「カイラサ合衆国」を探す、ガラパゴスでないエクアドルの島

カイラサ合衆国はどこ?

「カイラサ合衆国」終身国連大使を名乗る民族衣装風の女性は、ジュネーブの国連人権高等弁務官事務所で行われた会合になぜ参加できたのか、これが一番知りたいところでした。

外交官の世界では身分証提示を求められることが稀なはずです。名前も聞いたことがない国はたくさんあります。正直に知らないと言ったら「大使」に失礼です。意外とセキュリティの盲点なのではないかと思っていましたが、どうやら女性差別などを話し合う会合で誰でも参加可能だったそうです。

ここの教祖様(あるいは建国者、国家元首)であるニトヤナンダ(Nithyananda)氏は、12歳で啓示を受けたそうです(文鮮明氏は15歳です)。購入した南米エクアドル沖の島に首都を置く国家を作ったということです。この説明を受け入れて、その島を探してみようと思います。

エクアドルはコロンビアとペルーに挟まれた赤道直下の南米西岸の国です。エクアドルの島と言えば、ガラパゴス諸島です。日本人がそれ以外に思いつくはずもありません。

大陸からの出発地となるキトまたはグアヤキルの空港では20ドル(エクアドルの通貨はUSドル)の検疫料、現地到着後はキャッシュで100ドルの入島料が必要です。飛行機での所要時間は2~2.5時間です。

ガラパゴス諸島はコスタリカ沖1000キロ

わざわざそんな面倒なガラパゴスに首都を設けるはずがありません。そうなると、「カイラサ合衆国」の首都があるのかもしれないエクアドルの島は俄然限られてきます。私が目をつけたのは4つです。

カイラサ合衆国の候補となる島

グアヤス川河口の島

「沖」ではありませんので最初から条件に合致しませんが、気になる島があります。グアヤス川河口にあるCalvarados Islandという名前の南北1.9キロ、東西1.2キロほどの小さな島です。

グアヤス川河口の島

滑走路っぽくも見えるものがあります。300mの長さなら小型セスナの離着陸は可能です。先端には4棟の建物があります。

滑走路?

「カイラサ合衆国」では「食料や教育、医療は無料提供」ということです。農場らしきものはあります。4棟の建物は国会議事堂と官邸と病院と学校なのかもしれません。無理か。

ムエルトス島

エクアドル最大の島・ブナ島の南西にあるムエルトス島には灯台と小屋はありますが、おそらく無人島です。

ムエルトス島

これが自然の造形なのかと目を疑いたくなる風景が見られます(→Google Mapの投稿画像)が、少なくとも日本人向けのツアーはないはずです。観光地化されていないようで、現地ツアーも見つかりませんでした。エクアドルの公用語はあいにくスペイン語です。

Google Mapのクチコミには「ダニまみれ 大変だった」というものがあります。グンカンドリやカツオドリやペリカンの営巣地ということで、全島ではないにせよ保護地域になっているようです。

イスロテ・ペラド

大陸沖7キロほどにある島です。岩礁と言ったほうがいいのかもしれません。

イスロテ・ペラド(岩礁)

ダイビングスポットではあるようですが、建物らしきものは確認できません。Google Mapの投稿画像にはビーチの写真が1枚だけ混ざっていますが、たぶん出発時の写真ではないかと思われます。

プラタ島

プラタ島は「小さなガラパゴス」とも呼ばれる沖合25キロほどの島です。東西に4キロほどの比較的大きめの島でビーチもあります。南緯1度台ですので、通年で泳げるはずです。

プラタ島

いわゆる「海の家」的な施設があります。2階建てのようです。

プラタ島の「海の家」

それほど急峻な山ではなく南西部は台地状です。植生的にも水の確保が課題になるでしょうが、買い取って国にするにはいい島かもしれません。岸壁はありませんし、去年まで観光地ですけど…。

なお、英語版Wikipediaによれば、インドの指名手配を逃れて逃走失踪中の教祖・ニトヤナンダ氏は日の出を40分遅らせたり、盲目の子供に「第三の目」を与えて失明を治したりする超能力の持ち主のようです。

2022年にはスリランカ政府に亡命を求めたとの記述もあります。また、何の脈絡もなくエクアドルが出てきたのではなさそうです。

【外部リンク】
■英語版Wikipedia>Nithyananda

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