仮面強盗の逃走ルートは交番のスタンプラリー

銀座8丁目8番8号

実に不思議な事件です。襲われた宝石店は「クォーク銀座888店」という名前です。住所が銀座8丁目8番8号です。日本でもっとも有名な8丁目です。

銀座8-8-8

ご丁寧に歩道には8丁目の表示もあります(車道向きですが…)。これほど通報されやすい住所もなかろうと思われます。御徒町の宝石店の場合、通りすがりの人は上野5丁目だとはまずわかりません。まあ、警備会社に連絡されるのは覚悟のうえだったものと思われます。

テレ朝のニュースによれば、9日18時20分に店から逃走して18時33分に赤坂で車を乗り捨てているそうです。逃走経路をGoogle Mapでルート検索すると15~16分でした。信号無視を繰り返しているのでしょうから、13分は妥当なところです。

乗り捨て・確保現場

パトカーの追尾を振り切ろうとして赤坂小学校の裏手を回り込み、入り込んだら行き止まりだったということのようです。

まさかの交番から交番へ

推定されている逃走ルートは、銀座4丁目交番→数寄屋橋交番→日比谷公園前交番→桜田門警備派出所→(国会議事堂)→赤坂見附交番というルートです。銀座7丁目交差点を右折したという話もありますので、その場合は銀座8丁目交番の前を通過している可能性もあります。

交番から交番へ
逃走ルート?(地理院タイルを加工)

青マーカーが交番または派出所(プラス国会議事堂)です。逃走初期の赤信号無視の段階で、交番から交番へという逃走ルートの選択は挑発的ですらあります。赤坂見附ではパト3~4台に追尾されていたようです。

横浜方面に逃げたくて青山通りに入ったのでしょうが、同じ車で逃げ続けられるものではありません。2台目が用意されていなかったのだとすれば、指示役の首謀者はいなかった(売り捌きまで考えていなかった)可能性もあります。

銀座8丁目なら絶好の乗り換えポイントがあります。それこそ闇バイトを4~5人雇っておけば、最悪の事態を回避することもできます。配備される前に車を捨てれば、あとは悠々と逃げられるわけです。電車は2分間隔で走っているのですから、別に車にこだわる必要もありません。

捨て駒ではないのでは?

そのときどきの信号や車列の具合で曲がったり直進したりした結果が今回の逃走ルートなのかもしれませんが、誰かに操られていたのではなく首謀者は4人の中にいると考えたほうが自然な気がします。最年長で19歳なら都内の地理に詳しいわけではないはずです。

レンタカーを誰が借りたかで話としては終わりそうですが、影の首謀者がいたのなら当然に偽造免許証のはずです。影の首謀者が盗難車のナンバープレートとレンタカーを用意したのだとしても、ブツが手に入らないならその投資は無駄になります。

4丁目交差点左折で議事堂前まで直進というコースは逃走ルートとしてあり得ません。まるで交番から交番へのスタンプラリーです。

私なら(A)7丁目交差点を右折して某所で2台目に乗り換え、(B)6丁目交差点左折で新橋駅、のどちらかです。(A)の場合は8丁目交番前を通過しますが、まだ配備前です。(B)の新橋駅前交番は山手線の内側です。

運転手まで含めて同じ黒装束というのも思慮不足です。鞄が2つなら山手線と銀座線の2班に別れて逃走すれば、片方が捕まったとしても指示役としては初期投資を回収できることになります。仮面を外し、上だけ脱いで群衆に紛れるのが最善のはずです。

同種の事件の模倣犯に過ぎず、捨て駒ではないように思えます。素直に未成年者グループの犯行と考えたほうが話の辻褄は合いそうです。ケガ人がなくて何よりでした。

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