昭和2年7月22日の40.2℃
気象庁観測による日本初の40℃台は、1927年7月22日の宇和島測候所です。高知のアメダス江川崎とは水平距離23キロほどです。
現在の宇和島特別地域気象観測所は、標高2mの埋立地にある海保や税関との合同庁舎です。風速計は屋上に設置されています。
下の地図の青マーカーが今の観測所です。岸壁から気温計まで50mほどしか離れていません。とても40℃が出るような立地ではありません。1993年2月に標高43mの赤マーカー付近から移転しています。水平距離では230mほどの移動です。
1922年に松山測候所宇和島支所として開設された宇和島測候所は2005年に無人化されています。
標高1226mの三本杭
赤の▲マーカーは標高1000m以上の山です。宇和島市街地から水平距離で数キロです。フェーン現象による40℃到達だったものと思われます。
宇和島の38℃以上は5回ありますが、すべて移転前です。現在地に移転した以降の最高気温は37.1℃に過ぎません。つまり、90数年ぶりの40℃台はまず期待?できません。
40.2℃ | 1927/7/22 |
38.4℃ | 1969/8/12 |
38.2℃ | 1958/7/31 |
38.1℃ | 1923/8/10 |
38.0℃ | 1927/7/21 |
37.1℃ | 2020/8/15 |
実はそこそこ雪も降る宇和島
標高43mから標高2mに移転した関係で、積雪深も20センチ以上は移転前だけです。無人化されて以降は積雪・降雪は観測対象から外れています。
宇和島 | 松山 | ||
38cm | 1931/01/10 | 34cm | 1907/02/11 |
23cm | 1967/12/30 | 25cm | 1931/02/10 |
22cm | 1927/01/23 | 18cm | 1917/02/04 |
20cm | 1977/02/18 | 17cm | 1945/02/22 |
14cm | 2001/01/16 |
標高32mの松山地方気象台より宇和島のほうがむしろ雪は多くなっています。移転後の2001年には14センチを観測しています。海からたった50mの観測露場で14センチは結構な積雪です。
1923年から2022年まで100年間の年平均気温の推移は次のとおりです。移転後に平均気温が上がっているのは、もちろん温暖化もあるでしょうが、寒暖差が小さくなり最高気温以上に最低気温が出にくくなったからだと思われます。
日最低気温が氷点下となった冬日の日数は移転とともに激減しています。
2020~2022年の観測値
2020年の観測値は次のとおりです。最低気温は氷点下に達していません。
年降水量 | 1826.0ミリ | 639位 | /1293地点 |
年平均気温 | 17.5℃ | 85位 | /922地点 |
年最高気温 | 37.1℃ | 246位 | /922地点 |
年最低気温 | 0.2℃ | 64位 | /922地点 |
年較差 | 36.9℃ | 815位 | /922地点 |
年平均風速 | 2.7m/s | 259位 | /921地点 |
年日照時間 | 2106.3時間 | 114位 | /841地点 |
2021年の最高気温は35℃台です。
年降水量 | 1688.5ミリ | 741位 | /1293地点 |
年平均気温 | 17.6℃ | 84位 | /921地点 |
年最高気温 | 35.1℃ | 492位 | /921地点 |
年最低気温 | -2.8℃ | 122位 | /921地点 |
年較差 | 37.9℃ | 807位 | /921地点 |
年平均風速 | 2.8m/s | 254位 | /920地点 |
2022年は日最高気温30℃以上の真夏日が観測史上最多の89日でした。雨が少ない気がしますが、平年値(1991-2020年)は1727.5ミリですので、もともとそれほど多いわけではないようです。
年降水量 | 1362.5ミリ | 790位 | /1285地点 |
年平均気温 | 17.5℃ | 81位 | /916地点 |
年最高気温 | 36.4℃ | 268位 | /916地点 |
年最低気温 | -1.5℃ | 101位 | /916地点 |
年較差 | 37.9℃ | 776位 | /916地点 |
年平均風速 | 2.8m/s | 239位 | /915地点 |
年日照時間 | 2111.9時間 | 160位 | /842地点 |
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