聖火リレー前後の感染状況(和歌山~熊本)

さざ波なのに渡航禁止(笑笑)

アメリカの国務省が日本への渡航警戒レベルを「渡航中止・退避勧告(Do Not Travel)」に引き上げました。

アメリカ国務省>Travel Advisories

シンガポール、ベトナム、韓国はレベル2で、中国、台湾、香港、タイはレベル3です。オーストラリアやニュージーランドもレベル3ですので、単純に人口当たりの感染者数で線引きしているわけではありません。感染者数+ワクチン接種数=抗体保有者数という冷静な評価があるものと思われます。

「さざ波」は去年から木村盛世氏が使っていた表現ですが、木村氏はさざ波なのに医療が追いつかないことを一貫して問題にしています。これに対して、退任した内閣参与はさざ波を五輪に絡めています。五輪開催の可否は波の大小で判断されるべきものではなく、日本の医療がその負担に耐えられるかどうかに左右されます。さざ波であってもアメリカはレベル4としたわけです。

聖火リレー前後の週間感染者数の比較

都道府県別に聖火リレー初日の前日までの1週間の新規感染者数(A)、聖火リレー初日から1週間の新規感染者数(B)、その翌週の新規感染者数(C)、さらに翌々週の新規感染者数(D)を調べてみました。第2弾です。

和歌山は聖火リレー初日が4/9ですので、4/2-8(A)、4/9-15(B)、4/16-22(C)、4/23-29(D)の連続した4週間になります。熊本は5/3が聖火リレー初日ですから、4/25-5/2(A)、5/3-8(B)、5/9-15(C)、5/16-22(D)の4週です。

初日A前週B聖火C翌週D翌々
和歌山4/09150212277195
奈良4/11535530572687
大阪4/135,9147,7437,7927,865
徳島4/15137239224197
香川4/177297122174
高知4/1917267853
愛媛4/21252243177137
大分4/2396343346520
宮崎4/2577122277267
鹿児島4/2767233327312
沖縄5/015114367331,073
熊本5/03360454700536
▲聖火リレー前後の新規感染者数の推移

聖火リレーはランナーと警備車両だけが走るのではなく、スポンサーの随伴車両が連なります。30台ほど続くこともあるようです。沿道の観覧者はリレー当日に発生するだけですが、準備に関わる関係者にとってはその前の週がピークなのかもしれません。

Aの週とCの週の比較で、Cの週が下がったのは12府県のうち愛媛だけです。A週とD週の比較でも愛媛以外は増えています。B週とD週の比較では愛媛に加えて和歌山と徳島が減っています。

C/AD/AD/B
和歌山1.851.300.92
奈良1.071.281.30
大阪1.321.331.02
徳島1.641.440.82
香川1.692.421.79
高知4.593.122.04
愛媛0.700.540.56
大分3.605.421.52
宮崎3.603.472.19
鹿児島4.884.661.34
沖縄1.432.102.46
熊本1.941.491.18
▲週ごとの比率

もし聖火リレーが感染者数に影響するとしても、それはごく限られた範囲でしかないはずです。この期間はまだ右肩上がりの時期ですので、増えていても不思議ではありません。

実効再生産数とgoogle予測値

NHK特設サイトによる直近1週間の新規感染者数が第3ステージ相当以上の都道府県は次のとおりです。

直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数
直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数(NHK 5/23)

この26都道府県について、東洋経済ONLINE特設サイトによる実効再生産数は次のように推移しています。ひと頃に比べればずいぶん落ち着いていますが、沖縄と北海道はまだ「1」を超えています。富山、高知、青森なども気にならないわけではありません。

5/215/225/23予測
北海道1.081.061.0970.3
青森1.001.121.1414.4
山形1.281.241.306.8
群馬0.740.770.828.0
埼玉0.830.810.8115.4
東京0.800.810.8613.7
神奈川0.940.910.9116.0
富山1.821.651.787.6
石川0.710.780.7422.4
岐阜0.920.870.8131.9
愛知1.020.990.9937.5
滋賀0.910.880.8716.0
京都0.981.061.1321.6
大阪0.730.700.6726.0
兵庫0.680.710.6811.6
奈良0.800.740.6914.7
岡山0.890.840.7752.1
広島1.170.931.0069.8
山口0.900.860.9025.9
高知1.812.212.692.5
福岡0.820.770.8036.0
佐賀0.720.760.7665.4
熊本0.951.021.0837.5
大分0.710.690.6635.1
鹿児島0.820.860.8823.7
沖縄1.331.301.4046.8
全国0.880.870.8622.5
▲実効再生産数とgoogle予測値

右端の「予測」は最新(5/21)のgoogle予測値を週10万人当たりの感染者数に換算したものです。google予測値はこの3日間更新されていません。google予測値がなかなか更新されないのは、あまりいい傾向ではありません。4/1には全国で9.1万人の予測だったのに、5日ぶりに更新された4/6は67万人という文字どおり桁違いの数値でした。

逆の目が出るのかもしれませんが、今日(5/25)・明日の予測値が注目されます。28日間の予測値が全国で7.6万人以上ならステージ3相当、12.7万人ならステージ4相当ということになります。午前9時半頃に更新されることが多いようです。

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