氷点下35.8℃のアメダス占冠（しむかっぷ）

2020年国勢調査速報値で外国人比率が高い自治体と外国人ゼロの自治体は次のとおりです（双葉町を除く）。「増減率」は2015年国勢調査からの増減率（％）、「平均」は平均年齢（歳）、「外国人」は外国人比率（％）です。

▲外国人比率の高い自治体

1位・川上村と3位・南牧村は農場、2位・大泉町は工場ですが、4位・占冠（しむかっぷ）村では観光に従事しています。

外国人比率が高い占冠村の月ごとの人口の推移は特徴的です。分母が少ないだけに300人もの年変動は比率としては大きくなります。

占冠村の集落は、村役場付近の「中央」（占冠ICの西）、占冠駅付近の「占冠」、トマムIC付近の「上トマム」にほぼ集約されます。

占冠駅とトマム駅は営業キロ数で21.3キロです。トマムリゾートに勤務する外国人がわざわざ村の西側の「中央」や「占冠」に住むはずはなく、それどころか行政上の手続き以外では村の西部を訪れることもないものと思われます。

占冠の由来について、村のWebサイトは次のように記述しています。

占冠（しむかっぷ）の名前の由来は、アイヌ語の「シモカプ（shimokap）」からで、『とても静かで平和な上流の場所』のことを意味しています。その名の通り今も変わらず、静かで平和な村です。
占冠村＞名前の由来

静かで平和な村でありたいという願いを否定したいわけではありませんが、村役場説では4音節の「シモカプ」のどれが「とても静か」で、どれが「平和」で、どれが「上流」で、どれが「場所」なのか切り分けられていません。たった4音節にそれだけの意味を込められるアイヌ語とは便利な言語なのかもしれません。

一方、北海道森林管理局Webサイトには次のように記載されています。

占冠の語源はアイヌ語のシ・ムカッ・ペッに由来し、「鵡川の本流」を意味するといわれています。
北海道森林管理局＞こんにちは森林官です！

鵡川は「ムカッ・ペッ」のようです。鵡川の本流は占冠村東部の狩振岳を源流としています。占冠村を横断して、むかわ町で太平洋に注ぎます。このため、占冠村は水系的には鵡川水系であり、もともとは胆振ですが、今は上川管内です。警察も富良野署管轄になります。

アメダス占冠は村役場の近くに設置されています。

21世紀に氷点下35℃を下回ったのは江丹別と占冠しかありません。最深積雪は2001年3月4日の134センチです。

▲21世紀のマイナス35℃以下

2020年の観測値は次のとおりです。年平均気温は低いほうから11位タイ、年最低気温は単独8位です。

▲占冠の2020年観測値

2021年は次のとおりでした。平均気温が8位タイ、最低気温は6位です。