奥四万湖(おくしまこ)下流のアメダス中之条

読み方注意

人口約1万5000人の群馬県中之条町は榛名山の北側です。都心から向かうと草津温泉の手前になります。吾妻線中之条駅の南側を東流する利根川水系吾妻川には、四万川(しまがわ)ダムから四万川が合流しています。あくまでも「しま」であって「しま」でも「よんま」でもありません。四万川ダムによって形成された人造湖は「奥四万湖」です。

アメダス中之条
アメダス中之条(地理院タイルを加工)

四万川ダム天端の標高は760~770mほどです。ダムの下流域には「千と千尋の神隠し」のモデルと言われている老舗の温泉旅館を含めて2キロほどの温泉街が続きます。駅から車で30分程度です。

中之条町の中心市街地はもちろん駅の近くです。みかん投げの鳥追い祭は2021年は中止になっています。毎年1月14日開催です。アメダス中之条は中之条駅を出て正面の坂を登った突き当りにがあります。標高は354mとされています。

アメダス中之条

アメダス中之条

アメダス中之条の2020年の観測値は次のとおりです。

年降水量1202.5ミリ1053位/1293地点
年平均気温12.8℃539位/922地点
年平均風速1.5m/s706位/921地点
年日照時間2058.6時間143位/841地点
▲アメダス中之条の2020年の観測値

降水量は少なめで日照は長めですが、これは中之条駅付近の観測値であって四万温泉の観測値ではありません。

アメダス中之条の月別降水量
アメダス中之条の月別日照時間

「四万の病を癒す霊泉」という伝説

観光協会のWebサイトには四万温泉の由来について次のような記載があります。

四万温泉の名前は、四万の湯が『四万(よんまん)の病を癒す霊泉』であるとする伝説に由来します。

一般社団法人四万温泉協会>四万の歴史と現在

これは後付けの「伝説」でまず間違いないはずです。たしかに「風邪は万病のもと」という表現はあります。「5万」や「6万」でないのは謙虚さを反映したものかもしれませんが、4万でなければならない必然性はありません。私は、川の中州から温泉が湧いていたからシマ温泉という説(←根拠なし)を唱えたいとさえ思っています。

四万温泉の開湯は奈良時代もしくは平安初期と言われています。四万川と四万温泉の先後関係については、四万川上流にあるから四万温泉と名付けられたのではなく、四万温泉から流れる川だから四万川と呼ばれるようになったのではないかと私は考えています。

地理院地図を「四万」で検索すると、ヒットするのは四万川以外では次の3か所だけです。

  1. 埼玉県秩父市の四萬部寺(秩父三十四所観音霊場の1番寺院)
  2. 高知県の四万十川
  3. 熊本県美里町の四万丈(山の名前)

中之条町の四万川が合流した吾妻川は利根川に合流します。利根川と秩父は距離があります。4万部の仏典を読経して経塚を築いたというのが四萬部寺(しまぶじ)の由来ということですので、両者は関係ありません。

熊本の四万丈(しまんじょう)は、もし「丈」が距離の単位だとすれば3mの4万倍で120キロというとんでもない数値になります。実際には山頂近くの三角点は標高750mです。四万十川については支流域に四万川と十川という地名があります。

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