5	2
徳島	230	23	23	3.1	9
香川	315	17	22	2.3	3
愛媛	303	18	20	1.5	6
高知	204	8	11	1.6	4
福岡	778	82	86	1.7	109
佐賀	274	23	12	1.5	2
長崎	488	30	23	1.7	3
熊本	337	45	37	2.1	13
大分	393	22	27	2.4	3
宮崎	284	23	15	1.4	1
鹿児島	499	34	33	2.1	13
沖縄	451	30	25	1.7	72
全国	39,670	2,303	2,204	1.8	2,327
大阪市	1,895	124	104	3.8	194

▲都道府県別の結核患者数等

2017年あるいは2018年の結核による全国の死亡者数と、12月5日時点の新型コロナ死亡者数はほぼ同数ですので、比較しやすくなっています。大阪以外で結核による死亡率が高いのは、茨城、京都、和歌山、山口、徳島、大分といったところですが、これらの府県のコロナ死亡者数や感染率はそれほど多いわけではありません。

結核予防のワクチンはBCGです。第1波の頃、「ファクターX」の1つとしてBCG有効説が言われました。BCG接種国のブラジルやインドが感染大国となり、メキシコやペルーでもコロナ感染が広がったことで、顧みられることはなくなりました。