置き薬「遊和」は統一教会系のIHMグループ

置き薬

「越中富山の反魂丹(はんごんたん)、鼻くそ丸めて萬金丹、それを呑む奴あんぽんたん」という口上があります。「反魂丹」は富山、「萬金丹」は伊勢の漢方薬です。

萬金丹は伊勢参り土産としても有名です。宗教と薬は昔から縁が深いのかもしれません。富山は言うに及ばず薬売りが有名です。統一教会(統一協会)系のIHMグループは置き薬(配置薬)の業者です。すると、誰が「あんぽんたん」なのだろうと思ったりもします。

株式会社IHM(旧社名:株式会社インターナショナルホームメディカル)の「企業理念」は次のセンテンスから始まります。

創業時から、医療の根源である博愛=「為に生きる」という精神でお客様との基盤作りをしてきました。

株式会社IHM>ビジョン・企業理念・社訓

「為に生きる」は教団用語です。同社の社訓は「希望、努力、研究、創意」だそうです。この4つのワードを同じ配列で社訓にしている企業がハッピーワールドさんです。株式会社IHMはハッピーワールドとともに全国霊感商法対策弁護士連絡会の「統一教会関連団体リスト」に掲載されている企業の1つです。

株式会社IHM
株式会社IHM(地理院タイルを加工)

株式会社IHMの本社は五反田です。2021年10月に移転しています。

国民生活センターの呼びかけ

置き薬(配置薬)に関しては、国民生活センターから次のような注意が呼びかけられています。これらは別にIHMグループを名指ししたものではありません。

【外部リンク】
■国民生活センター>配置薬の補充だけのはずが…高額な健康食品を買うはめに
■国民生活センター>配置薬 使用期限が切れて処分したら代金を請求された

置き薬は開封すれば買い取りです。使った分だけ支払いが生じる「先用後利」がルールです。使わずに使用期限が間近に迫った薬は、定期的な訪問(おおむね3か月~半年)の際に交換されるという仕組みです。

今はコンビニで薬が買えるようになりましたが、それでも常備薬があるのは安心です。体調に異変を感じても日中は我慢していることもありますし、夜中に突然のアクシデントが起こることも少なくありません。置き薬自体は消費者側にもメリットがあります。

シンプルに考えて、置き薬だけでさほどの利益は出ないものでしょう。置き薬の中に高額な鎮痛剤を混ぜておくというパターンはあまり聞きませんが、藁にもすがりたいときは手を出してしまうものかもしれません。

IHMグループのWebサイトに掲載されている医薬品は、葛根湯やバファリンやのど飴などです。医薬部外品で高麗人参ドリンクが登場しますが、さほど高額というわけではありません。健康補助食品の高麗人参濃縮液は万単位です。保湿クリームも30gで万単位です。岩盤浴マットは税込み50万だそうです。

置き薬でよくある手口は、無料サービス品の配布です。これを受け取ると受領証にサインを求められ、それが置き薬の契約書になっているというパターンです。

配置薬という性質上、この段階では金銭の授受を伴うわけではなく、訪問された消費者側に実損がありません。次回訪問が約束されただけです。これだけなら警察や相談窓口への通報・相談はしないものです。

「遊和」の販社は全国8社

IHMグループの販売会社は全国に8つありますが、必ずしも全国を網羅しきれていないようです。京都や神戸には営業所がありません。本体の世界平和統一家庭連合だけでなく世界平和女性連合もこの地域は薄めでした。

北海道MS札幌函館、岩見沢、旭川、帯広、釧路
やまとM前橋仙台、宇都宮、新潟、長野、さいたま、郡山
首都圏M東十条葛飾、川崎、小平、千葉、鎌ケ谷、横浜、町田
ライフM横浜
中部MS名古屋名古屋、大治町、岡崎、岐阜、四日市、豊橋、知多、
静岡、浜松、富士、藤枝、富山、金沢、福井
関西MS大阪大阪、豊中、寝屋川、滋賀、和歌山
西日本M広島呉、岡山、松山、高松、松江、山口、福山、徳島
九州M小倉中間、福岡、熊本、宮崎、鹿児島
▲販社と営業所

ストリートビューを見る限り、営業車両は白系統の軽です。富士薬品や布亀の営業車はボディに社名が入っていますが、IHMグループは横も後ろも無地です。

IHMグループの薬箱には「遊和」と記されています。4か月単位で発行しているらしい冊子も「遊和」というタイトルです。バックナンバーを眺めていたら、コロナ直前となる2019年末発行の第36号には池袋大谷クリニックの大谷義夫医師の巻頭インタビュー記事が掲載されています。

友利新、宮川花子、草笛光子、曽野綾子、藤岡弘、、アグネス・チャン、たかの友梨、宗次郎、吉村作治、服部幸應の各氏も登場したことがあるようです。このうち旧・統一教会(統一協会)系企業との認識を持っていたのは、1人かせいぜい2人のはずです。

懸場帳のAI化

シャープマーケティングジャパン株式会社のWebサイトに導入事例のページがあります。端末で薬のバーコードを読み込み、配置期限を管理しているようです。

関西メディカルシステムズ管理部長 円谷重之氏は「風邪薬、胃腸薬といった基本的な医薬品だけでなく、医薬部外品、健康補助食品、化粧品、医療用具など商品の幅も広い上に、一軒一軒お客様のお宅を訪問し、時には話し相手になって健康相談に応えるなど、非常に手間のかかる仕事です。しかし、訪問形式だからこそ、顧客のためを思い、日頃の健康管理や、セルフメディケーションによる医療費の抑制など、社会貢献をめざすという当社の理念が実現できます。

シャープマーケティングジャパン株式会社>導入事例 株式会社 関西メディカルシステムズ 様

2020年に株式会社優美を吸収合併した株式会社ジェイエスの取締役が円谷重之氏です。

同社の基本的な業務の流れは次のようなものだ。まず新規の顧客開拓に向けて「新懸(しんがけ)」と呼ばれる飛込み営業を行なう。勧誘によって契約が成立した場合は、以後、基本的な10品目程度の医薬品が入った専用の薬箱を配置して、2〜3か月に1度程度訪問。その間に使用した分については代金を回収し、必要な薬の補充を行なう。

また顧客とのコミュニケーションを通じて、基本的な10品目に入っていない健康食品などについても紹介し、販売していくことになる。

シャープマーケティングジャパン株式会社>導入事例 株式会社 関西メディカルシステムズ 様

配置薬業界では古くから「懸場帳」と呼ばれる顧客管理台帳を用いていたようです。端末画面にも「顧客情報」のキーを確認することができます。

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