姪島は1k㎡あるのか?
母島列島に姪島(めいじま)と名付けられた無人島があります。
Wikipedia「姪島」のページではその面積が1.11km2と記載されています。
Wikiの「姪島」のページは2016年8月6日に新規作成されています。履歴で確認したところ、作成当初から面積は1.11km2です。
全国都道府県市区町村別面積調
国土地理院は市町村ごとの面積を「全国都道府県市区町村別面積調」と題して毎年公表しています。この中には面積が1km2以上の湖と島も付されています。
姉島や妹島の記載はありますが、姪島は掲載されていません。つまり、2021年時点の国土地理院的には姪島の面積は1km2未満ということになるわけです。
また、小笠原諸島の世界遺産登録に際して2009年に日本政府が発行した「世界遺産一覧表記載推薦書(案)」には姪島の面積が「93.63」haと記載されています。1km2=100haです。
この数値は「周辺の岩礁等」を含むものですので、姪島単体の面積はこれより小さく90ha前後になるだろうと推測できます。
Wikipediaには「小笠原群島」のページがあり、各島の面積や最高標高などが表形式で記載されています。ここでも姪島の面積は「1.11km2」です。2007年6月22日の新規作成で、作成当初からこの数字です。
Wikiには「母島列島」のページもあります。ここでも姪島の面積は「1.11km2」とされていますが、この数値に対しては2019年5月25日に「Paalon」さんによって「要出典」の注が施されています。2018年の「全国都道府県市区町村別面積調」で1km2以上のリストに非掲載であるとの指摘です。
島の面積は隆起や沈下がなくても、波に削られれば減ることになりますし、遠浅の海岸に砂が堆積したり岩石が崩れてきたりして増えることもあります。姪島に関しては、現状では「1.11km2」ないのでしょう。
どうやら1991年に日外アソシエーツさんから出版された「島嶼名辞典」の「1.11km2」が出典ではないかと思われます。
母島の面積も減少
母島の面積も異なります。Wiki「母島」と「小笠原群島」のページでは19.88km2、2021年「全国都道府県市区町村別面積調」も同じです。Wiki「母島列島」のページでは20.21㎞2ですし、東京諸島観光連携推進協議会のWebサイトでは21.21㎞2です。
さすがに信用度が落ちる観光(旅行)系サイトです。別に捏造したわけではないはずです。過去のある時点では21.21km2だったのでしょうが、人口だけでなく面積も変わるものだったりするわけです。
母島へのアクセスは父島からの航路に限られます。竹芝から父島まで24時間です。父島着の1時間後に母島行きの船が出ます。所要時間が2時間ということですので、母島に辿り着くのは竹芝出港から27時間後です。
常夏のイメージもあるかとは思いますが、1~3月は平均気温も20℃を下回ります。12月~5月頃にご来島の方は朝夕の寒さ対策をお忘れなく!!また、冬でも日差しは強いです。日中に海や島内散策に出かける際には、帽子・サングラス・日焼け止めの用意を忘れずに!!
小笠原母島観光協会>母島の気候と服装は?冬でも温かいですか?
「寒さ対策」とは長袖も必要という程度です。竹芝以外の出発地はありませんので、出港時の服装で十分です。最低気温が10℃以下になることは冬でも滅多にないはずです。だからと言って、冬にウエットスーツなしで泳げるわけではありません。
アメダス母島
アメダス母島は雨量観測のみです。テニスコートの近くに雨量計が設置されています。
2020~2020年の観測値は次のとおりです。
2020年 | 1749.5ミリ | 681位 | /1293地点 |
2021年 | 1571.0ミリ | 812位 | /1293地点 |
2022年 | 1689.5ミリ | 520位 | /1285地点 |
私には多雨のイメージがありましたが、いたって平均的です。2018年から2020年の月別降水量をグラフ化してみました。
梅雨前線は母島の北に居座るのが一般的です。このため、小笠原諸島については梅雨入り・梅雨明けは発表されません。ただ、母島の5月と6月の降水量はやや多めです。
【2023/10/20追記】2023年10月18日に日降水量262.0ミリを観測しています(観測史上1位)が、アメダス母島の観測開始は2007年8月です。
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